えんかん‐めん〔ヱンクワン‐〕【円環面】
トーラス
![]() | この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2015年5月) |

初等幾何学におけるトーラス(英: torus, 複数形: tori)、円環面、輪環面は、円周を回転して得られる回転面である。
いくつかの文脈では、二つの単位円周の直積集合 S1 × S1(に適当な構造を入れたもの)を「トーラス」と定義する。特に、位相幾何学における「トーラス」は、直積位相を備えた S1 × S1 に同相な図形の総称として用いられ、種数 1 の閉曲面(コンパクト二次元多様体)として特徴づけられる。このようなトーラスは三次元ユークリッド空間 R3 に位相的に埋め込めるが、各生成円をそれぞれ別の平面 R2 に埋め込んで、それら埋め込みを保つような直積空間としての「トーラス」をユークリッド空間に埋め込むことは R3 では不可能で、R4 で考える必要がある。これはクリフォードトーラス と呼ばれる、四次元空間内の曲面を成す。

混同すべきでない関連の深い図形として、トーラスに囲まれた領域(三次元図形)すなわち「中身の詰まったトーラス」(solid torus) を、トーラス体、輪環体、円環体などと(対してもとのトーラスをトーラス面 (toroid) と)呼ぶこともある。また、中身の詰まったトーラスを単に「トーラス」(toroid) と呼ぶ場合があるので注意が必要である。また、同様に「円環」などと呼ばれる別の図形アニュラス(annulus、環帯)とも混同してはならない。
トーラス形



最もありふれたトーラスは、円(周)の外側に回転軸を置き得られる回転体、代表的なドーナツの形状の一つである「リングドーナツ」型で、いわゆる「ドーナツ型」である(ドーナツには球など様々な形があり、全てがトーラスの形状ではない。)。
トーラスの形と大きさを示すには大円の半径である大半径 R と、小円の半径である小半径 r (R > r) の2つの値が必要である(図)。小円とは回転体の断面の円、大円は小円の中心がなす円のことである。大円はトーラスの中心曲線(ちゅうしんきょくせん、core curve)ともいわれる。このトーラスは、xz 平面上の円 C
位相的トーラス

位相幾何学的には、トーラスはどれだけ伸縮してもいい。有名な例は、ドーナツとコーヒーカップは同相である、というものである。つまり、コーヒーカップ(の表面)もトーラスである。

また、結び目状になっているトーラスを考えることもできる。全ての結び目が円周に同相なように、結び目状になっているトーラスも標準的なトーラスと同相になる。ただし中心曲線の結び目が異なれば3次元空間上ではそれらは同位にならない。
性質
- トーラスの基本群は ⟨x, y : xyx−1y−1⟩ である。
多孔トーラス
トーラスは、2次元球面から2つの円板を除去し、その境界に円柱面 S1×I の両端を貼り付けることによってつくることもできる。トーラスに対してさらにもう1つシリンダーをつけた曲面は二つ穴トーラス (double torus) と呼ぶことがある。これを繰り返してさらに多くの穴を持ったトーラスを考えることができ、穴の個数のことを種数という。また、シリンダーをつける操作は、新たなトーラスを連結和によって加えていることに相当する。
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2つ穴トーラス
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3つ穴トーラス
トーラス形多面体
位相的にトーラス(あるいは多孔トーラス)である多面体はトーラス形多面体 (toroidal polyhedra) または穿孔多面体(穴のある多面体)と呼ばれる。
n次元トーラス
円周あるいは単純閉曲線 S1 を 1 次元トーラスという。冒頭で述べた意味でのトーラスは S1 × S1 とあらわすことができる(片方の S1 をメリディアン、もう片方の S1 をロンジチュードと考えればよい)。一般に、n 次元トーラスあるいは簡単に n-トーラス Tn とは S1 の n 個の直積
外部リンク
- トーラス・ゲームズ トーラス空間上のゲームで遊ぶことができるゲーム・ソフト(日本語)
- Weisstein, Eric W. "Torus". mathworld.wolfram.com (英語).
- torus in nLab
- torus - PlanetMath.(英語)
- Definition:Torus at ProofWiki
- Voitsekhovskii, M.I.; Popov, V.L. (2001), “Torus”, in Hazewinkel, Michiel, Encyclopedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4