高次元の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 13:42 UTC 版)
ニュートン法は、接線を一次近似式、接線のx切片を一次近似式の零点と考えることにより、より高次元の関数の場合に一般化できる。対象となる関数を f: Rm → Rm, x ∈ Rm とし、 f ( x ) = 0 {\displaystyle f(\mathbf {x} )=\mathbf {0} } なる点 x を求めるには次のようにする。(f が同じ次元の空間の間の関数であることに注意せよ。) まず、今 x0 ∈ Rm が既知であるとする。x0における f(x) の一次近似式 f ( x 0 ) + ∂ f ( x 0 ) ( x − x 0 ) {\displaystyle f(\mathbf {x} _{0})+\partial f(\mathbf {x} _{0})(\mathbf {x} -\mathbf {x} _{0})} を考える。ただし、∂f(x0) は、m × m のヤコビ行列である。 この一次近似式の零点を求める。ヤコビ行列∂f(x0) が正則行列であるとして、 f ( x 0 ) + ∂ f ( x 0 ) ( x − x 0 ) = 0 {\displaystyle f(\mathbf {x} _{0})+\partial f(\mathbf {x} _{0})(\mathbf {x} -\mathbf {x} _{0})=\mathbf {0} } を解いて、 x = x 0 − ∂ f ( x 0 ) − 1 f ( x 0 ) {\displaystyle \mathbf {x} =\mathbf {x} _{0}-\partial f(\mathbf {x} _{0})^{-1}f(\mathbf {x} _{0})} となる。 コンピュータで計算を行う場合 ∂f(x0)-1f(x0) を直接求めることは困難なので、 ∂ f ( x 0 ) r = f ( x 0 ) {\displaystyle \partial f(\mathbf {x} _{0})\mathbf {r} =f(\mathbf {x} _{0})} という方程式をガウスの消去法などの解法によって線形方程式系を解き r を求め、x = x0 - r によって x を求める。 ここで求めた x はx0よりも f(x) = 0 の解に近いことが見込まれる。そこで、今求めた x を x1 として、再び同様の計算を繰り返す。計算を繰り返すことによって xn は f(x) = 0 の解に近づいていく。 逆行列を求めることを避けるために共役勾配法を用いることがある。
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