相互扶助
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相互扶助(そうごふじょ)とは、社会・組織の構成員同士が互いに助け合うこと。互助(ごじょ)とも。
人類の誕生以来、相互扶助そのものは世界各地に存在していたが、ヨーロッパにおいて特に相互扶助が注目されるようになったのは産業革命以後に様々な社会問題が発生するようになった後である。産業革命によって封建社会の共同体下で存在した相互扶助の形態が解体され、これに代わり得るものを人為的に組織する必要が生じたからである。例えば、救貧法はギルドや農村共同体が担ってきた最低限の生活保障の機能を担い、その他の分野でも自発的な結社や慈善団体による相互扶助機能の提供が行われた。
18世紀になると、各地に友愛組合・共済組合・労働組合・協同組合など「集団的自助」を目的とした団体が結成されるようになる。こうした団体は厳格な規則とともに組合員に共同基金の創設・維持のために一定の組合費や拠出金の出費や組織活動への参加を義務付け、代わりに死亡・疾病・老齢・失業などに対する給付を請求する権利を得た。こうした組織はイギリスでは主に労働者階級が主導して結成され、フランスでは名望家階級の後ろ盾の存在が大きかった。また、国家もこうした組織の登録制度や優遇税制による把握に努め、その組織結成を促した。こうした政策は後の社会保障制度や福祉国家の形成に大きな影響を与えた。
こうした組織は移民や商業活動を通じてヨーロッパ以外の地域にも広まった。アジアでも中国の義荘や日本の講・友子・組などの一族単位、地域単位あるいは職種別の互助組織が存在していたが、近代以後はヨーロッパを範とした共済組合などが結成されるようになった。ただし、当初こうした組織の背景には企業主義に基づく恩恵付与と言う東アジア独特の考えが含まれていた。
参考文献
- 高田実「互助」(『歴史学事典 14 ものとわざ』(弘文堂、2006年) ISBN 978-4-335-21044-0)
関連項目
外部リンク
- 相互扶助(そうごふじょ)とは - コトバンク
- 相互扶助集団(そうごふじょしゅうだん)とは - コトバンク
- 組(くみ)とは - コトバンク
相互扶助
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 14:10 UTC 版)
民間核施設保安隊はイギリスにおける3つの特別警察のひとつで、他はイギリス鉄道警察と国防省警察である。他の2機関と異なり、民間核施設保安隊には反テロリズム・犯罪・保安法(英語版)により設定された「拡張管轄権(extended jurisdiction)」の規定には含まれていない。このため、イギリス鉄道警察や国防省警察の警察官たちは、場合によっては本来の管轄外で行動することができる。 民間核施設保安隊はまた、警察法(1996年)セクション24および98の(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの警察隊およびイギリス交通警察の間の)相互扶助条項にも、国防省警察法(1987年)のセクション3a(国防省警察からの扶助)にも含まれていない。しかしながら、エネルギー法セクション59によれば、民間核施設保安隊の警察官は、民間核施設保安隊の責任者と地方警察隊の責任者との間の合意により相互扶助において、本来の管轄外で行動することができる。 2005年夏、民間核施設保安隊は、グレンイーグルスで開催されたG8に関連して、イギリスのほとんど全ての警察隊が関与する大規模な警察活動の一部となった。 2010年6月2日、民間核施設保安隊は、12人が殺害され、25人が傷害を負った銃撃事件の犯人を捕捉するためカンブリア州警察を支援した。。
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