しん‐わ【神話】
しんわ 【神話】
神話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/17 19:50 UTC 版)
神話(しんわ、英: Myth、Mythology)は、人類が認識する自然物や自然現象、または民族や文化・文明などさまざまな事象を、世界が始まった時代における神など超自然的・形而上的な存在や文化英雄などとむすびつけた一回限りの出来事として説明する物語であり、諸事象の起源[1]や存在理由を語る説話でもある[2][3]。このような性質から、神話が述べる出来事などは、不可侵であり規範として従わなければならないものとして意義づけられている[2][3]。
注釈
- ^ おそらくは、神話を哲学的に解釈したものの中で最も広範にわたるものは、プロクルスの著作『Commentary on the Republic』にある (The Works of Plato I, trans. Thomas Taylor, The Prometheus Trust, , 1996)。妖精についてのHomeric Caveを分析したポルフュリオスも重要な仕事といえる (Select Works of Porphyry, Thomas Taylor The Prometheus Trust, Frome, 1994)。外部リンク参照。
出典
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神話(メガラ王女)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 17:20 UTC 版)
クレータ島の王ミーノースはある時、メガラへ戦争を仕掛けた。ミーノースの子アンドロゲオースはアテーナイにて開かれたパンアテーナイア祭にて優勝したのだが、その時のアテーナイ人の競技相手がアンドロゲオースに嫉妬し、彼を殺したのである(優勝した彼をアテーナイ王アイゲウスが牡牛退治に向かわせた結果、死なせてしまったという説もある)。このことに怒り、ミーノースは武力を行使してアテーナイを攻めるのだが、彼はまた、アイゲウスの兄弟ニーソスが統治していたメガラに対する侵攻も行った。 ニーソスの髪の中には白髪に交じって緋色の毛(紫の毛または金の房毛ともいわれる)が一房あった。神託により、この毛が生えている間は、彼の王権は保障されていた。事実、クレータの侵攻が開始されてから半年が経過しているにもかかわらず、メガラの町はいまだ健在であった。 そんな中、メガラの王女であるスキュラは、戦争が始まってからたびたび城の塔の上から戦闘の行方を眺めていた。彼女は町を包囲している敵の武将たち、ひとりひとりのいでたちは無論のこと、その名前さえも覚え、特に興味を示したのが、クレータの王かつ軍勢の総大将のミーノースだった。彼の圧倒的な戦いぶりを見ているうちに、スキュラは彼に恋心を抱き、ミーノースのために何か自分にできることはないか、と考えるまでに至った。彼女は色々考えた末、ニーソスの緋色の髪の毛をミーノースに渡して彼に取り入ることを決めた。 そして父が眠っている隙に忍び寄り、その髪の毛を奪い取ることに成功した。スキュラは自力でミーノースの下まで行き、彼に例の髪の毛を差し出した。そして、驚く彼に対して、自分がメガラの王女であることを告げ、父の国と家の守り神である毛を彼に渡し、愛する彼自身以外のどんな報酬も一切求めないことを告げた。しかしミーノースの方は、その贈り物に尻込みし異常事態に困惑した。そして彼女に対し、神々や世界によって閉め出されてしまえ、クレータの地を汚させるわけにはいかない、などと罵った。クレータがメガラを攻め落とすと、ミーノースはメガラに対し公正な法をしいた後、早々に軍勢を引き上げることにした。クレータの艦隊が撤収していくのを見てスキュラは怒り狂い、海に潜り込むと猛烈な勢いで艦隊に追いつき、船の船尾にしがみついた。しかし、そこに一羽の金色の翼を持つ尾白鷲が飛んできて、彼女を襲った。それはニーソスが姿を変えたものであった。恐ろしさのあまりスキュラは、船尾から手を離してしまった。そして、彼女はキーリス(Ciris)という一羽の鳥(または魚)に姿を変えた。 以上は後代の神話であり、元の神話ではニーソスの緋色の髪の毛が抜かれると、彼は死ぬだろうとの神託がされていた。父を裏切ったら結婚するという約束をミーノースと交わしたスキュラはこの髪の毛を切り、彼を殺した。その後ミーノースは彼女の足を船尾に綱で繋ぎ溺死させたという。神々は彼女を憐れみ白鷺に変えた(雲雀に変えられたともいわれる)。
※この「神話(メガラ王女)」の解説は、「スキュラ」の解説の一部です。
「神話(メガラ王女)」を含む「スキュラ」の記事については、「スキュラ」の概要を参照ください。
神話
出典:『Wiktionary』 (2021/08/06 23:42 UTC 版)
名詞
発音(?)
- し↗んわ
翻訳
- アイスランド語: saga 女性, uppspuni 男性
- アイルランド語: miotas (ga) 男性
- アフリカーンス語: mite (af)
- アラビア語: اسطورة (ar) (Ustuura) 女性
- イタリア語: mito (it) 男性
- ウクライナ語: міф (uk) (mif) 男性
- 英語: myth (en), mythology (en)
- エストニア語: müüt (et)
- エスペラント: mito (eo)
- オランダ語: mythe 女性/男性
- カタルーニャ語: mite (ca) 男性, mites (ca)
- ギリシア語: μύθος (el) (mýthos) 男性
- クメール語: ទេវកថា (km)
- スウェーデン語: myt (sv) 通性, mytologi (sv) 通性
- スコットランド・ゲール語: fionnsgeul (gd) 男性
- スペイン語: mito (es) 男性
- スロヴァキア語: mýtus (sk) 男性
- セルビア・クロアチア語: mȋt (sh) 男性
- ソト語: tshomo (st)
- チェコ語: mýtus (cs) 男性
- デンマーク語: myte (da) 通性
- ドイツ語: Mythos (de) 男性
- トルコ語: mit (tr), söylence (tr), efsane (tr)
- ノルウェー語: myte 男性
- ハンガリー語: rege (hu)
- フィンランド語: myytti (fi), kertomus (fi)
- フェロー語: frumsøgn (fo) 女性, gudasøgn (fo) 女性, myta (fo) 女性, mýta (fo) 女性
- フランス語: mythe (fr)
- ヘブライ語: מיתוס (he)
- ポーランド語: mit (pl) 男性
- ポルトガル語: mito (pt)
- マレー語: mitos (ms)
- ラテン語: mythos (it) 男性
- リトアニア語: mitas (lt) 男性
- ルーマニア語: mit (ro) 中性, legendă (ro) 女性
- ロシア語: миф (mif) 男性
「神話」の例文・使い方・用例・文例
- ローマ神話の神キューピッドはギリシャ神話の神エロスと同じものとみなされている
- その芝居は複数のギリシャ神話をもとにしている
- ギリシャ神話
- 神話や伝説で名高い巨人
- 神話の英雄たち
- アトラスの神話
- ビヒモスは旧約聖書に出てくる神話上の獣である。
- 彼は神話の機能主義的解釈を提唱した。
- ギリシャ神話のパーピー像
- 中国神話での宇宙発生
- ギリシャ神話では、木の精は緑色の髪をした美しい娘の姿で美しい男性や美少年の前に現れる。
- 日本の神話に触発されました。
- 私はこの神話のことは知っています。
- なぜか、景気の良いときには日本の神話にちなんだ名前が付けられています。
- 彼は古代神話に基づく小説を書いた。
- 神話や伝説は代々語り継がれていくべきだ。
- 小説はおとぎ話や神話と同じぐらい古い。
- 完全に神話なしでやっていけた社会はなかったように思われる。
- なにかギリシャ神話を、知っていますか。
神話と同じ種類の言葉
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