外微分
外微分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/02 21:05 UTC 版)
詳細は「外微分」を参照 微分形式の「係数」になっている関数の微分を通じて、微分形式の次数を 1 つあげる線形写像d : ∧k(D) → ∧k+1(D)が定義される。 正確には、この写像は k によって定義域や値域が異なる写像であり dk のように k を明示して区別すべきであるが、特に気にせず、どれも d で表すことが多い。 領域 D に座標系 {x1,x2,…,xn} が与えられているとき、微分 0 形式 すなわち D 上の関数 f には全微分 d f = ∂ f ∂ x 1 d x 1 + ∂ f ∂ x 2 d x 2 + ⋯ + ∂ f ∂ x n d x n {\displaystyle df={\partial f \over \partial x_{1}}dx_{1}+{\partial f \over \partial x_{2}}dx_{2}+\cdots +{\partial f \over \partial x_{n}}dx_{n}} を対応させる。これは座標系の選び方によらない量になっている。従って多様体 M 全体で定義された関数の外微分も、局所的には上の式によって定義することで、座標系の選択によらない自然な量として定義できる。 微分 k 形式 ξ = ∑ f i 1 , ⋯ , i k d x i 1 ∧ ⋯ ∧ d x i k {\displaystyle \xi =\sum f_{i_{1},\cdots ,i_{k}}dx_{i_{1}}\wedge \cdots \wedge dx_{i_{k}}} に対しては、微分 k+1 形式 d ξ = ∑ d f i 1 , ⋯ , i k ∧ d x i 1 ∧ ⋯ ∧ d x i k {\displaystyle d\xi =\sum df_{i_{1},\cdots ,i_{k}}\wedge dx_{i_{1}}\wedge \cdots \wedge dx_{i_{k}}} を対応させる。これもふたたび局所的な座標系の取り方にはよらず、M 上の微分形式に対する外微分が考えられることになる。 このような写像 d を外微分(がいびぶん)とよぶ。任意の微分形式 ξ に対して 2 回外微分を施すと必ず d ( d ξ ) = 0 {\displaystyle d(d\xi )=0} となる。これは2つの変数に関する偏微分同士の交換性によっている。
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外微分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 03:09 UTC 版)
外微分と呼ばれるスカラーから余ベクトルへの写像 d : C ( M ) → T ∗ ( M ) : f ↦ d f {\displaystyle \mathrm {d} \colon {\mathcal {C}}(M)\to \mathrm {T} ^{*}(M):f\mapsto \mathrm {d} f} であって d f : T ( M ) → C ( M ) : V ↦ V ( f ) {\displaystyle \mathrm {d} f\colon \mathrm {T} (M)\to {\mathcal {C}}(M):V\mapsto V(f)} なるものが存在する。 この写像は上でのべたように余ベクトルを無限小変位に関連づける写像である。いくつかの余ベクトルはスカラー関数の外微分である。n 形式から (n + 1) 形式の上への写像に一般化することができる。この微分を 2 回適用すると 0 になる。微分が 0 の形式は閉形式と呼ばれ、それ自身外微分であるような形式は完全形式と呼ばれる。 ある点での微分形式の空間は外積代数の原型的な例である。したがって k 形式と l 形式を (k + l) 形式に写すウェッジ積を持つ。外微分はこの代数に拡張し、積の法則の1つのバージョンを満たす: d ( ω ∧ η ) = d ω ∧ η + ( − 1 ) d e g ω ( ω ∧ d η ) . {\displaystyle \mathrm {d} (\omega \wedge \eta )=\mathrm {d} \omega \wedge \eta +(-1)^{{\rm {deg\,}}\omega }(\omega \wedge \mathrm {d} \eta ).} 微分形式と外微分から、多様体のド・ラームコホモロジーを定義することができる。n 次コホモロジー群は閉形式全体を完全形式全体で割った群である。
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