福江火山群(長崎県)
315m 北緯32度39分23秒 東経128度50分56秒 (鬼岳) (世界測地系)
概 要
福江島は、長崎県五島列島にあり、北西部の岐宿(きしゅく)火山、三井楽(みいらく)火山、南東部の 福江火山、富江火山から構成されている。福江島では、まず岐宿火山で94~68 万年前にアルカリ玄武 岩の活動がはじまり、その後、約30 万年前に三井楽火山、福江火山群でもアルカリ玄武岩が活動した(永 尾ほか,2002)。もっとも新しい噴火は、火の岳溶岩の流出である(寺井,1989)。なお、福江火山群の新 期の活動は約9 万年前からはじまった(永尾ほか,2002)。福江火山の新期の活動は以下のようなステー ジに区分されている。【Ⅰ】流動性の高いパホイホイ溶岩を噴出した、【Ⅱ】溶岩を大規模に流出し、比 高30m±の溶岩台地を形成した、【Ⅲ】小規模な溶岩流を多数噴出した、【Ⅳ】噴石丘の形成とともに溶 岩湖ができた、【Ⅴ】火口壁を越えて小規模な溶岩流が溢出した。なお、富江火山も新期の福江火山群 と同じ時期に活動した可能性がある(寺井,1989)。
最近1万年間の火山活動
1万年前以降の詳細な活動は不明であるが、縄文晩期の遺跡が降下スコリア層の下から出土したこと から、最新の活動は2000~3000 年前と考えられる(寺井,1989)。 最近、長岡・古山(2004)により、鬼岳の最新の噴出物である鬼岳降下スコリア層直下の土壌の年代測 定が行われ、約1 万8 千年前であることが明らかにされた。一方、これらを覆う黒土層中に降下スコリ アが挟在され、その噴出年代は約2300-2400 年前と報告した。給源火口については不詳であるが、福江 火山群の内部であろうと推定している(長岡・古山,2004)。
記録に残る火山活動
<「概要」、「最近1万年間の火山活動」、「記録に残る火山活動」については日本活火山総覧(第3版)(気象庁編,2005)及び最近の観測成果による。 >
福江火山群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/06 01:22 UTC 版)
福江火山群(ふくえかざんぐん)は、長崎県五島列島の福江島にある火山である。活火山に指定されている。
解説
同火山群は長崎県五島列島の福江島内の火山と付属の火山島から構成されており、多数の小型の火山を形成している。有史以降の記録に残る火山活動はない[1]。
約2,300-2,400年前に同火山群のどこかで噴火が起こったことが判明し、2003年1月に活火山とされた。
地史
- 約94 - 68万年前 - 北西部の岐宿火山でアルカリ玄武岩の活動が開始[1]。
- 約30万年前 - 他の火山でもアルカリ玄武岩の活動が開始[1]。
- 約9万年前 - 新期の活動が開始[1]。
- 約2,300-2,400年前 - 火山群のどこかで最新の噴火[1]。
主な構成火山
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鬼岳(左)・火ノ岳(右)・箕岳(右端)を南南東から望む
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左に鬼岳・火ノ岳
右に箕岳・臼岳 -
黒島
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赤島
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黄島
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北東から見る富江火山
中心に只狩山火砕丘 -
嵯峨ノ島
脚注
参考文献
- 長岡信治、古山勝彦「五島列島福江島, 鬼岳火山群の噴火史」『地学雑誌』第113巻第3号、2004年、349-382頁、doi:10.5026/jgeography.113.3_349。
関連項目
- 小値賀火山島群 - 五島列島の北端部の火山群
外部リンク
- 福江火山群 気象庁
- 日本活火山総覧(第4版)Web掲載版: 福江火山群 (PDF) 気象庁
- 日本の火山: 福江火山群 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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