わい‐ろ【賄賂】
賄賂(わいろ)
金品が一般的であるが、借金の棒引き、芸者の演技、役職を与えることなど、人の欲望を満たすものならば賄賂(わいろ)となる。ただし、手土産やお中元・お歳暮など社会的儀礼の範囲を超えないものは賄賂とはされない。
公務員が賄賂を受け取ることは、公務の公正さに対する信頼を失うことにつながるので、刑法により厳格に処罰することが定められている。この規定は公務員にのみ適用され、民間人が受け取る賄賂は問題にならない。このような公務の性質のことを不可買収性と言う。
賄賂は、受け取った側(収賄)だけでなく、与える側(贈賄)も処罰される。また、収賄罪が成立した賄賂については、裁判によりすべて没収される。
ロッキード事件やリクルート事件をはじめ、大手建設会社(ゼネコン)から知事や市長など地方自治体の首長への贈収賄事件まで、政治家の汚職事件は絶えることはない。政治家と企業の癒着構造は、政治家にとっては膨大な選挙資金を得ること、企業にとっては公共事業の受注で特別な扱いを受けるといった利害関係が背後にあると見られている。
(2000.07.22更新)
賄賂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/15 04:46 UTC 版)
賄賂(わいろ)は、汚職の一形態。主権者の代理として公権力を執行する為政者や官吏が権力執行の裁量に特別な便宜を計ってもらうことを期待する他者から受ける不正な財やサービスのこと[1]。賂(まいない)とも呼ばれる[2]。賄賂を受け取ることを「収賄」、贈ることを「贈賄」、両方の行為を合わせて「贈収賄」と呼ぶ[3]。
注釈
- ^ これを逆手に取った菓子折りが存在する。
出典
- ^ 精選版 日本国語大辞典「贈収賄」
- ^ デジタル大辞泉「賂」
- ^ デジタル大辞泉「贈収賄」
- ^ 国立国会図書館「判例の調べ方」。
- ^ 「双日、贈収賄防止へ厳格管理」『日経産業新聞』2020年1月8日(働き方面)
- ^ a b c 「わいろ蔓延、勢いとまらず」茨城県上海事務所 ビジネスレポート
- ^ a b c d 7割近くが「医者に“袖の下”を渡したことがある」Record China(2008年1月31日付配信)
- ^ 袖の下 コトバンク
- ^ 武光誠 『古事記・日本書紀を知る事典』 東京堂出版 p.294.
- ^ 西沢敦男 『代官の日常生活 江戸の中間管理職』 角川ソフィア文庫 2015年 p.245.
- ^ 磯田道史 『日本史の探偵手帳』 文春文庫 2019年 pp.14 - 16.
賄賂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/26 22:24 UTC 版)
詳細は「賄賂」を参照 金銭や贈り物など価値のある物・行為を受け取る代わりに、受験生に試験問題を教えるなどの不正行為。犯罪である。日本では、刑法197条 - 198条に規定されている賄賂罪に該当する。看護師国家試験問題漏洩事件などの日本の国家試験問題漏洩では、漏洩した試験問題作成者は処分されたが、受験生は処分されなかった。 「価値のある物・行為」は、金銭、物品、不動産、昇進、特権、給与増、性、快楽、情報、投票、行為、行為の約束、特定の権力者への圧力などがある。
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賄賂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:32 UTC 版)
当時の文献には吉良が暗に賄賂を要求したのに浅野内匠頭が十分な賄賂をおくらなかった事が両者の不和の原因だとするものがある。ただし、五千石の高家である吉良から浅野などの大名が指南を受ける場合、指南料や何らかの贈り物をするのが当時としては慣例となっており、当然だった。 賄賂に関して書かれた文献には例えば『江赤見聞記』の一巻があり、以下のように記されている: 上野介欲ふかき人故、前々御務めなされ候御衆、前廉より御進物等度々これ有る由に付き、喜六、政右衛門、御用人どもまで申し達し、御用人共も度々その段申し上げ候処、内匠頭様仰せにも、御馳走御用相済み候上にてはいか程もこれを進らせらるべく候、前廉に度々御音物これ有る儀は如何しく思し召され候由、仰せられ候。尤も、格式の御付届けの音物は前廉に遣わされ候由也。 (上野介は欲が深い人なので、以前に御勤めなさった方も、前もって御進物等を度々していたので、喜六や政右衛門、御用人たちまで伝え、御用人たちも度々その段を申し上げたけれども、内匠頭様は「御馳走御用が済んだ後にはどれほどでも進(まい)らせたいと思う。しかし、前もって度々御進物を贈るのは、如何かと思う」と仰せられました。もっとも、決まった御付届けの進物は前もって遣わされていたということです) 文中にある「喜六、政右衛門」は建部喜六(250石)と近藤政右衛門(250石)で、ともにこうした折衝にあたる江戸留守居役である。 また事件直後に書かれた『秋田藩家老岡本元朝日記』にも次のようにある 吉良殿日頃かくれなきおうへい人ノ由。又手ノ悪キ人二て、且物を方々よりこい取被成候事多候由。先年藤堂和泉殿へ始て御振舞二御越候時も、雪舟ノ三ふく対御かけ候へハ則こひ取被成候よし。ケ様之事方々二て候故、此方様へ御越之時も御出入衆内々二て、目入能御道具被出候事御無用と御申被成候由二候。 (吉良殿は平生から横柄な態度で有名な人物だということです。また手の悪い人で、方々から物をせびりなさる事が多いということです。先年藤堂和泉殿(高久、伊勢津藩主)へはじめて御振舞に御越になった時も、雪舟の三幅対の御掛け軸をかけたところ、せびって自分の物にしたということです。このような事を方々でなされるので、こちら様へ御越の時も御出入の旗本衆が内々に、よい御道具は出されない方がよいと御申しなされたという事です) ただしこの記事は事件直後のものであるのにもかかわらず、この文章の前段には、松の廊下の刃傷事件の顛末が綴られているが、「切り付けられた義央が刀に手を掛けて「何をするか」と取って斬り返した」などと記されている。