アイヌラックルとは? わかりやすく解説

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アイヌラックル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/07 08:57 UTC 版)

アイヌラックルは、アイヌ伝承の創世神話における英雄で、アイヌ民族の祖とされる地上で初めて誕生した神[1]アイヌ語で「人間みたいな神」という意味。エピソードを通じて人々の日常生活を支える多くの品々の起源が語られることから、アイヌ神話の上での文化英雄の役割を持つ[2]オイナオイナカムイオキクルミなどの別名でも伝えられている。


  1. ^ 「オイナ」はまた「ユーカラ」などとともにアイヌ神謡の一形態をさす語でもある。
  2. ^ 金田一は、"我々諸人の永く伝承して忘るべからざる神"[10]、または"我々の万代言い継ぎ語り継ぎて忘れられない神"[12]とも解釈する。
  3. ^ 別名の豊富さのためややこしいが、実際はコタンカルカムイとアイヌラックルでなく、"オキクルミとサマュンクルが兄弟とされている所もある"と『日本の神仏の辞典』では記述している。
  4. ^ もし"オキクルミとオキキリマ、サマュンクルとサマイェクルを同じものとみなすと、北海道では東西でその立場が逆転することになり"(『日本の神仏の辞典』)。
  1. ^ オキクルミとは」デジタル大辞泉の解説より。コトバンク、2018年8月8日閲覧。
  2. ^ 萩原 2009, pp. 224–228.
  3. ^ 中川 1996, p. 158.
  4. ^ 知里 1952, p. 64.
  5. ^ 金田一 1960, pp. 450, 291.
  6. ^ Batchelor, John [in 英語] (1905). "kuru/guru/gur". An Ainu-English-Japanese Dictionary アイヌ・英・和辭典 (2nd ed.). Methodist Publishing House. p. 252.
  7. ^ a b 荒川紘『古代日本人の宇宙観』海鳴社、1981年、69頁https://books.google.com/books?id=QOvSAAAAMAAJ&q=rak 
  8. ^ 久保寺逸彦アイヌの建築儀礼について」『北方文化研究』第3号、北海道大学文学部附属北方文化硏究施設、245頁、1968年https://books.google.com/books?id=KuZRAQAAIAAJ&q=rak 
  9. ^ 知里 1952, pp. 59–60.
  10. ^ a b c 金田一 1960, p. 434.
  11. ^ a b 知里 1952, p. 69.
  12. ^ 金田一 (1960), p. 450.
  13. ^ Kindaichi (1960), p. 434.
  14. ^ a b 知里 1936, pp. 88–89 「分類アイヌ語辞典」88頁(参考3). アイヌと自然デジタル図鑑版植物編 §144.
  15. ^ 金田一 1960, p. 392.
  16. ^ a b Batchelor, John [in 英語] (1905). "uru". An Ainu-English-Japanese Dictionary アイヌ・英・和辭典 (2nd ed.). Methodist Publishing House. p. 484.
  17. ^ 金田一 1960, p. 15.
  18. ^ Kindaichi, Kyōsuke (1941), Ainu Life and Legends, Board of Tourist Industry, Japanese Government Railways, p. 27, https://books.google.com/books?id=6cLYAAAAMAAJ&q=ur 
  19. ^ 知里 1952, p. 69。さらに"kiki (きらきらする) -ur (皮ごろもを) -mi (着ている)"[14]という説明がある。日本語で「皮ごろも」といえばふつう毛皮の衣服を指すが、アイヌ語の ur は「毛皮」と同時に「衣(ころも)」とも定義もされるものの[15]、哺乳類や海棲獣の皮(英語:"skin", "hide"[16][16])のみならず魚皮・鳥皮も含むとされている[17][18]
  20. ^ a b 大島建彦; 薗田稔; 薗田文雄日本の神仏の辞典大修館書店、2001年、679頁。ISBN 9784469012682https://books.google.com/books?hl=ja&id=nDwQAQAAMAAJ&q=オキクルミ 
  21. ^ 知里 1952, pp. 59, 63.
  22. ^ 知里 1952, p. 63.
  23. ^ 石沢澈「日本神話の研究方法序説」『日本文化史論叢:柴田実先生古稀記念』、柴田実先生古稀記念会、吹田、124 文化硏究施設頁、1976年1月https://books.google.com/books?id=vs3IAAAAIAAJ&q=オキクルミ 
  24. ^ 金田一 1943、第一章「アイヌラックルの生ひ立ちの話」 7–27頁。全集第11巻、292頁、1993年


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