田中王堂とは? わかりやすく解説

たなか‐おうどう〔‐ワウダウ〕【田中王堂】

読み方:たなかおうどう

1868〜1932]哲学者評論家埼玉生まれ本名喜一米国留学中にデューイ思想学び日本プラグマティズム哲学紹介。著「哲人主義」「我が非哲学」など。


田中王堂

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 01:45 UTC 版)

田中王堂(1899年、後列右端)

田中 王堂(たなか おうどう、慶応3年12月30日1868年1月24日〉 - 1932年昭和7年〉5月9日)は、日本哲学者評論家。王堂、王堂学人はで、本名は喜一(きいち)。早稲田大学文学部教授、立教大学教授。

シカゴ大学ジョン・デューイの教えを受け、ウィリアム・ジェームズジョージ・サンタヤーナの影響を受ける[1]。日本にプラグマティズム哲学を紹介し、評論活動をおこなう[2]

略歴

家族

妻の孝子
  • 実父・田中七郎 - 富岡村の名主を務めた素封家だったが、侠心が多かったため産を傾け、王堂が生まれた頃は貧しかった[3]
  • 兄・田中泰司 - 埼玉農工銀行取締役、富岡村村長[4][5]
  • 妻・田中孝子(旧姓高梨) - 千葉県野田の醤油屋高梨孝右衛門とおき(伊藤八兵衛六女)の娘。義伯父(母の姉の夫)に渋沢栄一がおり、日本女子大学在学中に栄一に随行して渡米実業団に参加。帰国後は社会学者として活動し、母校の教授となり、1933年には東京市結婚相談所を創設、初代所長を務めた[6]。王堂の多くの著作の口述筆記をした[3]

影響

早稲田大学の講義は難解であったといわれるが、石橋湛山・関与三郎・杉森孝次郎・大杉潤作らは影響を受けた[7]

著作

単著

収録作品

  •  「デモクラシーの極致としての哲人主義」、文芸哲学研究会 編『文芸哲学講座』 第1輯、小西書店、1923年。 
  •  「王堂女性観」、文芸哲学研究会 編『文芸哲学講座』 第5輯、小西書店、1923年https://iss.ndl.go.jp/api/openurl?ndl_jpno=43040314 
  •  「福澤諭吉」、『世界思潮』 第5册、岩波書店〈岩波講座〉、1929年。 
  •  「徹底個人主義」、三枝博音清水幾太郎 編『思想 啓蒙篇』平凡社〈日本哲学思想全書 第4巻〉、1956年。 
    •  「徹底個人主義」、三枝博音清水幾太郎 編『思想 啓蒙篇』平凡社〈日本哲学思想全書 第4巻〉、1979年12月。 
  •  「徹底個人主義」、下村寅太郎古田光 編『哲学思想』筑摩書房〈現代日本思想大系 第24巻〉、1965年。 
  •  「民主主義と個人主義」、太田雅夫編集・解説 編『資料大正デモクラシー論争史』 上巻、新泉社、1971年。 
  •  「福沢の文章」、市村弘正編集・解説 編『論集・福沢諭吉への視点』りせい書房、1973年。 
  •  「夏目漱石氏の『文芸の哲学的基礎』を評す(抄)」・「当来の文芸」、『文芸評論集』筑摩書房〈現代日本文学大系 96〉、1973年。 

共著

脚注

  1. ^ 鶴見俊輔『期待と回想』ちくま文庫、2022年、62-3頁。 
  2. ^ 小学館「デジタル大辞泉」 『田中王堂』 コトバンク
  3. ^ a b 田中王堂『日本英雄伝. 第6巻』菊池寛 監修[他] (非凡閣, 1936)
  4. ^ 『所沢市史 通史編 下』所沢市、1979年
  5. ^ 田中泰司 『人事興信録』第8版 [昭和3(1928)年7月]
  6. ^ 渡米実業団の若手メンバー『青淵』No.724 2009(平成21)年7月号
  7. ^ 松岡正剛 (2002年10月1日). “『湛山回想』石橋湛山”. 松岡正剛の千夜千冊. 2011年1月22日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク




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