パルジャニヤ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/12 06:07 UTC 版)
パルジャニヤ (サンスクリット語: पर्जन्य, Parjanya) は、インド神話に登場する雨の神である。マルト神群やインドラ神とよく似た性格を持つ[1][2]。
パルジャニヤは『リグ・ヴェーダ』では3篇の独立讃歌を持つ[1][2]。しばしば牡牛と呼ばれ[3]、雨雲を作り出し、雷をともなう雨を降らせ、大地を潤す[2]。またパルジャニヤは植物の保護者とされ、草木に種子を授け、芽生えさせるという[4][5]。しかしその反面、樹木を裂き、ラークシャサを殺す荒々しい一面を持つ[6]。
神秘的な讃歌(7巻101)においては、パルジャニヤは「自律の王者」と呼ばれ[7]、彼の中に生物、無生物を問わず、一切万物の生気が存すると詠われている[8]。また別の讃歌では1度だけだがアスラと呼ばれている[9]。
後の叙事詩『ラーマーヤナ』ではヴァナラ(猿)の1人、シャラバの父とされている[10]。
脚注
参考文献
- ヴァールミーキ 『ラーマーヤナ』 岩本裕訳、平凡社〈東洋文庫〉、1980年4月。ISBN 978-4-58-280376-1。
- 『リグ・ヴェーダ讃歌』 辻直四郎訳、岩波書店〈岩波文庫〉、1970年5月。ISBN 978-4-00-320601-0。
- 『インド神話伝説辞典』 菅沼晃編、東京堂出版、1985年3月。ISBN 978-4-490-10191-1。
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