測度論的定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/16 09:56 UTC 版)
上記の定義では P(B) = 0 の場合 P(A|B) は未定義である。しかしながら、そのような事象に対して完全加法族の観点から条件付き確率を定義することは可能である。 例えば、X と Y は退化していない連続同時確率分布 ƒX,Y(x,y) に従う確率変数であるとする。B が正の測度を持つ場合、以下が成立する。 P ( X ∈ A ∣ Y ∈ B ) = ∫ y ∈ B ∫ x ∈ A f X , Y ( x , y ) d x d y ∫ y ∈ B ∫ x ∈ R f X , Y ( x , y ) d x d y {\displaystyle \operatorname {P} (X\in A\mid Y\in B)={\frac {\int _{y\in B}\int _{x\in A}f_{X,Y}(x,y)\,dx\,dy}{\int _{y\in B}\int _{x\in \mathbb {R} }f_{X,Y}(x,y)\,dx\,dy}}} しかし B の測度が 0 の場合が問題である。B = {y0} の場合、単一点を表現しているが、条件付き確率は以下になる。 P ( X ∈ A ∣ Y = y 0 ) = ∫ x ∈ A f X , Y ( x , y 0 ) d x ∫ x ∈ R f X , Y ( x , y 0 ) d x , {\displaystyle \operatorname {P} (X\in A\mid Y=y_{0})={\frac {\int _{x\in A}f_{X,Y}(x,y_{0})\,dx}{\int _{x\in \mathbb {R} }f_{X,Y}(x,y_{0})\,dx}},} この方法はボレル-コルモゴロフのパラドックス(英語版)が生じる。測度が 0 の場合のより一般的なケースでは更に問題である。下記のように極限を表記し、全ての δyi が 0 に近づく場合、どのように 0 に近づくかに依存する。 P ( X ∈ A ∣ Y ∈ ⋃ i [ y i , y i + δ y i ] ) ≊ ∑ i ∫ x ∈ A f X , Y ( x , y i ) d x δ y i ∑ i ∫ x ∈ R f X , Y ( x , y i ) d x δ y i {\displaystyle \operatorname {P} (X\in A\mid Y\in \bigcup _{i}[y_{i},y_{i}+\delta y_{i}])\approxeq {\frac {\sum _{i}\int _{x\in A}f_{X,Y}(x,y_{i})\,dx\,\delta y_{i}}{\sum _{i}\int _{x\in \mathbb {R} }f_{X,Y}(x,y_{i})\,dx\,\delta y_{i}}}}
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測度論的定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/19 05:57 UTC 版)
詳細は「測度論」を参照 確率空間 ( Ω , F , P ) {\displaystyle (\Omega ,{\mathcal {F}},P)} が与えられたとき、確率変数とは、標本 ω ∈ Ω {\displaystyle \omega \in \Omega } に割り当てた値をとる変数のことである。値にはその名の通り R {\displaystyle \mathbb {R} } や Z {\displaystyle \mathbb {Z} } の他、ベクトル値 R d {\displaystyle \mathbb {R} ^{d}} を割り当てることもある。「値」として、一般的には可測空間 ( E , E ) {\displaystyle (E,{\mathcal {E}})} とする。確率変数とは ( F , E ) {\displaystyle ({\mathcal {F}},{\mathcal {E}})} -可測関数 X : Ω → E {\displaystyle X:\Omega \to E} である。つまり、値 B ∈ E {\displaystyle B\in {\mathcal {E}}} の原像 X − 1 ( B ) = { ω : X ( ω ) ∈ B } {\displaystyle X^{-1}(B)=\{\omega :X(\omega )\in B\}} が F {\displaystyle {\mathcal {F}}} の元であることを意味している。 特に E が位相空間である時、最も一般的なσ-集合代数 E {\displaystyle {\mathcal {E}}} はボレルσ-集合代数 B ( E ) {\displaystyle {\mathcal {B}}(E)} である。これは、Eの全ての開集合から生成されるσ-代数である。
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