ヴァーユとは? わかりやすく解説

ヴァーユ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 13:55 UTC 版)

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ヴァーユ

ヴァーユサンスクリット語: वायु Vāyu、ワーユとも)はインド神話における風の[1][2]。その名は「風」の意[1]アニラAnila、「風」の意)[1]マールトMarut、「風」の意)[1]ガンダヴァハGandhavaha、「香を運ぶ者」の意)[1]、パヴァナ、プラーナとも呼ばれる。

解説

リグ・ヴェーダ』の「プルシャの歌」(X・90・13)によれば、ヴァーユは原人プルシャの生気(プラーナ)から生まれたという[3][4][5]。その速さはしばしば駿馬と比喩される。ヴァーユが乗るのは2頭の赤毛の馬が牽く乗る車で、その車には御者としてインドラ神も乗ることがあるという[2][4]

ヴァーユはインドラ神と密接に結びつき、インドラに並ぶ神だとされている[2]。三界(天・空・地)のうち、空界をインドラとともに占める。『リグ・ヴェーダ』にはヴァーユの他にもヴァータという風神が登場しているが、ヴァーユのほうがより擬人化が進み、讃歌の数も多い。イランにおける風神ワーユにあたる[6]。『マハーバーラタ』の英雄ビーマや、『ラーマーヤナ』の猿将ハヌマーンはヴァーユの息子とされる[7]

時代が下ると、インドラら他の神々と共に8つの方角に配され、ヴァーユは北西の守護神となった[2][8]。また、ヴァータと共に[2]仏教に取り入れられて風天となった[1][2]ゾロアスター教においては、ワーユはインドラと共にダエーワ(悪魔)とみなされた[9]

また、ヴァーユはインド哲学の五大要素(パンチャマハーブータ)の一つであり、その意味は「風」、「空気」あるいは「気」である。

ヴァーユに由来する名称

脚注

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  1. ^ a b c d e f 『インド曼陀羅大陸』 131、244頁。
  2. ^ a b c d e f 神の文化史事典』 100頁。
  3. ^ 神の文化史事典』 100-101頁。
  4. ^ a b インド神話伝説辞典』 66頁。
  5. ^ リグ・ヴェーダの讃歌」102頁。(プルシャ(原人)の歌(10・90))"...生気より風生じたり。"
  6. ^ 『西洋神名事典』258頁。
  7. ^ 神の文化史事典』 101頁。
  8. ^ インド神話伝説辞典』 67頁。
  9. ^ エリアーデ, ミルチア「第13章 105 アケメネス朝の宗教」『世界宗教史2 - 石器時代からエレウシスの密儀まで(下)』松村一男訳、筑摩書房ちくま学芸文庫〉、2000年4月、213頁。ISBN 978-4-480-08562-7

参考文献

関連項目


ヴァーユ

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YAKSA -ヤシャ-」の記事における「ヴァーユ」の解説

有名な舞師。その踊りシウジが「ゾクゾクするくらい」というほど凄いが、とある城塞都市ギダ軍団瞬時抹殺したり、銃弾涼しい顔してよけるほどの戦闘力を持つ。動きはまさに「ヴァーユ(風という意)」のように華麗かつ美しい男性一人旅の危険を痛感したので、旅のお供をさせて欲しと言ってヤシャシウジ近づくが、実はガゴゼ使いであり、ヤシャ偵察目的。この漫画では珍しく刀や剣を使わないキャラで、紐をつけた手裏剣や袖に仕込んだ複数の刃を使う。ガゴゼに強い忠誠心持っているガゴゼ自分対戦相手として十分見込みがあるというほどの強さ持っている

※この「ヴァーユ」の解説は、「YAKSA -ヤシャ-」の解説の一部です。
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