基本群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/10 04:09 UTC 版)
数学、特に代数トポロジーにおいて、基本群(きほんぐん、英: fundamental group)とは、ある固定された点を始点と終点にもつふたつのループが互いに連続変形可能かを測る点付き位相空間に付帯する群である。直観的には、それは位相空間にある穴についての情報を記述している。基本群はホモトピー群の最初で最も単純な例である。基本群は位相不変量である。つまり同相な位相空間は同じ基本群を持っている。
- ^ Poincaré, Henri (1895). “Analysis situs” (French). Journal de l'École Polytechnique. (2) 1: 1–123 . Translated in Poincaré, Henri (2009). “Analysis situs”. Papers on Topology: Analysis Situs and Its Five Supplements. Translated by John Stillwell. pp. 18–99
- ^ Geoghegan, R. (2008). Topological Methods in Group Theory. p. 78. ISBN 978-0-387-74611-1. MR2365352. Zbl 1141.57001
- ^ Geoghegan, R. (2008). Topological Methods in Group Theory. p. 120. ISBN 978-0-387-74611-1. MR2365352. Zbl 1141.57001
基本群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 21:24 UTC 版)
詳細は「基本群」を参照 すべての次元で、多様体の基本群は、非常に重要な不変量であり、構造の多くを決定する。次元 1, 2, 3 では、可能な基本群は限定され、一方、4 以上の次元では、すべての有限表示群は、多様体の基本群である(4次元と5次元多様体に対し、このことを示し、高次元の場合は球面との積を取ることで十分であることに注意する)。
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基本群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 13:50 UTC 版)
詳細は「基本群」を参照 単純な場合として、1 次元の位相空間からの連続写像のホモトピーを説明しよう。 まず、線分の厳密な抽象化である、道(みち、path)という概念を定義する。I を R の閉区間 [0, 1] とし、X を位相空間とする。I から X への連続写像 α を X 内の道といい、α(0) を始点、α(1) を終点という。 写像 α の像は X 上の連続曲線となるが、道という用語が表すのは写像 α のことであり、その像である曲線のことではない。道の定義では α の単射性は求められていないため、像である曲線が同じ点を 2 回以上通ってもよい。極端な話、閉区間 I の各点を 1 点に写したものも「道」であり、これは定値道と呼ばれる。始点と終点が一致する道は閉道(へいどう、closed path)あるいはループ (loop) という。閉道の始点のことを(それは終点といっても同じものだが)基点 (base point) という。基点以外に自分自身と交わる点を持たない閉道はサイクルと呼ばれることがある。 連続関数 H: [0, 1] × [0, 1] → X が、X 内の 2 つの道 α, β に対して H(0, t) = α(t) かつ H(1, t) = β(t) を満たすとき、写像 H を道 α, β の間のホモトピー (homotopy) あるいはホモトピー写像という。また 2 つの道 α, β の間にホモトピーが存在するとき、α と β は互いにホモトープ (homotop)、ホモトピック (homotopic) である、または、同じホモトピー型であるといい、 α ≃ β {\displaystyle \alpha \simeq \beta } と表す。また特に、始点と終点をそれぞれ共有する 2 つの道が与えられたとき、その始点と終点を固定するようなホモトピーを道ホモトピーあるいは端点を固定するホモトピーという。直観的には、ホモトピックな 2 つの道は片方を X 内で動かして他方に変形できる。「ホモトピー型が同じである」という関係 ≃ {\displaystyle \simeq } は同値関係であり、同値類が定義できる。この同値関係に関して道 α が属する同値類のことを α のホモトピー類といい、[α] などで表す。 2 つの道を端点で「つなぐ」ことで次のように積 * を定義することができる: 道 α, β に対して、α(1) = β(0) が成り立つとき、 α β ( t ) = { α ( 2 t ) ( 0 ≤ t ≤ 1 2 ) , β ( 2 t − 1 ) ( 1 2 < t ≤ 1 ) . {\displaystyle \alpha \beta (t)={\begin{cases}\alpha (2t)&(0\leq t\leq {\frac {1}{2}}),\\\beta (2t-1)&({\frac {1}{2}}<t\leq 1).\end{cases}}} また、向きを逆にすることで道の逆あるいは逆道が定まる: 道 α に対し、α の逆道 α−1 とは、 α−1(t) = α(1 − t) で定められる。 位相空間 X 内の 1 点 p を固定し、p を基点とする閉道の全体 Ω(X, p) を考えると、これは道の積に関して閉じている。これを道ホモトピー型が同じという関係で割って得られる商集合 π1(X, p) には演算 [α][β] := [αβ], [α]−1 := [α−1] が定義できる。π1(X, p) はこの演算によって群をなし、X の p を基点とする基本群(きほんぐん、fundamental group)あるいは 1 次元ホモトピー群もしくは Poincaré 群とよばれる。 位相空間の間の連続写像 f: X → Y は道の間の対応 α → fα によって基本群の間の準同形写像 f*: π1(X, p) → π1(Y, fp) を導く。この誘導された準同形写像は f のホモトピー型にしかよらない。
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