ラムダ-オメガ系と複素ギンツブルグ-ランダウ方程式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/01 21:04 UTC 版)
「周期進行波」の記事における「ラムダ-オメガ系と複素ギンツブルグ-ランダウ方程式」の解説
周期進行波の原型であり、その数学的な理解と理論の発展の基盤となっている二つの数学的な系が存在する。それらは、「ラムダ-オメガ」クラスの反応拡散方程式 ∂ u ∂ t = ∂ 2 u ∂ x 2 + λ ( r ) u − ω ( r ) v ∂ v ∂ t = ∂ 2 v ∂ x 2 + ω ( r ) u + λ ( r ) v ( ∵ r = u 2 + v 2 ) {\displaystyle {\begin{aligned}&{\frac {\partial u}{\partial t}}={\frac {\partial ^{2}u}{\partial x^{2}}}+\lambda (r)u-\omega (r)v\\&{\frac {\partial v}{\partial t}}={\frac {\partial ^{2}v}{\partial x^{2}}}+\omega (r)u+\lambda (r)v\\&\left(\because r={\sqrt {u^{2}+v^{2}}}\right)\end{aligned}}} および、複素ギンツブルグ-ランダウ方程式 ∂ A ∂ t = A + ( 1 + i b ) ∂ 2 A ∂ x 2 − ( 1 + i c ) | A | 2 A {\displaystyle {\frac {\partial A}{\partial t}}=A+(1+ib){\frac {\partial ^{2}A}{\partial x^{2}}}-(1+ic)|A|^{2}A} である(A は複素数値)。これらの系は λ(r) = 1 − r2, ω(r) = − cr2, b = 0 のとき、同一のものとなることに注意されたい。これらの系はいずれも、方程式を振幅(r あるいは |A|)および位相(arctan(v/u) あるいは arg A)に関して書き換えることで、簡易化することが出来る。この方法で方程式が書き換えられたなら、振幅が定数であるような解は、位相が空間と時間の線型関数であるような周期進行波であることが簡単に分かる。したがって、u, v あるいは Re(A), Im(A) は空間と時間の正弦関数である。 周期進行波の族に対するそれらの厳密解は、非常に広い範囲のさらなる解析的研究を可能とする。その周期進行波の安定性のための厳密条件を見つけることが出来、絶対安定性のための条件は、簡単な多項式の解へと帰着される。 厳密解はまた、侵入やディリクレゼロ境界条件によって生成される波の選択問題に対して得られている。後者のケースでは、複素ギンツブルグ-ランダウ方程式に対して、全域解は定常 Nozaki-Bekki ホールとなる。 複素ギンツブルグ-ランダウ方程式における周期進行波に関する研究のほとんどは、物理学の文献によるものであり、そこではそれらは通常平面波として知られている。
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