しとう‐かん〔‐クワン〕【四等官】
四等官
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 09:21 UTC 版)
四等官(しとうかん、字音仮名遣:しとうくわん)または四等官制( - せい)は、律令制において各官司の中核職員が4等級で構成されていたことを表す用語。もとは中国律令に現れ、律令制を支える精緻な官僚システムの基礎制度として機能した。日本も律令制開始と同時に四等官制を導入している。
注釈
- ^ 権弁事の職掌は正官に同じとし、その他の権官もこれに准うとしているので、権判官事の職掌も糺判となる[5]。
- ^ 職員令では兵部省とは別に海軍と陸軍を設けてそれぞれ大将・中将・少将を置いている。兵部省の官職とは異なり大将・中将・少将の職掌を規定していない[7]。
- ^ 法令全書では布達ではなく「沙汰」としている。また、官位相当だけを定めており職掌の規定はない[9] [10]。また、第604号はいわゆる法令番号ではなく法令全書の編纂者が整理番号として付与した番号である[11]。
- ^ 荒木肇は、律令制の官職名が有名無実となっていたことを踏まえて、名と実を一致させる。軍人は中央政府に直属させる。などの意味合いから近衛府から将官、衛門府・兵衛府から佐尉官、鎮守府から軍曹の官名を採用したのではないかと推測している[12]。
- ^ 陸軍武官の制度については兵部省設置以来数回の変更があって明治5年に陸軍省が置かれた後に明治6年5月に至ってようやく完備したものである[14]。
- ^ 1870年6月1日(明治3年5月3日)には、横須賀・長崎・横浜製鉄場総管細大事務委任を命ぜられた民部権大丞の山尾庸三に対して、思し召しにより海軍はイギリス式によって興すように指示している[15]。
- ^ 1870年10月26日(明治3年10月2日)に海軍はイギリス式[注釈 6]、陸軍はフランス式を斟酌して常備兵を編制する方針が示されている[16]。
- ^ 明治5年1月に海軍省が定めた外国と国内の海軍武官の呼称によると、アドミラルを大将に、ワイス・アドミラルを中将に、リール・アドミラルを少将に、シニヲル・ケプテインを大佐に、ジューニヲル・ケプテインを中佐に、コマンドルを少佐に、シニヲル・リューテナントを大尉に、ジューニヲル・リューテナントを中尉に、ソブリューテナントを少尉に、ウオルラント・ヲフヰサルを曹長に、チーフ・ペッチー・ヲフヰサルを権曹長に、ペッチー・ヲフヰサル・フィルスト・クラスを一等軍曹に、ペッチー・ヲフヰサル・セコンド・クラスを二等軍曹に、ペッチー・ヲフヰサル・ソルド・クラスを三等軍曹に対応させている[17]。
出典
- ^ 内藤乾吉 「西域発見唐代官文書の研究」『中国法制史考証』 有斐閣、1963(初出 1960)。
- ^ 森田悌 「太政官制と政務手続」『日本古代律令法史の研究』 文献出版、1986(初出 1982)。
- ^ 土田直鎮 「奈良時代に於ける律令官制の衰微に関する一研究」『奈良平安時代史研究』 吉川弘文館、1992(1948 執筆)。
- ^ a b MinShig (2000年4月26日). “第二 職員令 全80条中01〜20条”. 官制大観 律令官制下の官職に関わるリファレンス Ver.0.8. 現代語訳「養老律令」. 2023年12月2日閲覧。
- ^ a b 「政体書ヲ頒ツ」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070093500、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第十五巻・官制・文官職制一(国立公文書館)(第5画像目)
- ^ 「官制改定職員令ヲ頒ツ」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070094400、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第十五巻・官制・文官職制一(国立公文書館)(第2画像目から第3画像目まで)
- ^ 「官制改定職員令ヲ頒ツ」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070094400、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第十五巻・官制・文官職制一(国立公文書館)(第10画像目)
- ^ 明治3年9月18日 太政官布達 第604号 海陸軍大中少佐及尉官及陸軍曹長權曹長ヲ置ク(ウィキソース)
- ^ 内閣官報局 編「第604号海陸軍大中少佐及尉官及陸軍曹長權曹長ヲ置ク(9月18日)(沙)(太政官)」『法令全書』 明治3年、内閣官報局、東京、1912年、357頁。NDLJP:787950/211。
- ^ 「御沙汰書 9月 官位相当表の件御達」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C09090037000、公文類纂 明治3年 巻1 本省公文 制度部 職官部(防衛省防衛研究所)
- ^ 国立国会図書館 (2019年). “7. 法令の種別、法令番号” (html). 日本法令索引〔明治前期編〕. ヘルプ(使い方ガイド). 国立国会図書館. 2023年12月2日閲覧。
