老子の「道」とは? わかりやすく解説

老子の「道」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 02:32 UTC 版)

道教」の記事における「老子の「道」」の解説

老子」も参照 老子先秦時代学者とされるが、その経歴について不明な点が多く、その思想記した書である『老子道徳経』の成立時期もさまざまな説がある。道教中国古来宗教的な観念をもとに長い期間を経て醸成されたもので、一人教祖によって始められたものではないから、老子道教教祖であるとはいえない。 しかし、『老子』に説かれる「道」概念道教思想根本であることは確かである。道教においては不老長生得て「道」合一することが究極理想として掲げられ道徳教理記した書の冒頭には『老子』の「道」または「道徳」について説明なされるのが通例である。 『老子』の冒頭には以下のようにある。 道の道とすべきは、常の道に非ず。名の名とすべきは、常の名に非ず名無し天地始めには。名有り万物の母には。故に常に無欲にしてその妙(深遠な根源世界)を観て、常に有欲にしてその徼(明らかな現象世界)を観る。この両者は同じきより出でて名を異にし、同じくこれを玄(奥深い神秘)と謂う。玄のまた玄、衆妙の門。 — 『老子第一章老子』では、世間普通に「道」と言われているような道は本当の道ではないとして否定し目に見える現象世界超えた根源世界天地万物現れ神秘世界目を向ける「道」超越的人間にはとらえがたいものだが、天地万物生じるという偉大な働きをし、気という形で天地万物中に普遍的に内在している。 『老子』に見られる「道」「徳」「柔」「無為」といった思想は、20世紀後半発掘され馬王堆帛書郭店楚簡から推測すると、戦国時代後期には知られていたと考えられる「道」世界万物の根源定め思想この頃発生し、やがて老子思想と同じ道家という学派解釈されるようになった一方、『老子道徳経』の政治思想は、古代帝王である黄帝説く無為政治結びつき強め道家法家交えた黄老思想成立した前漢時代まで大きく広まり実際政治にも影響与えたが、武帝儒教国教とすると民間深く浸透するようになった。その過程老荘思想原理考究の面が廃れ黄帝付随していた神仙性質強まっていった。そして老子もまた不老不死仙人考えられ信仰の対象になった道教においては不老長生得て「道」合一することを理想とするが、その際には精神的な悟脱だけを問題とするのではなく身体的な側面極めて重視する。そのため、形而上「道」具体的な発現である「気」もクローズアップされるようになった

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