断面曲率の上界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 07:11 UTC 版)
カルタン・アダマールの定理(英語版)(Cartan–Hadamard theorem)は、非正な断面曲率をもつ完備単連結リーマン多様体 M は、任意の点での指数写像(英語版)(exponential map)を通して、n = dim M 次元のユークリッド空間 Rn に微分同相であるという定理である。この定理は、非正な断面曲率を持つ単連結な完備リーマン多様体の任意の 2点は、一意な測地線により結ぶことができる。 負の断面曲率を持つ測地フロー(英語版)(geodesic flow)は、エルゴード的である。 M が厳密に(0 を含めない)負の定数 k の上界を持たない断面曲率をもつ完備なリーマン多様体であれば、CAT(k)空間(英語版)(CAT(k) space)である。逆に、M の基本群 Γ = π1(M) がグロモフの意味の双曲的(英語版)(Gromov hyperbolic)である。このことは基本群の性質に対して多くの意味を持っている。 基本群が有限表現(英語版)(finitely presented)される。 Γ のワード問題(英語版)(word problem)は正の解を持つ。 群 Γ は有限の仮想コホモロジー次元(英語版)(cohomological dimension)を持つ。 有限位数の元は有限個の共役類しかない。 Γ のアーベル的な部分群は、仮想巡回的(英語版)(virtually cyclic)であるので、Z×Z に同型な部分群をもたない。
※この「断面曲率の上界」の解説は、「リーマン幾何学」の解説の一部です。
「断面曲率の上界」を含む「リーマン幾何学」の記事については、「リーマン幾何学」の概要を参照ください。
- 断面曲率の上界のページへのリンク