コホモロジー版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/23 04:43 UTC 版)
「マイヤー・ヴィートリス完全系列」の記事における「コホモロジー版」の解説
係数群 G を持つ特異コホモロジーに対するマイヤー・ヴィートリスの長完全系列は、ホモロジー版の双対であり、 ⋯ → H n ( X ; G ) → H n ( A ; G ) ⊕ H n ( B ; G ) → H n ( A ∩ B ; G ) → H n + 1 ( X ; G ) → ⋯ {\displaystyle {\begin{aligned}\cdots &\to H^{n}(X;G)\to H^{n}(A;G)\oplus H^{n}(B;G)\to H^{n}(A\cap B;G)\\&\quad \to H^{n+1}(X;G)\to \cdots \end{aligned}}} で与えられる。ここで、次元を保つ写像は包含写像から誘導された制限写像であり、(双対)境界写像はホモロジー版のときと同様にして定義される。さらにこの相対版の定式化も同様にできる。重要な意味を持つ特別な場合としては、係数群 G が実数全体の成す加法群 R で、考える位相空間がさらに可微分多様体の構造を持つような場合であって、このときド・ラームコホモロジーに対するマイヤー・ヴィートリス完全系列は ⋯ → H n ( X ) → ρ H n ( U ) ⊕ H n ( V ) → Δ H n ( U ∩ V ) → d ∗ H n + 1 ( X ) → ⋯ {\displaystyle \cdots \to H^{n}(X)\,{\xrightarrow {\rho }}\,H^{n}(U)\oplus H^{n}(V)\,{\xrightarrow {\Delta }}\,H^{n}(U\cap V)\,{\xrightarrow {d^{*}}}\,H^{n+1}(X)\to \cdots } と書ける。ただし {U, V} は X の開被覆、ρ は制限写像、Δ は差であり、また双対境界写像 d∗ は上で述べた境界写像 ∂∗ と同様に定められる。この完全系列は以下のように簡潔に述べることもできる。例えば交わり U ∩ V における閉微分形式 ω で表されるコホモロジー類 [ω] に対して、開被覆 {U, V} に従う 1 の分割を通じて ω を ωU - ωV の形の差に表せば、外微分 dωU および dωV は U ∩ V 上で一致し、それ故ともに X 上の或る (n + 1)-形式 σ を定めるが、このとき d∗([ω]) = [σ] が成り立つ。
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