測度論とは? わかりやすく解説

測度論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/24 00:11 UTC 版)

AB部分集合なら、A の測度は B と等しいかそれより小さい。また空集合の測度は 0 でなければならない。

測度論(そくどろん、: measure theory)は、数学実解析における一分野で、測度とそれに関連する概念(完全加法族可測関数積分等)を研究する。ここで測度(そくど、: measure)とは面積体積、個数といった「大きさ」に関する概念を精緻化・一般化したものである。よく知られているように積分面積と関係があるので、積分(厳密にはルベーグ積分)も測度論を基盤にして定式化・研究できる[1]

また、測度の概念は確率を数学的に定式化する際にも用いられるため(コルモゴロフの公理)、確率論統計学においても測度論は重要である。たとえば「サイコロの目が偶数になる確率」は目が 1, ..., 6 になるという 6 つの事象の集合の中で、2, 4, 6 という 3 つ分の「大きさ」を持っているため、測度の概念で記述できる。

概説

与えられた集合上の測度は 2 段階のステップで定義される。まずその集合の部分集合で測度が定義可能なもの(可測集合という)はどれであるかを決め、次にそれらの部分集合に対し具体的に測度を定義する。測度の定義は形式的に与えられ、その要件は、空集合の測度が 0 であることと、n 個の互いに素な集合の測度の和がそれらの集合の和集合の測度と一致することだけである。前述した面積、体積、個数はいずれも測度であることが容易に確かめられる。

重要なことは上の定義で n可算個であってもよいということである。このことが測度論をベースにした積分の定義(ルベーグ積分)を従来の定義(リーマン積分)よりも使い易くしており、前者では適切な条件のもと積分と可算和の順番を交換できることを保証できる(有界収束定理)が、後者の場合は同じ条件下であってもこの種の交換は有限和のときにしか保証されない。

この測度の概念で、測度が定義できない集合が存在することが知られている。例えば ポータル カテゴリ


測度論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/18 00:35 UTC 版)

射影 (集合論)」の記事における「測度論」の解説

可測空間の族 (Ωi, 𝒜i) (i ∈ I) に対し直積 σ-集合体ドイツ語版) ⨂ i ∈ I A i = σ ( { π j − 1 ( A j ) ∣ A jA j , j ∈ I } ) = σ ( ⋃ j ∈ I π j − 1 ( A j ) ) {\displaystyle \bigotimes _{i\in I}{\mathcal {A}}_{i}=\sigma \left(\left\{\pi _{j}^{-1}(A_{j})\mid A_{j}\in {\mathcal {A}}_{j},j\in I\right\}\right)=\sigma \left(\bigcup _{j\in I}\pi _{j}^{-1}({\mathcal {A}}_{j})\right)} は、デカルト積 ΩI 上の、Ωi への射影をすべて可測にする最小σ-集合体である。この直積 σ-集合体は、任意の有限添字集合 J に対す円筒集合族生成するものとして定めることもできる。測度論および確率統計論(ドイツ語版)において、直積 σ-集合体測度空間直積および確率空間直積定め基礎与える。

※この「測度論」の解説は、「射影 (集合論)」の解説の一部です。
「測度論」を含む「射影 (集合論)」の記事については、「射影 (集合論)」の概要を参照ください。

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