完全加法族とは? わかりやすく解説

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完全加法族

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 15:14 UTC 版)

数学における完全加法族(かんぜんかほうぞく、: completely additive class [of sets], completely additive family [of sets])、可算加法族(かさんかほうぞく、英: countably additive class [of sets], countably additive family [of sets])、(σ-)加法族((シグマ)かほうぞく、英: σ-additive family [of sets])、σ-集合代数(シグマしゅうごうだいすう、英: σ-algebra [of subsets over a set], σ-set algebra)、あるいは σ-集合体(シグマしゅうごうたい、英: σ-field [of sets][注 1]は、主な用途として測度を定義することに十分な特定の性質を満たす集合の集まりである。特に測度が定義される集合全体を集めた集合族は完全加法族になる。この概念は、解析学ではルベーグ積分に対する基礎付けとして重要であり、また確率論では確率の定義できる事象全体の成す族として解釈される。完全加法族を接頭辞「完全」を付けずに単に「加法族」と呼ぶことも多い(つまり、有限加法族の意味ならば接頭辞「有限」を省略しないのがふつう)ので注意が必要である[1]


  1. ^ 接頭辞 "σ" は「可算加法的」("completely additive") であることを示すのにしばしば用いられる。また、完全加法族では可算加法性と可算乗法性が補集合を取る操作を通じて同値になるので区別されないが、(乗法族における)積の可算性が δ- を用いることによって表される場合がある(δ-乗法族)。例えば、σ-集合環と δ-集合環など。Gδ-集合Fσ-集合の項も参照。
  2. ^ 何をもとに公理化するかといった意識の違いから、名称の違いのみならず、いくつかの見た目の異なる定義が採用されることがあるが、結局は同値な概念であることが確かめられる。
  3. ^ 初めから、「Σ は空でない」という条件の代わりに「Σ は空集合を含む」あるいは「Σ は全体集合 X を含む」という仮定をおく文献もある。例えば伊藤 (1963) は σ-加法族の定義として「Σ は空集合を含む」を仮定する。
  1. ^ 伊藤『ルベーグ積分入門』、30頁。 
  2. ^ Rudin, Walter (1987). Real & Complex Analysis. McGraw-Hill. ISBN 0-07-054234-1 


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