生成された σ-集合代数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/14 23:49 UTC 版)
「完全加法族」の記事における「生成された σ-集合代数」の解説
X の任意の部分集合族 F に対して、F に属する元をすべて含むような最小の σ-集合代数が唯一つ存在する(F 自身が σ-集合代数になっていてもいなくてもよい)。この σ-集合代数を F が生成する σ-集合代数 σ(F)と呼ぶ。 このような σ-集合代数が常に存在することを見るために、Φ := {E ⊆ 2X : E は F を含む σ-集合代数} と置くと、F が生成する σ-集合代数とは Φ の最小元ということになる。実際にこのような最小限は存在する。まず冪集合 2X は Φ に属するから Φ は空でなく、従って Φ に属する元すべての交わり σ* は空積でない。Φ の各元は F を含むのだから交叉 σ* もやはり F を含むが、さらに Φ の各元は σ-集合代数ゆえ交叉 σ* もやはり σ-集合代数になる(これは、Φ の各元が満たす σ-集合代数の三公理が、Φ の交叉でも保たれることを確認すればよい)。従って σ* は F を含む σ-集合代数となり Φ に属することとなり、またこれが Φ に属する全ての集合の交わりであったことから、σ* は定義により Φ の「最小」の元になる。即ち σ* = σ(F) が F の生成する σ-集合代数となる。 簡単な例として、集合 X = {1, 2, 3} において、単元集合 {1} の生成する σ-集合代数は σ({1}) = {∅, {1}, {2,3}, {1,2,3} } となる。記号の濫用により、ただ一つの元 A のみからなる族 {A} を考えるときには、σ({A}) と書く代わりに σ(A) と書く。今の例だと σ({1}) の代わりに σ(1) と書く。
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