測度論における用例 [編集]
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/05/17 04:23 UTC 版)
「σ集合環」の記事における「測度論における用例 [編集]」の解説
1915年にフレシェは、今日知られているものと程近い測度の定義を提唱し、それは実数とは無関係に「抽象的な集合」が扱われた最初であった。フレシェの論文では σ-集合環の名称はまだ使われていない。20世紀の中ごろまでは、測度論の説明に σ-集合代数ではなく σ-集合環がしばしば用いられていた。 σ-集合代数でない σ-集合環 Σ 上で定義された測度 μ が与えられたとき、それを σ-集合代数上へ拡張する方法は少なくとも二種類考えられる。一つは、σ-集合環を δ-集合環として考え、δ-集合環の項に言う方法で局所可測集合全体の成す σ-集合代数へ μ を延長する。いま一つは μ を Σ の生成する σ-集合代数 σ(Σ) まで延長するために、まだ測度の定義されていない集合に関しては測度が +∞ であると定める方法である。これら二つは、同じ σ-集合代数を生成した場合でも、必ずしも同じ延長を与えるものではない。X が非可算無限集合であるとき、X 上の高々可算部分集合全体の成す σ-集合環 Ρ とその上の測度 μ は零測度を考えると、前者の方法では μ は(X の部分集合全体の成す σ-集合代数上で)零測度に延長されるが、後者は補可算または補有限な集合の測度が無限大になる。
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