カムイ
《アイヌ語》神。
株式会社カムイ
カムイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/06 17:31 UTC 版)
カムイ(アイヌ語ラテン翻字: kamuy)は、アイヌ語で神格を有する高位の霊的存在のこと。日本語での地名表記などにおいては、漢字を当て、「神威」「神居」としばしば表記される。ラテン文字表記では、イギリス人の宣教師ジョン・バチェラーや金田一京助、久保寺逸彦らの研究者、アイヌ語話者である知里幸恵、金成マツらはkamuiと書いたが、知里真志保がアイヌ語の音韻構造に基づき、kamuyという表記を使うようになり定着している。
概要
カムイという言葉は多くの場合にただ「神」と訳されるが[1]、このような場合は「荒神」と訳すべき時もある。例えばカムイコタンとは「カムイの村」という意味だが、多くは地形上の難所などであり、「神の村」というより「恐ろしい荒神のいる場所」とした方が実際のイメージに近い[2]。
カムイは、本来神々の世界であるカムイモシリ[3]に所属しており、その本来の姿は人間と同じだという。例えば火のカムイであるアペフチカムイ[4]なら赤い小袖を着たおばあさんなど、そのものを連想させる姿と考えられている。そしてある一定の使命を帯びて人間の世界であるアイヌモシリにやってくる際、その使命に応じた衣服を身にまとうという。例えばキムンカムイ[5]が人間の世界にやってくる時にはヒグマの衣服(肉体)をまとってくる。言い換えれば我々が目にするヒグマはすべて、人間の世界におけるカムイの仮の姿ということになる。名称ではキムンカムイ、コタンコロカムイ[6]、レプンカムイ[7]のように、「◯◯カムイ」などのように用いられる。
また、カムイの有する「固有の能力」は人間に都合の良い物ばかりとは限らない。例えば熱病をもたらす疫病神パヨカカムイなども、人智の及ばぬ力を振るう存在としてカムイと呼ばれる。このように、人間に災厄をもたらすカムイはウェンカムイ[8]と呼ばれ、人間に恩恵をもたらすピリカカムイ[9]と同様に畏怖される。
語源には諸説ある。江戸時代中期の国学者谷川士清が著わした国語辞典である『和訓栞』[10]には、古い時代に日本語の「かみ(神)」を借用したものらしいと書かれている[11]。
脚注
出典
- ^ “日本の竜の神 カムイサウルス・ジャポニクス(通称 むかわ竜(むかわ町穂別産))/むかわ町”. www.town.mukawa.lg.jp. 北海道むかわ町公式ウェブサイト. 2021年4月27日閲覧。
- ^ 「アイヌ語学」 知里真志保「北海道事始め」 楡書房 1956年2月、青空文庫
- ^ アイヌ語ラテン翻字: kamuy mosir
- ^ アイヌ語ラテン翻字: ape huci kamuy、火の老婆のカムイ
- ^ アイヌ語ラテン翻字: kim un kamuy、山にいるカムイ
- ^ アイヌ語ラテン翻字: kotan kor kamuy、集落を護るカムイ、シマフクロウ
- ^ アイヌ語ラテン翻字: rep un kamuy、沖にいるカムイ、シャチ
- ^ アイヌ語ラテン翻字: wen kamuy、悪しきカムイ
- ^ アイヌ語ラテン翻字: pirka kamuy、善きカムイ
- ^ “和訓栞. 前編 1-28 / 谷川士清 纂”. www.wul.waseda.ac.jp. 2019年11月2日閲覧。
- ^ “カムイ 精選版 日本国語大辞典”. コトバンク. 2019年11月2日閲覧。
関連項目
カムイ(弟)
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物語序盤の主人公。身分上最下層とされる「夙谷」(しゅくだに)と呼ばれる非人部落の出身だが、物乞いに甘んじる部落の連中を嫌って、自由と誇りを求め単身で生きようとする。百姓小頭たちによって非人の子供が殺され、復讐のため立ち上がったが、あっけなく捕らわれ斬首の刑に処せられた。
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カムイ
「カムイ」の例文・使い方・用例・文例
- 『カムイの剣』は、1868年の徳川将軍時代の崩壊と、明治天皇下での日本の復興という変革期を舞台にした、一種の侍/忍者物語だ。
- 新リーグの8チームのうち,レラカムイ北海道は新たに結成された唯一のチームだ。
- レラカムイとはアイヌ語で「風の神」を意味する。
- バスケットボール日本代表の前アシスタントコーチ,東(ひがし)野(の)智(とも)弥(や)さんがレラカムイのヘッドコーチに就任した。
- レラカムイの運営会社は米国のプロチーム,ビュート・デアデビルズと業務提携を結んだ。
- カムイ外伝
- 「カムイ外伝」は,抜け忍カムイについての白(しら)土(と)三(さん)平(ぺい)原作の人気漫画を基にしたアクション満載の映画である。
- カムイ(松山ケンイチ)は腕の立つ忍者だ。
- ある日,カムイは半(はん)兵(べ)衛(え)という名の漁民(小林薫)を助け,彼の家族に迎え入れられる。
- 半兵衛の妻,スガル(小雪)はかつてカムイのいた一族のメンバーだったため,カムイが自分を殺しに来たのだと思っている。
- カムイとスガルはかろうじて彼の脱出を助けることに成功する。
- その集団の頭である不(ふ)動(どう)(伊藤英(ひで)明(あき))はカムイを自分の船に迎える。
- カムイは不安に感じてならないが,彼を信用することにする。
- しかし,カムイの追っ手は彼のすぐ後ろに迫っている。
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