法令全書とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 文化 > 文芸 > > 法令全書の意味・解説 

ほうれい‐ぜんしょ〔ハフレイ‐〕【法令全書】

読み方:ほうれいぜんしょ

詔書法律政令条約など各種法令月別集録し独立行政法人国立印刷局編集・発行しているもの。


法令全書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/23 23:33 UTC 版)

法令全書』(ほうれいぜんしょ)は、日本独立行政法人国立印刷局から出版されていた定期刊行物。『官報』とともに日本の法令の原典となるものである。

概要

『法令全書』は、日本国政府が『官報』において公布または公示した事項を、法律政令など法令の種別ごとに編集・掲載し、1か月ごとにまとめて発行される定期刊行物である。『官報』の縮刷版としての意味合いを有するが、会社の公告のように『官報』に掲載されているものでも『法令全書』には掲載されないものもある。六法等の通常の法令集は、『官報』や『法令全書』を原典として編集したものである。

特に『官報』創刊前の1867年慶応3年)から1883年明治16年)までの法令を調べる際に重宝する。

明治時代に発行された分は「明治年間法令全書」、大正時代に発行された分は「大正年間法令全書」、1926年昭和元年)12月25日から1955年(昭和30年)までに発行された分は「昭和年間法令全書」としてそれぞれ復刻版が原書房から出版されている。また、1912年(明治45年)7月までに発行された分は、国立国会図書館デジタルコレクションにおいて一般公開されている(外部リンクを参照)。

官報デジタル化の検討のために設けられた官報電子化検討会議が2023年(令和5年)10月25日に決定した「官報電子化の基本的考え方」において、官報の発行に関する法律(官報発行法/令和5年法律第85号)の制定に伴い、今後は法令についてインターネットを介して情報提供が行われるようになることを踏まえ、法令全書の刊行は廃止する方向で検討を進めることとされた。[1]

その後、第212回臨時国会において可決・成立した官報の発行に関する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(令和5年法律第86号)により、官報発行法の施行時点で、内閣府設置法及び独立行政法人国立印刷局法における両機関の所掌事務又は業務から「法令全書」の語が削除され、法令全書は、法律に根拠を置く国立印刷局の編纂物としては廃止されることが決定した。(同法第5条・第6条)

実際には、官報発行法施行の前に、令和6年12月号(令和7年1月発行)及び令和6年索引号(令和7年3月発行)を最後に、発行が終了した[2]

集録内容

法令全書は次のものを集録する[3]地方自治体条例は対象とはならない。

歴史

  • 1885年(明治18年)
    • 8月29日 - 法令全書印刷につき、印刷局と締約する[4]
    • 9月7日 - 法令全書を創刊(法令全書は毎月一回、索引目録は毎年一回発行とする。)し、書肆博聞社に販売を許可する[4]
  • 1886年(明治19年)1月 - 紙面体裁を改め、官報付録の形で刊行が開始される[4]
  • 1889年(明治22年)11月1日 - 法令全書の官報付録を止め、定期刊行物として販売する(官報購読者には無料配布)[4]
  • 1890年(明治23年)1月 - 無料配布を止め、独立した定期刊行物として定価を付して販売[4]
  • 1891年(明治24年)
    • 3月 - 1868年明治元年)から1884年(明治17年)までの法令全書を印刷物とし、これらの索引目録を編成する[4]
    • 11月14日 - 法令全書の販売を官報販売取次所に行わせる[4]
  • 1894年(明治27年)4月 - 官報購読者に配布していた法令全書を定価販売制とする[4]
  • 1895年(明治28年)11月 - 法令全書を官報局で発売する[4]
  • 1897年(明治30年)11月9日 - 名古屋市に法令全書の販売取次所を設置する[4]
  • 1899年(明治32年)1月1日 - 従前、官報公布の順序により編成していたが、省順に編成を改める[4]
  • 1916年(大正5年)4月1日 - 販売所を廃止し、印刷局直売に改める[4]
  • 1921年(大正10年)1月1日 - 販売制度を改め全国に55の官報販売所を設置し、販売配送を行わせ、官報販売所心得(局長達)を制定する[4]
  • 1922年(大正11年)1月26日 - 「官報、法令全書及職員録ノ発行ニ関スル件」(閣令第1号)を制定する[4]
  • 1943年(昭和18年) - 「官報、法令全書、週報、職員録、官庁刊行図書月報等ノ発行ニ関スル件」が定められる[5]
  • 1949年(昭和24年)
    • 1月1日 - 発行根拠法令である「官報、法令全書、職員録、官庁刊行図書月報等ノ発行ニ関スル件」が「官報、法令全書、職員録等ノ発行ニ関スル件」へ改題される[6]
    • 6月1日 - 集録内容が、「憲法改正、詔書、法律、政令、条約、府令、省令、本部令、規則、庁令、訓令、通達、告示、公共企業体公示および重要なる議定書、協約等」となり、発行根拠法令である「官報、法令全書、職員録等ノ発行ニ関スル件」が「官報、法令全書、職員録等の発行に関する命令」に全部改正される[7]
  • 1952年(昭和27年)8月1日 - 集録内容から本部令を削る[8]
  • 1987年(昭和62年)4月1日 - 集録内容が、「憲法改正、詔書、法律、政令、条約、総理府令、省令、規則、庁令、訓令および告示等」となる[9]
  • 2001年(平成13年)1月6日 - 集録内容から総理府令を削り、内閣府令を加える[10]
  • 2003年(平成15年)4月1日 - 発行根拠法令である「官報、法令全書、職員録等の発行に関する命令」が「官報及び法令全書に関する内閣府令」へ改題される[11]
  • 2012年(平成24年)2月10日 - 復興庁廃止までの間、集録内容に復興庁令を加える[12]
  • 2014年(平成26年)5月30日 - 国家公務員法改正に伴い、新たな法形式として内閣官房令が定められたことに伴い、集録内容に内閣官房令を加える[13]
  • 2021年(令和3年)9月1日 - デジタル庁設置法の施行に伴い、新たな法形式としてデジタル庁令が定められたことに伴い、集録内容にデジタル庁令を加える[14]
  • 2025年(令和7年)3月 -令和6年索引号が発行され、刊行が終了した。
  • 2025年(令和7年)4月1日 - 発行根拠法令である「官報及び法令全書に関する内閣府令」が廃止される[15]

脚注

  1. ^ 官報電子化検討会議 (2023年10月25日). “官報電子化の基本的考え方 p.67”. 2023年12月30日閲覧。
  2. ^ 「法令全書」発行終了のお知らせ
  3. ^ 昭和24年総理府・大蔵省令第1号「官報及び法令全書に関する内閣府令」第2条及び附則第2項
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n 1963年(昭和38年)7月20日『官報』第10977号付録資料版「官報関連歴史年表」
  5. ^ 昭和18年閣令・大蔵省令第1号「官報、法令全書、週報、職員録、官庁刊行図書月報等ノ発行ニ関スル件」
  6. ^ 昭和23年総理庁・大蔵省令第12号「官報、法令全書、職員録、官公庁刊行図書月報等の発行に関する命令の一部を改正する命令」
  7. ^ 昭和24年総理府・大蔵省令第1号「官報、法令全書、職員録等の発行に関する命令」
  8. ^ 昭和27年総理府・大蔵省令第4号「官報、法令全書、職員録等の発行に関する命令の一部を改正する命令」
  9. ^ 昭和62年総理府・大蔵省令第1号「官報、法令全書、職員録等の発行に関する命令の一部を改正する命令」
  10. ^ 平成12年総理府・大蔵省令第56号「官報、法令全書、職員録等の発行に関する命令の一部を改正する命令」
  11. ^ 平成15年内閣府令第23号「官報及び法令全書に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」
  12. ^ 平成24年内閣府令第3号「官報及び法令全書に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」
  13. ^ 平成26年内閣府令第43号「官報及び法令全書に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」
  14. ^ 令和3年内閣府令第57号「官報及び法令全書に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」
  15. ^ 官報の発行に関する内閣府令(令和6年内閣府令第80号)第2条

関連項目

外部リンク


「法令全書」の例文・使い方・用例・文例

  • 法令全書
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



法令全書と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「法令全書」の関連用語

法令全書のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



法令全書のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの法令全書 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS