列子とは? わかりやすく解説

れっし【列子】

読み方:れっし

[一]中国戦国時代道家思想家。名は禦寇(ぎょこう)。鄭(てい)(河南省)の人。「荘子中に説話がみえ、「呂氏春秋によれば虚を尊んだといわれる唐代沖虚真人(ちゅうきしんじん)と追号された。生没年未詳

[二]中国道家思想書。8編。[一]の撰と伝えられるが、現行本は前漢末から晋代にかけて成立したといわれる故事寓言神話多くのせ、唐代道教教典として尊ばれ、「沖虚真経(ちゅうきしんけい)」と称された。


れっし 【列子】

中国春秋戦国時代道家伝説的人物。名は禦寇。鄭の人。老子よりややおくれ、荘子より前、孔孟中間の頃の人ともいうが、伝未詳。唐の玄宗は冲虚真人と諡した。彼が著した伝え『列子』という八巻著書があるが、彼死後の事項が多いので、後人偽作との説もある。老子の清虚・無為の思想に基づき数多く寓話みられる(「朝三暮四」の如き)。冲虚真経・冲虚至徳真経とも。唐代になってから『老子』『荘子』と並び称せられ、道家代表的古典とされるようになった

列子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/11 09:44 UTC 版)

列子(れっし)は、中国戦国時代諸子百家の一人列禦寇(れつぎょこう)の尊称。または、その列禦寇の著書とされる道家の文献を指す。後世の道教では『冲虚至徳真経』ともいう。

列禦寇

列禦寇は、『荘子』など先秦の書物に度々登場するが、『史記』には伝記がなく、実在を疑う向きもある。

の圃田(現在の河南省鄭州市)の出身とされる。同市には列禦寇をまつる墓(列子祠)がある[1]

『列子』

多くの寓言や伝説により道家的思想を伝える。由来する成語に「杞憂」「愚公移山」「男尊女卑」「疑心暗鬼[2]」がある。湯問篇にはロボットのようなものが登場する(偃師造人)。楊朱篇は楊朱についての貴重な資料でもある。

漢書芸文志には『列子』8巻が見える。現行本も8巻8篇(「天瑞」「黄帝」「周穆王」「仲尼」「湯問」「力命」「楊朱」「説符」)からなる

現行本は、『荘子』と重複する部分や仏教的な部分があり、後世の加筆、あるいは以降の偽書とする説が古来よりある。20世紀末以降、疑古批判の風潮のなかで、偽書説を否定する説も出されるようになったが、定説にはなっていない[3]

注釈書張湛中国語版林希逸の注がある。

脚注

  1. ^ 列子故里雨中行-中新网”. www.chinanews.com. 中国新聞網. 2020年12月3日閲覧。
  2. ^ 本文でなく林希逸の注釈に由来
  3. ^ 裘錫圭中国古典学の再構築にあたり 注意すべき問題について」『古典学の再構築』第7号、2000年、20頁。 

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列子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 16:57 UTC 版)

穆王八駿」の記事における「列子」の解説

『列子』文献にも『穆天子伝同様の記述がある。登場するのは「𦽊騮」「緑耳」「赤驥」「白𣚘(はくぎ)」「渠黄」「踰輪」「盗驪」「山子」。ただし、『穆天子伝』の方は、「踰輪」ではなく「逾輪」(yú lún)、「白𣚘」ではなく「白義」(bái yì)、「𦽊騮」ではなく「驊騮」(huá liú)となっているなど、同音でも多少表記が違う部分もある。

※この「列子」の解説は、「穆王八駿」の解説の一部です。
「列子」を含む「穆王八駿」の記事については、「穆王八駿」の概要を参照ください。

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