測度論的定式化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/13 01:28 UTC 版)
離散型確率変数 X の確率質量関数は 2 つのより一般的な測度論的構成の特別な場合と見ることができる。すなわち、数え上げ測度に関して、X の確率分布と X の確率密度関数である。以下詳述する。 ( A , A , P ) {\displaystyle (A,{\mathcal {A}},P)} を確率空間とし、 ( B , B ) {\displaystyle (B,{\mathcal {B}})} をそのσ-代数が離散的な(したがって特に B の一元集合を含む)可測空間とする。この設定において、確率変数 X : A → B {\displaystyle X:A\to B} は像が可算集合であれば離散的である。pushforward measure(英語版) X ∗ ( P ) {\displaystyle X_{*}(P)} —この文脈では X の分布 (distribution) と呼ばれる—は B 上の確率測度であって、一元集合へのその制限は、各 b ∈ B に対して f X ( b ) = P ( X − 1 ( b ) ) = [ X ∗ ( P ) ] ( { b } ) {\displaystyle f_{X}(b)=P(X^{-1}(b))=[X_{*}(P)](\{b\})} であるから、確率質量関数 f X : B → R {\displaystyle f_{X}:B\to \mathbb {R} } を誘導する。 さて ( B , B , μ ) {\displaystyle (B,{\mathcal {B}},\mu )} を数え上げ測度を持った測度空間とする。数え上げ測度に関する X の確率密度関数 f は、存在すれば、(数え上げ測度に関しての)X の pushforward measure のラドン=ニコディム微分であり、したがって f = d X ∗ P / d μ {\displaystyle f=dX_{*}P/d\mu } であり f は B から非負の実数への関数である。したがって、任意の b ∈ B に対して、 P ( X = b ) = P ( X − 1 ( { b } ) ) := ∫ X − 1 ( { b } ) d P = ∫ { b } f d μ = f ( b ) {\displaystyle P(X=b)=P(X^{-1}(\{b\})):=\int _{X^{-1}(\{b\})}\,dP=\int _{\{b\}}f\,d\mu =f(b)} が成り立ち、f が実際確率質量関数であることが証明された。
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