- ^ 荒木肇「陸軍史の窓から(第1回)「階級呼称のルーツ」」(pdf)『偕行』第853号、偕行社、東京、2022年5月、2023年12月2日閲覧。
- ^ 内閣官報局 編「第154号陸海軍武官官等表改定(5月8日)(布)」『法令全書』 明治6年、内閣官報局、東京、1912年、200−201頁。NDLJP:787953/175。
- ^ 「明治ノ初年各種ノ名義ヲ以テ軍隊官衙等ニ奉職セシ者軍人トシテ恩給年ニ算入方」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15112559500、公文類聚・第十六編・明治二十五年・第四十二巻・賞恤・褒賞・恩給・賑恤(国立公文書館)(第11画像目から第13画像目まで)
- ^ 「海軍ハ英式ニ依テ興スヘキヲ山尾民部権大丞ニ令ス」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070892000、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第百十四巻・兵制・雑(国立公文書館)
- ^ 「常備兵員海軍ハ英式陸軍ハ仏式ヲ斟酌シ之ヲ編制ス因テ各藩ノ兵モ陸軍ハ仏式ニ基キ漸次改正編制セシム」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070892100、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第百十四巻・兵制・雑(国立公文書館)
- ^ 「海軍武官彼我ノ称呼ヲ定ム」国立公文書館、請求番号:太00432100、件名番号:003、太政類典・第二編・明治四年~明治十年・第二百十巻・兵制九・武官職制九
四等官
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/20 04:00 UTC 版)
基本職員である四等官はそれぞれ 頭(長官) 助(次官) 允(判官) 属(主典) とあらわす。
※この「四等官」の解説は、「寮 (律令制)」の解説の一部です。
「四等官」を含む「寮 (律令制)」の記事については、「寮 (律令制)」の概要を参照ください。
四等官
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/04 11:04 UTC 版)
「大輔」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「特別:検索/intitle:大輔」をご覧ください。 諸官司には一般に長官(かみ)・次官(すけ)・判官(じょう)・主典(さかん)の四等官が置かれた。そのほかに各種の品官(ほんかん)(以上は官位相当官)や史生(ししょう)・伴部(ともべ)・使部(しぶ)などの雑任(ぞうにん、下級職員)が所属していた。 官司かみ長官すけ次官じょう判官さかん主典神祇官伯 大副少副 大祐少祐 大史少史 太政官(太政大臣)左大臣右大臣 大納言中納言参議 少納言左大弁左中弁左少弁右大弁右中弁右少弁 大外記少外記左大史左少史右大史右少史 省卿 大輔少輔 大丞少丞 大録少録 職大夫 亮 大進少進 大属少属 寮頭 助 允大允少允 属大属少属 司正 - 佑 令史大令史少令史 (内膳司)奉膳 - 典膳 令史 弾正台尹 弼 大忠少忠 大疏少疏 兵衛府衛門府督 佐 大尉少尉 大志少志 大宰府帥 大弐少弐 大監少監 大典少典 国司大国守 介 大掾少掾 大目少目 上国守 介 掾 目 中国守 - 掾 目 下国守 - - 目 郡司大郡上郡中郡大領 少領 主政 主帳 下郡大領 少領 - 主帳 小郡大領 - - 主帳 軍団大毅 少毅 - 主帳 後宮十二司内侍司蔵司膳司縫司尚 - 典 - 掌 - - 他8司尚 - 典 - - - 東宮春宮坊大夫 亮 大進少進 大属少属 監正 - 佑 令史 署首 - - 令史 家令一品家令 扶 大従少従 大書吏少書吏 二品家令 扶 従 大書吏少書吏 三品四品家令 扶 従 書吏 一位家令 扶 大従少従 大書吏少書吏 二位家令 - 従 大書吏少書吏 三位家令 - - 書吏 令外官近衛府大将 中将少将 将監 将曹 検非違使別当 佐 尉 志 勘解由使長官 次官 判官 主典 鎮守府将軍 - 軍監 軍曹 ※注: 奉膳と典膳は内膳司のみに存在する。 これはあくまでも簡略化した表であり、とくに職・寮・司の場合は次官・判官が欠けたり、増員したりした。詳細は各項目参照。
※この「四等官」の解説は、「日本の官制」の解説の一部です。
「四等官」を含む「日本の官制」の記事については、「日本の官制」の概要を参照ください。
四等官
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 05:19 UTC 版)
四等官は各官司の基本職員。長官(かみ)が決裁、次官(すけ)が補佐、判官(じょう)が監査・事務、主典(さかん)が文書起草を行う。
※この「四等官」の解説は、「官人」の解説の一部です。
「四等官」を含む「官人」の記事については、「官人」の概要を参照ください。
「四等官」の例文・使い方・用例・文例
四等官と同じ種類の言葉
- 四等官のページへのリンク