日光国立公園とは? わかりやすく解説

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にっこう‐こくりつこうえん〔ニツクワウコクリツコウヱン〕【日光国立公園】

読み方:にっこうこくりつこうえん

栃木県北部中心に群馬福島各県にまたがる国立公園東照宮中禅寺湖那須鬼怒川などがある。昭和9年(1934)に群馬福島・新潟の3県にまたがる尾瀬地区を含む範囲指定されたが、平成19年2007)に尾瀬国立公園分離した


日光国立公園

写真:男体山と中禅寺湖
男体山中禅寺湖

地図

中禅寺湖背景華厳(けごん)の滝が落ち男体なんたい)山をはじめ、周辺の山々はあるときはさわやかな新緑に、またあるときは目もあやな紅葉彩られる——季節の変わり目ごとにマスメディア登場する奥日光風景である。

それは山岳湖沼瀑布構図よく収まるということのほかに、それだけ多くの人になじみ深いある意味日本の自然を代表する風景一つだからともいえるであろう

多様な自然美と人工美の融合

写真:戦場ヶ原
戦場ヶ原

日光国立公園は、標高2,000〜2,500mの山群と豊かな森林、それに湿原湖沼など多様な自然と東照宮などの人工美を併せ持つ国立公園である。首都圏近く道路鉄道による主な利用拠点までの到達性もよいため多く利用者がある。

歴史たどれば国立公園制度化される以前明治45年(1912)、帝国議会に「日光帝国公園トナスノ請願」が日光町長から提出され採択された。その後昭和9年国立公園指定された。公園区域は当初日光、奥鬼怒尾瀬地域のみであったが、25年鬼怒川足尾那須塩原地域編入された。また、平成19年には尾瀬地域尾瀬国立公園として独立した

この公園核心ある日光地域には、世界文化遺産登録され徳川家康墓所東照宮、二荒(ふたら)山神社輪王(りんのう)寺の建造物群スギ巨木囲まれ歴史・文化景観と、奥日光一帯の自然が含まれる

写真:湯滝
湯滝

奥日光は、戦場ヶ原小田代原(おだしろがはら)などの湿原関東以北最高峰白根山(2,578m)や男体山(2,486m)太郎山などの山岳中禅寺湖湯ノ湖光徳こうとく)沼などの湖沼華厳の滝竜頭りゅうず)の滝、湯滝などの瀑布、それらを囲むミズナラウラジロモミなどの森林湯元温泉と、多様な景観要素集まっている。

戦場ヶ原乾燥化傾向見られるが、カラマツズミ散在するのびやか湿原景観は、隣接する小田代原とともにお高い魅力保っている。

湯元から金精(こんせい)峠を越えた群馬県側には丸沼菅沼が、日光市街地北方赤薙山あかなぎさん)の東側中腹には霧降高原があり、中禅寺湖南方に続く皇海(すかい)山、庚申山など足尾地域の山域とともに奥日光と一体となった利用圏を構成している。

鬼怒川、那須、塩原地域

写真:秋の茶臼岳
[秋の茶臼岳

鬼怒川上流支流湯西川流域には鬼怒川川治川俣湯西川など温泉多くまた、最上流部の奥鬼怒温泉郷後背山上には鬼怒沼湿原がある。竜王峡瀬戸合峡などの渓谷や滝も多くまた、五十里(いかり)湖、川俣湖などの人造湖もある。

公園北部には雄大な裾野を引く火山茶臼岳(1,915m)を中心とする那須連山があり、三本槍岳周辺などには高山植物生育する山麓広大な高原となり、南斜面那珂川流域で、那須湯本板室(いたむろ)、大丸など温泉が多い。北部甲子(かし)山、旭岳などの斜面広葉樹林牧野などの高原広がる阿武隈川甲子温泉より下流では深い渓谷刻んでいる。

塩原釈迦ヶ岳鶏頂山、前黒山などの高原火山群北側山麓位置し箒川沿いには塩原十一湯と称される歴史の古い塩原温泉郷がある。また、東側には台地状に広がる八方ヶ原があり、レンゲツツジ群生知られる

豊かな植生恵まれた日光国立公園には、ツキノワグマニホンジカニホンザルなどの大型哺乳類はじめとする多く動物がすむ。しかし、奥日光では、近年増加したニホンジカによる樹木高山植物への食害発生している。このため白根山一部小田代原戦場ヶ原にはシカ侵入を防ぐ防護柵巡らされた。また、奥日光一部ではマイカー規制が行われている。

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関連リンク


日光国立公園

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/10 03:00 UTC 版)

日光国立公園
Nikkō National Park
明智平から望む中禅寺湖華厳滝
指定区域
栃木県群馬県福島県にまたがる那須火山帯に属する山岳地[1]
北緯36度58分43秒 東経139度23分42秒 / 北緯36.97861度 東経139.39500度 / 36.97861; 139.39500座標: 北緯36度58分43秒 東経139度23分42秒 / 北緯36.97861度 東経139.39500度 / 36.97861; 139.39500
分類 国立公園
面積 114,908ha[2]
指定日 1934年12月4日
運営者 環境省
年来園者数 1,770万人(2010年)[3]
事務所 関東地方環境事務所
事務所所在地 330-6018
埼玉県さいたま市中央区新都心11-2
明治安田生命さいたま新都心ビル18階
公式サイト 日光国立公園(環境省)
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日光国立公園(にっこうこくりつこうえん)は、日光市を中心とする栃木県に、隣接する群馬県福島県の3県にまたがる国立公園である。日光地域、鬼怒川栗山地域、那須甲子塩原地域の三地域に分けられる。

