神話4:人間の起源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 23:46 UTC 版)
古代ギリシア人は、神々が存在した往古より人間の祖先は存在していたとする考えを持っていたことが知られている。例えばヘーシオドスの『仕事と日々』にもそのような説明がなされている。他方、『仕事と日々』は構成的には雑多な詩作品を蒐集したという趣があり、『神統記』や『名婦列伝』が備えている整然とした、伝承の整理付けはなく、当時の庶民(とりわけ農民)の抱いていた世界観や人間観が印象的な喩え話のなかで語られている。 古来、ギリシア人は「人は土より生まれた」との考えを持っていた。超越的な神が人間の族を創造したのではなく、自然発生的に人間は往古より大地に生きていたとの考えである。しかしこの事実は、人間が生まれにおいて神々に劣るという意味ではなく、オリュンポスの神々も、それ以前の支配者であったティーターンも、元々はすべて「大地(ガイア)の子」である。人間はガイアを母とする、神々の兄弟でもあるのだ。異なる点は、神々は不死にして人間に比べ卓越した力を持つということである。その意味で、神々は貴族であり、人間は庶民だと言える。
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