コホモロジーとは? わかりやすく解説

コホモロジー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/17 00:51 UTC 版)

数学、とくにホモロジー論代数トポロジーにおいて、コホモロジー (cohomology) とはコチェイン複体から定義されるアーベル群を意味する一般的な用語である。つまり、コホモロジーはコチェインコサイクル、そしてコバウンダリの抽象的な研究として定義される。コホモロジーは、代数的不変量英語版を、ホモロジーがもっているよりも洗練された代数的構造をもつ位相空間に割り当てる手法と見ることができる。コホモロジーはホモロジーの構成の代数的な双対から生じる。より抽象的でない言葉で言えば、基本的な意味でのコチェインは'量'をホモロジー論のチェインに割り当てる。

位相幾何学におけるその起源から、このアイデアは20世紀後半の数学において主要な手法となった。チェインについての位相的不変関係としてのホモロジーの最初の考えから、ホモロジーとコホモロジーの理論の応用の範囲は幾何学抽象代数学に渡って拡がった。その名称によって、コホモロジー反変理論、の方がホモロジーよりも多くの応用において自然なものであるという事実が隠されがちである。基本的なレベルではこれは幾何学的な状況において関数引き戻し英語版を扱う。空間 XY、そして Y 上のある種の関数 F が与えられたとすると、任意の写像 f : XY に対して、f との合成は X 上の関数 F o f を引き起こす。コホモロジー群はまたしばしば自然な積、カップ積をもっており、の構造を与える。この特徴のために、コホモロジーはホモロジーよりも強い不変量である。ホモロジーでは区別できないある種の代数的対象をコホモロジーでは区別可能なのである。

定義

代数トポロジーにおいて、空間のコホモロジー群は次のように定義できる(Hatcher を参照)。位相空間 X が与えられたとき、チェイン複体

主要概念

コホモロジー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 06:45 UTC 版)

特異ホモロジー」の記事における「コホモロジー」の解説

ホモロジーチェイン複体双対化することによって(すなわち R を任意の環として関手 Hom(-, R) を適用することによって)コバウンダリ写像 δ {\displaystyle \delta } をもったコチェイン複体を得る。X のコホモロジー群 (cohomology group) はこの複体コホモロジー群として定義される軽口言えば、「コホモロジーは コ [双対複体] のホモロジーである。」 コホモロジー群はより豊富な、あるいは少なくともよりよく知られた、代数的構造ホモロジー群よりももつ。まず、それらは以下のように次数付き微分代数をなす。 群の次数付き集合次数付き R-加群をなす。 これはカップ積用いて次数付き R-代数構造与えることができる。 Bockstein準同型英語版) β が微分与える。 これらは付加的なコホモロジーの演算英語版)であり、コホモロジー代数付加構造 mod p をもつ(前の通りmod p コホモロジーは mod p コチェイン複体のコホモロジーであり、コホモロジーの mod p での還元ではない)、とくに Steenrod 代数英語版)の構造をもつ。

※この「コホモロジー」の解説は、「特異ホモロジー」の解説の一部です。
「コホモロジー」を含む「特異ホモロジー」の記事については、「特異ホモロジー」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「コホモロジー」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「コホモロジー」の関連用語

コホモロジーのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



コホモロジーのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのコホモロジー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの特異ホモロジー (改訂履歴)、ワイル群 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS