風景とは? わかりやすく解説

ふう‐けい【風景】

読み方:ふうけい

目に映る広い範囲のながめ。景色風光。「山岳—」

ある場面情景ありさま。「ほほえましい親子の—」「新春—」


風景

一般的には光景とか景色の意味持ち伝統的な絵画はそうしたものをモチーフ描いたものを風景画呼んでいる。静物人物などを、外側か見て描く事が絵画の自然なありようだとする価値観が、二十世紀初頭画家達によってすでに解体され眼差しが人の内面やものの存在そのもの向けられている以上、風景だけが眺められるもののままであり続けるはずはない。美術において今や風景は、人間存在そのもの内包する場として意識され多様な切り口表現される対象となっている。

モンポウ:風景

英語表記/番号出版情報
モンポウ:風景Paisajes作曲年1942年  出版年1957年  初版出版地/出版社: Salabert 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 泉と鐘 "La fuonte y campana"4分00 No Image
2 湖 "El lago"4分30秒 No Image
3 ガリシア馬車 "Carros deGalicia"4分30秒 No Image

作品解説

2008年7月 執筆者: 和田 真由子

スペイン内戦や、第二次世界大戦勃発身内不幸などが重なり作曲活動ままならないまま10年近く過ごしていたモンポウだったが、1941年パリから故郷バルセロナ戻り積極的な創作活動再開することができるようになった。《風景》は1942年作曲された。全3曲あるが、第1、2曲をまとめて第一巻第3曲が第二巻となっている。

1.泉と鐘 / No.1 "La fuonte y campana":調号なし、4分の2拍子モンポウの家の庭にあった噴水と、そこできかれる鐘の音ノスタルジック描かれている。Gであらわされる鐘は何度も低音でうちならされ空気優しく包み込む。ここでは10度音程登場する。つづく16分音符は、湧き出てくる水のように奏され透明感のある響き美しい。後にモンポウの妻となるカルメン・ブラーボにささげられ一曲


2.湖 / No.2 "El lago":調号はかかれていない。4分の4拍子16分音符響きは非常に繊細で、湖の静かなたたずまいを想わせる。その中で息の長い旋律浮き上がるように歌われていく。クワジ・カデンツァで落とされた音が水面広がる波紋となり、つづく32分音符の音型を作っているようだ印象派的な描写面白一曲

3.ガリシア馬車 / No.3 "Carros deGalicia":調号なし。4分の2拍子レント放浪者が歌うガリシアの歌から発想得て作曲された。冒頭から不協和音連なり、より調性あいまいになっている。おさえられ音量の中で同和音が繰り返されており、不安感が増す。緊張感維持し重心安定させて奏する


風景

英語表記/番号出版情報
ジルソン:風景Paysages作曲年: 1899-1901年 
グラナドス:風景Paisaje Op.35
ショーソン:風景Paysage Op.38作曲年1895年  出版年: 1895?年  初版出版地/出版社: Baudoux 

風景

作者福永武彦

収載図書福永武彦全集 第4巻 小説 4
出版社新潮社
刊行年月1987.7


風景

作者森野

収載図書お手玉
出版社新風舎
刊行年月2003.10
シリーズ名新風舎文庫


風景

作者八木義徳

収載図書八木義徳全集 7
出版社福武書店
刊行年月1990.9


風景

作者牧田治子

収載図書海辺の青い扉
出版社踏青
刊行年月1991.10


風景

作者北山幸太郎

収載図書ロバ君の問題点
出版社清水書院
刊行年月1996.2


風景

作者三神

収載図書月と五人の男
出版社集英社
刊行年月1996.3


風景

作者堀辰雄

収載図書堀辰雄全集 第1巻
出版社筑摩書房
刊行年月1996.6

収載図書堀辰雄全集 第6巻
出版社筑摩書房
刊行年月1996.12

収載図書堀辰雄初期作品集
出版社軽井沢町教育委員会
刊行年月2004.7

収載図書ザ・堀辰雄全小全一
出版社第三書館
刊行年月2004.12


風景

作者バリー・ユアグロー

収載図書一人の男が飛行機から飛び降りる
出版社新潮社
刊行年月1996.7

収載図書一人の男が飛行機から飛び降りる
出版社新潮社
刊行年月1999.9
シリーズ名新潮文庫


風景

作者井伏鱒二

収載図書井伏鱒二全集 第5巻
出版社筑摩書房
刊行年月1997.3


風景

作者金子律

収載図書この心の底
出版社武蔵野書房
刊行年月2002.10


風景

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/23 07:06 UTC 版)

山の風景、涸沢カール
海の風景、雑賀崎

風景(ふうけい)は、に見える様子、景色のこと。類義語景観、光景などが挙げられる。絵画作品の題材写真作品の題材にされたり、観光資源として活用される場合もある。

概要

景観は客観的な景色、ランドスケープに用いて、主に都市など人工的なもの(用語例として「都市景観」)、風景は主観的な景色、ランドスケープに用い、主に自然に対して(用語例として「自然風景」)使われることが多い(ただし、盛り場風景、授業風景などの用例もある)。また、光景は瞬間的なもの、景観・風景は持続的なものに使われることが多い。

現在では「景観」と「風景」はほとんど同じ意味で使われる。しかし近代合理主義的理解が支配的だった頃は、「景観」は客観的に対象を記述するもので価他を含まないとされ、「風景」は逆に主観的な情動で客観性に欠けるとされていた。今でも若干その傾向は残っており、風景は「原風景」「風景美」のように、景観は文化的景観、歴史的景観、景観評価のように使われる。

日本の風景

古代以来の伝統として、和歌歌枕があった。名歌に詠まれた土地(名所)を訪れ、古人を偲んで歌を詠む、という伝統があり、住吉の浜などが有名な歌枕であった。

中国で発達した山水画日本にも大きな影響を与えた。山水画では、名所として瀟湘八景湖南省洞庭湖付近の風景)が選ばれ、好んで画題とされていた。日本の画人も瀟湘八景を題材としたが、その影響で室町時代末以降、近江八景(琵琶湖付近の風景)が選ばれた。また、雪舟の水墨画「天橋立図」も有名である。

日本三景天橋立

江戸時代初期に松島宮島天橋立が「日本三処奇観」と呼ばれ、やがて日本三景として定着した。江戸時代は各国の地理に関心が高まった時代で、『都名所図会』『江戸名所図会』などの刊行や、葛飾北斎の「富嶽三十六景」シリーズなども自然風景への関心を示していると言えよう。

明治時代中期にベストセラーとなった志賀重昂の『日本風景論』(1894年)は、日本人に新しい風景観をもたらしたと言われる。ナショナリズムの立場から、日本の風景が変化に富み、優れていることを説いたものであるが、自然の中に美を見出そうとする態度は後に大きな影響を与えた。また、登山について実用的な案内も行っており、登山ブームのきっかけにもなった(アルピニズム参照)。

上高地

新たな風景観の中で尾瀬上高地などが自然風景として評価されるようになった。1934年には国立公園として瀬戸内海雲仙霧島の3箇所が初めて指定され、同年、阿寒大雪山日光中部山岳阿蘇山の5箇所が追加された。また同じ頃、外貨獲得のため観光地を整備するという政策が取られ、その一環で上高地、雲仙、志賀、赤倉、阿蘇、蒲郡、唐津、松島、琵琶湖、川奈、日光などに国際観光ホテルが建設された。鉄道など交通機関の発達も、日本の風景に大きな影響を与えたといえる。

なお、日本における風景の原義は、風光であり、景そのものではなく風と光の織りなすものといった意味があるとの指摘もある[1]。景観と比較して、風景は自然が中心で・人工物は点景である。風景も景観と同じく主体との関係はあるのだが、これを鑑賞できる一定の教養を前提にしているから、その水準での主観性をもちやすい。日本三景、近江八景などはその例である。風景のほうは多分に心情的な面が強く、古くから使われてきたから市民的には使いやすい言葉である。「風景」という言葉には、文学的・芸術的なニュアンスが多く含まれており、景観よりも柔らかで心情的な響きがあって、こちらのほうが的確に表現できる場合もある。文芸評論家奥野健男の『文学における原風景』は作者の心に内在する風景を取り上げたものだが、それ以来「原風景」という用語がよく使われるようになったとされる。これを「原景観」とは言えない。

風景鑑賞

自然や人造物の一部を風景ととらえ、主として美的感性によって観察、評価する文化的態度。日本では山水画浮世絵和歌俳句茶道庭園などが風景鑑賞の文化を背景に発展した。具体的な風景の影響を受けて生まれた作品も多い。八景式鑑賞法などがある。

風景思想

風景とは自然と人間との間につくられる関係で、時代地域民族宗教などによって人々は風景に独特の意味を与えて、その思想を表現する。そこには自然に神を見る思想や死後の禁固を望む考え、自然との関係に先人の知恵を感じる思想や、将来の可能性を見る立場などがある。

風景地

優れた自然景観をもつ地域。近代以前の地上には、風光明媚な地域や場所は無数に存在したといわれるが、その中で多くの人に愛され、詩にうたわれ、絵に描かれたようなところが著名な風景地として定着し、現在において文化的存在となっている。

風景論

風景についての見解や認識、鑑賞法や評価法、改造論や操作論など、さまざまな角度からの論考。日本で最初の近代的風景論は志賀の『日本風景論』(1894)といわれる。

その他

和文通話表で「ケ」を示す際には景色のケと表す。

脚注

  1. ^ 『月瀬幻影—近代日本風景批評史』中央公論新社、2002年3月、446頁、ISBN 978-4120032509

参考文献

関連項目


風景

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/10/16 06:47 UTC 版)

コンパートメント (紋章学)」の記事における「風景」の解説

コンパートメント何らかの陸や海の風景であることがあり、精巧な描写施されていることがあるスコットランドの氏族長の紋章場合コンパートメント一族の花で覆われ草原ヴァートマウント」である。また、比較最近カナダ登録されたものでは、ノーザン・ブリティッシュ・コロンビア大学紋章コンパートメントは、ブリティッシュ・コロンビア州固有種であるカーモード・ベアが立つデキスター側が山頂、ウッドランド・カリブーが立つシニスター側が小麦の穂になっており、それらはロン・セバスチャンによってデザインされシャチチャージされている紋章表現水の上にある。 コンパートメントは、地理特定の部分持っていることがあるケニアの国章コンパートメントケニア山であり、コロンビアのクンデナマルカ県アルベラエスの紋章コンパートメント地球である。

※この「風景」の解説は、「コンパートメント (紋章学)」の解説の一部です。
「風景」を含む「コンパートメント (紋章学)」の記事については、「コンパートメント (紋章学)」の概要を参照ください。

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風景

出典:『Wiktionary』 (2021/07/20 13:06 UTC 版)

名詞

(ふうけい)

  1. 自然眺め
  2. その様子情景

類義語


「風景」の例文・使い方・用例・文例

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