微分積分学における諸概念の時間尺度版
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ラプラス変換・z-変換 時間尺度上で定義された函数に対して、任意の時間尺度に対して同じ変換表を用いて、ラプラス変換を定義することができる。時間尺度上のラプラス変換は時間尺度上のデルタ微分方程式を解くことに利用できる。時間尺度が非負整数全体であるとき、この変換は修正z変換 Z ′ { x [ z ] } = Z { x [ z + 1 ] } z + 1 {\displaystyle {\mathcal {Z}}'\{x[z]\}={\frac {{\mathcal {Z}}\{x[z+1]\}}{z+1}}} に等しい。 偏微分法 偏微分方程式と偏差分方程式(英語版)は時間尺度上の偏デルタ微分方程式に統合される。 重積分 時間尺度上の重積分は Bohner (2005) で扱われている。 確率デルタ微分方程式 確率微分方程式と確率差分方程式は確率デルタ微分方程式に一般化される。 測度論 各時間尺度に対して自然な測度 μ Δ ( A ) := λ ( ρ − 1 ( A ) ) {\displaystyle \mu ^{\Delta }(A):=\lambda (\rho ^{-1}(A))} が付随する。ただし、λ はルベーグ測度で、ρ は ℝ 上定義された後方シフト作用素とする。デルタ積分は、この測度に関する通常のルベーグ–スティルチェス積分 ∫ r s f ( t ) Δ t = ∫ [ r , s ) f ( t ) d μ Δ ( t ) {\displaystyle \int _{r}^{s}f(t)\Delta t=\int _{[r,s)}f(t)d\mu ^{\Delta }(t)} として理解でき、またデルタ微分はこの測度に関するラドン–ニコディム微分 f Δ ( t ) = d f d μ Δ ( t ) {\displaystyle f^{\Delta }(t)={\frac {df}{d\mu ^{\Delta }}}(t)} となる。 超函数 ディラックのデルタとクロネッカーのデルタは、時間尺度上のヒルゲルのデルタ δ a H ( t ) := { 1 μ ( a ) , t = a 0 , t ≠ a {\displaystyle \delta _{a}^{\mathbb {H} }(t):={\begin{cases}{\frac {1}{\mu (a)}},&t=a\\0,&t\neq a\end{cases}}} に統合される。 積分方程式 積分方程式と和分方程式(英語版)は、時間尺度上の積分方程式に統合される。 分数階微積分 時間尺度上の分数階微分積分学は Bastos, Mozyrska & Torres (2010) が扱っている。
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