概要

1934年12月4日大雪山国立公園阿寒摩周国立公園中部山岳国立公園阿蘇くじゅう国立公園とともに指定された。当初は日光、尾瀬、奥鬼怒の三地域が指定されていたが、1950年に那須甲子・塩原、藤原、栗山、足尾の四地域が追加された。2007年に尾瀬地域が尾瀬国立公園に分離されたため、現在は日光地域、鬼怒川・栗山地域、那須甲子・塩原地域の三地域から成る。

  • 日光・鬼怒川・塩原・那須など栃木県の主な景勝地に加え、那須に隣接する福島県の甲子地域(旭岳、甲子高原)も指定区域に含まれている。

面積

  • 総面積は114,908ha

自然

那須火山帯に属する山岳地帯で、日光地域には男体山女峰山赤薙山といった成層火山が在るほか、溶岩ドームである大真名子山小真名子山太郎山日光白根山や根名草山、鬼怒沼山、錫ヶ岳、皇海山などが、那須甲子地域には現在も噴煙をあげている茶臼岳を中心とする那須連山などがある。またこの山岳地域(奥日光)には中禅寺湖(1,162ha)、湯ノ湖西ノ湖などの湖沼華厳滝竜頭滝湯滝、霧降ノ滝などの瀑布といった名勝が数多く存在する。

温泉

鬼怒川塩原那須日光湯元湯西川川治奥鬼怒女夫渕など多くの温泉が湧出し、公園利用の拠点となっている。

動植物

シラネアオイオゼソウシブツアサツキコウシンソウなどの貴重な高山植物ホンドキツネホンドテンニホンイタチホンドオコジョニホンジカニホンカモシカツキノワグマホンドタヌキニホンアナグマニホンザルといった野生動物も多い。日光市ではサルの餌付け禁止条例も出している。イノシシは明治期の豚コレラでいろは坂以上の奥日光から絶滅したとされていた[4]が、近年再確認されている[5]西ノ湖にてニホンカワウソが1950年に確認されており、関東地方における最後の記録とされている[6]フクロウなどの野鳥も豊富で、中禅寺湖周辺は本州でオオワシ[7]オジロワシ[8]が毎冬現れる[9]数少ない地域の一つである。

火山

関係市町村

  • 栃木県
日光市矢板市那須塩原市塩谷町那須郡那須町
  • 群馬県
利根郡片品村
  • 福島県
南会津郡下郷町西白河郡西郷村

歴史

  • 1934年(昭和9年)12月4日 「日光国立公園」指定(日光、尾瀬及び奥鬼怒地区)
  • 1938年(昭和13年)5月13日 特別地域を指定
  • 1950年(昭和25年)9月22日 那須、甲子、塩原、藤原、栗山及び足尾地区を区域に加える
  • 1953年(昭和28年)12月22日 特別保護地区を指定
  • 1957年(昭和32年)4月5日 那須地域の区域を変更
  • 1957年(昭和32年)7月8日 旧皇室用地を区域に加える
  • 1965年(昭和40年)4月15日 光徳地区及び戦場ヶ原の一部を特別地域に指定
  • 1967年(昭和42年)12月5日 尾瀬の一部を特別地域に指定
  • 1985年(昭和60年)9月5日 那須甲子、塩原地域の公園区域及び公園計画を全般的に見直し
  • 1992年(平成4年)7月14日 那須甲子、塩原地域の公園区域及び公園計画を変更
  • 1997年(平成9年)9月18日 日光地域の公園区域及び公園計画を全般的に見直し
  • 2007年(平成19年)8月30日 尾瀬地域を尾瀬国立公園として分離

おもな景勝地

尾瀬国立公園として分割

ビジターセンター

利用者数は2008年(平成20年)[10]

センター名 設置者 所在地 利用者数(人)
日光湯元ビジターセンター 環境省 栃木県日光市湯元 77,111
塩原温泉ビジターセンター 栃木県 栃木県那須塩原市塩原前山国有林 72,763
栃木県立日光自然博物館 栃木県日光市中宮祠2480-1 64,879
赤沼自然情報センター 53,662

画像

日光国立公園の風景

切手

脚注

  1. ^ 日光国立公園の区域図” (PDF). 環境省. 2012年10月6日閲覧。
  2. ^ 日光国立公園の公園紹介”. 環境省. 2012年10月6日閲覧。
  3. ^ 国立公園の利用者数(公園、年次別)” (PDF). 環境省. 2012年10月6日閲覧。
  4. ^ 東照宮, 1936年, 日光の植物と動物
  5. ^ 奥日光小西ホテル, 2019年, 今週のおすすめスポット 2019年01月12日
  6. ^ 佐々木浩「日本のカワウソはなぜ絶滅したのか」『筑紫女学園大学人間文化研究所年報』第27号、筑紫女学園大学人間文化研究所、2016年、95-111頁、CRID 1520290883520624000ISSN 24334227NAID 40020985363  p.98 より
  7. ^ 奥日光の野鳥 - オオワシ
  8. ^ 奥日光の野鳥 - オオワシ
  9. ^ 日光自然博物館, 2020年, 毎冬、オオワシやオジロワシが海を越えてやってきます。中禅寺湖に生息しているマス類などの魚が狙いです。, Twitter
  10. ^ 環境省自然ふれあい推進室"表II-9 国立公園内ビジターセンター等利用者数"自然公園等利用者数調(2013年3月18日閲覧。)

外部リンク


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中禅寺湖 デジタル大辞泉
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奥日光 デジタル大辞泉
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川俣湖 デジタル大辞泉
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6
湯ノ湖 デジタル大辞泉
72% |||||

7
瀬戸合峡 デジタル大辞泉
72% |||||

8
皇海山 デジタル大辞泉
72% |||||

9
竜王峡 デジタル大辞泉
72% |||||

10
尾瀬 デジタル大辞泉
58% |||||

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