那須岳とは? わかりやすく解説

なす‐だけ【那須岳】


那須岳(栃木県・福島県)

1915m 北緯370729秒 東経1395746秒 (茶臼岳) (世界測地系

那須岳地図

概 要

 那須火山関東平野北端関谷断層沿って南北配列する主として安山岩(SiO2 5263%)からなる成層火山群。活火山としての那須岳はその1 峰で別名、茶臼岳
 那須火山群では北から南に活動中心が移動して甲子(かっし)旭岳火山は約50 万年前三本火山は約30 万年前、朝日岳火山南月山(みなみがっさん)火山は約1020万年前にそれぞれ活動した成層火山である(伴・高岡,1995;山元・伴,1997)。また、那須火山群では過去数回山体崩壊起きて、約20 万年以前黒磯岩屑なだれ、約1417万年前に那珂川岩屑なだれ、約3~4万年前に御富士山(おふじやま)岩屑なだれなどを発生させ、その堆積物東側山麓の広い範囲覆っている。
 那須火山群で最も新し茶臼岳火山は、約1.6 万年前から活動開始し溶岩火砕物大部分東山麓に、一部西側那珂川上流部堆積させている(山元,1997)。
 茶臼岳は東に開く大きな崩壊凹地中に生じた新し火山で、数溶岩流火砕流頂部火砕丘・その中の溶岩ドームからなる(山元・伴,1997;高橋,1999)。溶岩ドーム中央火口(直径100m)の内外には噴気孔が多いが、特に西斜面2つ爆裂火口内では活発な噴気活動続いている。有史後の噴火はすべて爆発型。泥流生じやすい。

  那須岳写真
2002年6月11日状況



最近1万年間の火山活動

 最近1万年間は茶臼岳活動続いており、約1.1万年6000年前までの5000年間に、それぞれに降下火砕物火砕流・厚い溶岩流噴出する3 回大きな活動があり、山体大部分形成された(鈴木,1992;山元・伴,1997;山元,1997)。
 約6000年前以降は、数100年1回程度水蒸気爆発発生していたが、約2600年前比較規模大きな活動があり、山頂火砕丘形成された。その後水蒸気爆発繰り返される活動戻ったが、1408年から1410年活動によって、降下火砕物火砕流噴出し、さらに茶臼岳溶岩ドーム形成された。この噴火犠牲者は180余名この後小規模な水蒸気爆発繰り返されている。
 近年に那須岳付近地域では群発性の地震活動発生があるが、火山活動との関係は認められていない



記録に残る火山活動


日本活火山総覧第3版)(気象庁2005)による。



火山観測

気象庁では,地震計空振計GPS遠望カメラ設置し,那須岳の火山活動監視観測行ってます。



火山活動解説資料

気象庁実施した火山観測データ解析結果や,火山活動診断結果掲載します毎月1回上旬公表します


那須岳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/05 03:59 UTC 版)

那須岳(なすだけ)は、広義には栃木県北部に位置する那須連山の総称[1](特に茶臼岳朝日岳三本槍岳三山の総称)[2]。狭義には那須連山の主峰の茶臼岳(標高1,915m)をいう[1]那須火山帯の南端に位置する。深田久弥日本百名山の一つ[1]。本項では那須五岳や那須連山について記す。


  1. ^ a b c d e f 管内の百名山「那須岳」”. 塩那森林管理署. 2020年12月18日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 那須ロープウェイ”. 休暇村協会. 2020年12月18日閲覧。
  3. ^ 那須岳 気象庁
  4. ^ 那須岳 有史以降の火山活動 気象庁
  5. ^ 火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山”. 気象庁. 2016年2月25日閲覧。


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