知性とは? わかりやすく解説

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ち‐せい【知性】

読み方:ちせい

物事知り考え判断する能力人間の、知的作用を営む能力。「—にあふれる話」「—豊かな人物

比較抽象・概念化・判断推理などの機能によって、感覚的所与認識にまでつくりあげる精神的能力


知恵

(知性 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/16 03:53 UTC 版)

知恵(ちえ、: σοφία ソピアー, : prudentia, sapientia, : prudence, wisdom, : ज्ञान , jñāna)は、道理を判断し処理していくの働き[1]。筋道を立て、計画し、正しく処理していく能力[1]知慮(ちりょ)、思慮(しりょ)とも。

各分野における知恵

古代ギリシャ哲学

古代ギリシャ哲学において、知恵もひとつの重要なテーマとして論じられた。例えば「」と日本語では訳されているものの中に、これに合致する部分も多い。

プラトンは、『国家』第4巻において、プロネーシス(知慮・知恵)を、アンドレイア勇気)、ソープロシュネー節制)、ディカイオシュネー正義)と共に、国家にも個人にも共通して求められる徳性として言及している(枢要徳四元徳)。

アリストテレスは、『ニコマコス倫理学』第6巻第7章で述べられているように、実践的な知慮・知恵を「プロネーシス」(phronesis, フロネシス)、完成・完結した智慧を「ソピア」(sophia, ソフィア)として、両者を区別している。

道教

老子の第十八章には「知恵出でて大偽あり」という表現が見られ、かつて人々が素朴であった時代には、人々は自然に従って生きており平和だったが、後に人間の知恵が進んで、不自然なこと人為的なことが行われたので、大きな偽り(大偽)が生じ、世の中が乱れてしまった、と述べられている。

旧約聖書

旧約聖書には、アダムイブが、「知恵の実」(知識の実)を食べて性的羞恥心が芽生えた、との描写が見られる。その一方でその「知恵の実」が原因でアダムとイブは楽園を追われた、という描写も見られる。

仏教

仏教用語における智慧は、物事をありのままに把握し、真理を見極める認識力[1]。「智」は相対世界に向かう働き、「慧」は悟りを導く精神作用の意[1]

大乗仏教では、「論書」(アビダルマ)に表現されているような分析的議論に明け暮れる説一切有部を中心とする部派仏教を批判する形で、『般若経』や龍樹中観派によって、分別的な知恵(ジュニャーナ, jñāna, 若那, 智)を超えた無分別智慧プラジュニャー, prajñā, 般若, 慧)が釈迦悟りの境地として賞揚され、普及された。したがって、大乗仏教では両者を区別するのが一般的である[2]

心理学

ポール・バルテス英語版は、知識・教養・論理的思考・判断といった認知的側面から知恵のモデル化を行い、知恵を「重大、かつ、人生の根本に影響を与えるような実践場面における熟達した知識」と定義した[3]。同じく実践場面での問題解決に関連する能力に日常知能があるが、知恵は対人的・社会的・歴史的要素を含む、より長期の能力として区別される。バルテスはモデル化にあたり、知恵に必要な5つの知識として、(1)宣言的知識(人生に関わる深く広い知識)、(2)手続き的知識(問題解決のための情報収集・分析の知識)、(3)文脈理解(問題の背後にある文脈の理解)、(4)価値相対性の理解(価値観や目標によって解決の方向性が変わることの理解)、(5)不確実性の理解(人生の予測不可能性・不確実性の理解)を仮定している[3]

また、ロバート・スタンバーグ英語版は知能との比較において、洞察力・判断力・アドバイスする能力を含み、経験と年齢を重ねたことで人生の問題を大きな文脈の中で把握できる能力が、知恵のもつ特有の能力であると論じている[3]

「知恵」の語が含まれる表現や事物

  • 互いに知恵を競い合うことを、「知恵競(くら)べ」(賢(かしこ)争い)という[4]
  • 知恵熱(乳幼児に知恵が付き始めるころに突然起きる発熱の俗称。母親由来の免疫が減少することによって起きる発熱で、「知恵」は時期をあらわすだけで直接の関係は無いとされる。英語ではteething fever。歯が生え始めることから。)
  • 知恵の輪
  • 知恵歯
  • 知恵の駒(正方形の枠の中に16個駒を配置、一駒だけとり除き、その空き地を利用し、1~15の駒を番号順に並べるゲーム)
  • 悪知恵 - 猿知恵 - 知恵袋

脚注

出典

  1. ^ a b c d 知恵(ちえ)とは - コトバンク”. 朝日新聞社. 2017年10月16日閲覧。
  2. ^ プラジュニャーとは - コトバンク/世界大百科事典
  3. ^ a b c 稲垣宏樹 佐藤眞一権藤恭之(編)「知恵」『よくわかる高齢者心理学』 ミネルヴァ書房 <やわらかアカデミズム<わかる>シリーズ> 2016年、ISBN 978-4-623-07655-0 pp.88-89.
  4. ^ 『広辞苑』 第六版 岩波新書 一部参考。[疑問点]

関連項目


知性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:50 UTC 版)

イルカ」の記事における「知性」の解説

イルカ体重占める脳の割合脳化指数)がヒト次いで大きいことから、イルカの知性の潜在的可能性古くから指摘されており、世界的に数多く研究者研究対象になり、世間一般からも興味対象とされてきた。ただし、イルカの脳はサイズ大きいものの、グリア細胞割合多くニューロン自体密度それほど高くない。ただしニューロン密度をもって知性が劣ると言い切れるのかは定かではない。従って、科学的根拠から脳のサイズのみから知性のレベル判断するのは早計である。 イルカの脳はその生息環境及び形態応じた適応果たしており、仮にイルカヒト匹敵する密度ニューロン持てば酸素要求量が増し長時間潜水は困難となる。また肺を肥大化させると運動能力犠牲となるため、現在の脳に最適化されたと考えられている。 イルカ人間同様の知性を持つ、あるいは人間以上の知性をもった存在として描かれる作品多数存在するものの、いずれも科学的根拠乏しフィクションである。 また、イルカは高い周波数をもったパルス音を発して物体反射した音からその物体の特徴を知る能力を持つ。更にその特徴を他の個体パルス音で伝えたりと、コミュニケーション能力高く人間のようないじめも行うこともわかっており、などを集団噛み付き弱らせ弄んだ挙句食べず捨てる、小さな同種のイルカ弱ったものを集団噛み付くなどして、殺すなど集団的な暴行行為も行う。 イルカ言語の詳細は「ハンドウイルカ#感覚とコミュニケーション」項を参照のこと。 なお、脳科学者の池谷裕二は、イルカの脳は高性能だが、人のような四肢がないことで、脳が人間のように十分に活かされていない主張している。 小アンティル諸島次のようなことが観察されている。群れから遠く離れたイルカサメ襲われた時、SOS信号出し、その信号受け取った群れイルカ助け駆けつけた。助けられイルカ自力浮上することが出来なかったが、仲間介護され2週間後に回復した

※この「知性」の解説は、「イルカ」の解説の一部です。
「知性」を含む「イルカ」の記事については、「イルカ」の概要を参照ください。

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知性

出典:『Wiktionary』 (2021/08/20 14:03 UTC 版)

名詞

ちせい

  1. 物事理屈理解判断する能力

発音(?)

ち↘せー
ち↗せ↘ー

「知性」の例文・使い方・用例・文例

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