ろうし〔ラウシ〕【老子】
ろうし 【老子】
老子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/08 02:28 UTC 版)
老子(ろうし)は、中国春秋時代における哲学者である。諸子百家のうちの道家は彼の思想を基礎とするものであり、また、後に生まれた道教は彼を始祖に置く。「老子」の呼び名は「偉大な人物」を意味する尊称と考えられている。書物『老子』(またの名を『老子道徳経』)を書いたとされるがその履歴については不明な部分が多く、実在が疑問視されたり、生きた時代について激しい議論が行われたりする[2]。道教のほとんどの宗派にて老子は神格として崇拝され、三清の一人である太上老君の神名を持つ。
注釈
- ^ 竹林の七賢のひとり嵆康の著『聖賢高士伝賛』など中外日報社説
- ^ 氏族の姓「老」は実在し、宋には老氏という貴族がいた。しかしこの一族と老子を結び付ける証拠は無い。貝塚、p87
- ^ 墨子の「墨」も姓ではないという説がある。しかしこれは元々姓を持たない階層の人物「翟」が入れ墨を入れられた囚人階級出身だったとか、または同音である宋の「目夷」氏の姓が転じたという説などがあり(貝塚、p34-35 第二章 人類愛と平和についての対話)、老子の名づけとは性質が異なる。
- ^ 貝塚は、当時の通信事情から、中国の新聞を武内義雄が見る機会はまず有り得ないと述べている。貝塚、p90
- ^ 出土した本牘に書かれた紀年から判明。浅野・湯浅、p30
- ^ 「建言」による引用はどこまでを指すのかは不確実である(出典『中国古典文学大系4』1973年P22 注2金谷治)。内容からすると、43章くらいまでが名言集であるように見える。
- ^ 老子が「道(タオ)と呼んできたものは、人間がこれまで神とか仏とか宇宙意識とか呼んでいた、万生万物の根源としての「一なるもの」であるとする見解がある。(出典『人間の絆 嚮働編』祥伝社 1991年 P34 高橋佳子)
出典
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出典2
老子(ろうし)
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「封神演義の登場人物一覧」の記事における「老子(ろうし)」の解説
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「老子」の例文・使い方・用例・文例
- 老子の道教
- 老子および荘子が簡素で誠実な生活を唱道して作り上げた哲学体系の、または、老子および荘子が簡素で誠実な生活を唱道して作り上げた哲学体系に関する
- 老子の教えに基づくが占いと魔法ともに神の神殿を含む人気がある中国の宗教的な体系の、または、老子の教えに基づくが占いと魔法ともに神の神殿を含む人気がある中国の宗教的な体系に関する
- 老子と荘子によって作られた哲学体系で、質素で正直な暮らしと、自然事象に干渉しないことを提唱している
- 老子の教えに基づいているが、多くの神を受け入れる汎神論と、錬金術、易断、および呪術の実践を特徴とする、大衆的な中国の哲学体系
- 老子の教えを信奉する宗教
- 老子の教えに従うことを主張し、汎神論と妖術をも取り込んだ中国の道教の分派
- その教えを老子が道教の基礎にした、4世紀の儒者
- 老子の思想において,すべての人は平等であるという概念
- 黄帝と老子という道教の開祖
- 中国において,老子と荘子と列子という,三人の思想家
- 老子や荘子の思想を信奉する学派
- 老子と荘子によって唱えられた学説
- 老子と荘子に代表される道家の思想
- 老子と荘子
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