しかしこれは、実際の刃傷の経緯とはかなり異なる(梶川与惣兵衛の証言とも逸脱している)。 尾張藩士の朝日重章も『鸚鵡籠中記』に次のように記している: 吉良は欲深き者故、前々皆音信にて頼むに、今度内匠が仕方不快とて、何事に付けても言い合わせ知らせなく、事々において内匠齟齬すること多し。内匠これを含む。今日殿中において御老中前にて吉良いいよう、今度内匠万事不自由ふ、もとより言うべからず、公家衆も不快に思さるという。内匠いよいよこれを含み座を立ち、その次の廊下にて内匠刀を抜きて詞を懸けて、吉良が烏帽子をかけて頭を切る (吉良は欲が深い者なので、前々から皆贈り物をして物を頼んでいたが、今度の内匠頭のやり方が不快だということで、何事につけても知らせをせず、内匠頭が間違って恥をかくことが多かった。内匠頭はこれを遺恨に思って座を立ち、その次の廊下で、刀を抜き、声を懸けて吉良の烏帽子ごと頭を斬った) 山本博文は、「朝日は当時名古屋にいたため、全国的に広まった噂だったとみられる。」と考察している。しかし、『鸚鵡籠中記』は英邁と言われた徳川吉通を「愚行を繰り返す暗君」と評するなど、いわば主君を侮辱する「不忠臣」のような記述が多く、尾張藩では禁書扱いで尾張徳川家では公式資料とはされていない。
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賄賂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 09:59 UTC 版)
2020年2月4日、航空機の売買契約を巡り世界各国の政府関係者らに賄賂を繰り返していた問題で米英仏の捜査機関と計約4300億円の罰金を払う事で合意したが、日本にいる関係者に違法な金が渡った疑いがあるとの報道は「事実ではない」と否定した。
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賄賂
出典:『Wiktionary』 (2021/08/06 23:42 UTC 版)
名詞
発音(?)
- わ↘いろ
類義語
関連語
翻訳
- アイスランド語: múta (is) 女性
- アラビア語: رشوة (ar) (ríshwa) 女性, رشا (ar) (rashaa) 女性
- アルメニア語: կաշառք (hy) (kašaṙk’)
- イタリア語: tangente (it) 女性
- インドネシア語: suap (id), sogokan (id)
- 英語: bribe (en)
- エストニア語: pistis (et), altkäemaks (et)
- オランダ語: steekpenning (nl), smeergeld (nl) 中性
- ギリシア語: δωροδοκία (el) (dorodokía) 女性, δωροληψία (el) (dorolipsía) 女性
- グルジア語: ქრთამი (ka) (k'rt'ami)
- クルド語:
- ソラニー: بهرتیل
- スウェーデン語: muta (sv) 通性, dusör (sv)
- スペイン語: soborno (es) 男性, (口語) coima (es) 女性 (アルゼンチン, パラグアイ, ウルグアイ), matraca (es) 女性 (ベネズエラ), mordida (es) 女性 (メキシコ), cohecho (es), alfadía (es) 女性
- スワヒリ語: hongo (sw)
- セルビア・クロアチア語:
- タイ語: สินบน (th) (sĭnbon)
- チェコ語: úplatek (cs) 男性
- テルグ語: లంచము (te)
- ドイツ語: Bestechungsgeld (de) 中性, Schmiergeld (de) 中性
- トルコ語: rüşvet (tr)
- ハンガリー語: megvesztegetés (hu)
- フィンランド語: lahjus (fi)
- フランス語: pot-de-vin (fr) 男性
- ブルガリア語: подкуп (bg) (podkup) 男性, рушвет (bg) (rušvet) 男性
- ヘブライ語: שוחד (he) (shokhad) 男性
- ペルシア語: رشوه (fa)
- ポーランド語: łapówka (pl) 女性
- ポルトガル語: suborno (pt) 男性
- ラトヴィア語: kukulis (lv) 男性
- ロシア語: взятка (ru) (vzjátka) 女性, подкуп (ru) (pódkup) 男性
「賄賂」の例文・使い方・用例・文例
- 彼に賄賂を渡そうとしたが彼はのってこなかった
- 彼はその賄賂行為を見て見ぬふりをした
- 賄賂を受け取る,収賄する
- 賄賂を贈る,贈賄する
- 頼み事の見返りに賄賂を受け取る
- 市長は賄賂を受け取ったといううわさである
- 彼の駆け引きは賄賂じみている
- 彼らは彼に賄賂をつかませた
- 私は賄賂は受け取らない
- その役人が賄賂を受け取っていたことが明らかになった
- 賄賂の利かない政治家
- 汚職、賄賂、不正報酬
- 彼に賄賂を渡そうというのは本気ですか?
- 私はあなたを賄賂を使って買収する。
- あなたを賄賂を使って買収する。
- 賄賂を受け取ったのですか、それとも受け取らなかったのですか。
- 法案通過を推進しているロビイストは、運動資金に賄賂の金をまぎれこませました。
- 彼らは賄賂を使って証人の口を封じた。
- 彼らは賄賂をもらうのを恥と思っていない。
- 彼らが最終契約について協議している際、ある裏工作が進んでいた。賄賂が渡されたのだ。
賄賂と同じ種類の言葉
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