黒島_(長崎県五島市)とは? わかりやすく解説

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黒島 (長崎県五島市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/05 07:17 UTC 版)

黒島
黒島の空中写真(国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成)(2014年5月10日撮影)
黒島
地理
場所 東シナ海五島灘
座標 北緯32度36分1秒 東経128度50分5秒 / 北緯32.60028度 東経128.83472度 / 32.60028; 128.83472座標: 北緯32度36分1秒 東経128度50分5秒 / 北緯32.60028度 東経128.83472度 / 32.60028; 128.83472
諸島 五島列島
面積 1.12 km2 (0.43 sq mi)[1][2]
海岸線 5.0 km (3.11 mi)[1][2]
最高標高 99 m (325 ft)[1]
行政
都道府県 長崎県
市町村 五島市
富江町黒島
人口統計
人口 0(2022年時点)[3]
追加情報
時間帯
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黒島(くろしま)は、長崎県五島市富江町に属する無人島である[3]2022年(令和4年)までは有人島であったが、同年に最後の島民が死去し無人島となった[3]。五島市域で有人島が無人島化するのは、1973年(昭和48年)に集団離島があった葛島以来、49年振りであった[注釈 1][3]

概要

五島列島福江島南端の富江港の東約7.2kmの海上に浮かぶ島[1]。島の周囲は対馬海流の影響を受けた好漁場であり、黒島近海でイセエビなどが水揚げされている[4]

1507年(永正4年)に発生した玉之浦納の反乱で、反乱を起こされた宇久氏第16代当主の宇久囲(五島囲)は、最終的にこの黒島で死去している[5]

1960年(昭和35年)には人口190人を抱える島であり[6]漁業で栄えていた[7]。その後の人口は漸減していき、1965年(昭和40年)に109名、1975年(昭和50年)に89名と記録されている[8]平成に入るとこの人口減が更に加速し、1995年(平成7年)には26名、2013年(平成25年)に3名となり、2014年(平成26年)に1世帯2名となった[9]

また、2017年(平成29年)時点で電気は通っていたが、上水道ガスは整備されておらず、水については雨水濾過して使用する生活であった[10]

人口が多かった時代に使用されていた家屋が集落に残されており、その棟数は約40程度ある[7]。それなりの人口を抱えていたこともあり、島内には1883年(明治16年)から小学校が設置されていたが、人口減のため1979年(昭和54年)には休校となり、1998年(平成10年)4月に閉校された[5]

島内には別雷命を祀る鴨神社があり[1]、富江神楽奉納が行われていたが1987年(昭和62年)を最後に行われなくなった[11]

2022年(令和4年)7月、唯一の島民が死去したため、無人島になった[3]

2019年(平成31年)に発表された、村田喜代子の小説『飛族』の舞台である架空の島「養生島」のモデルとされる[5]

五島列島

交通

定期船はなく、交通手段は福江島から海上タクシーを利用する[12]

かつては、1947年(昭和22年)から旧富江町の町営船が福江島・富江港と黒島港の間の定期航路として就航していた[12][13]。富江町が五島市に合併された後の2016年10月、市は航路維持のため週1日1便とし他は予約制の「デマンド運航」に変更している[12]

しかし、2015年(平成27年)の国勢調査時点で人口が2名となっていた黒島航路の収支改善のめどは立たず、国の補助航路としての認定が難しくなり、五島市単独の運航も困難となったことから市営定期航路は2021年9月30日をもって廃止された[12]。市営航路運営時は、約15分の行程であったという[1]

注釈

  1. ^ ただし、葛島の集団離島があった1973年(昭和48年)時点では、葛島は南松浦郡奈留町に属しており、同郡富江町に属する黒島とは別の自治体に所属する島であった。2004年(平成16年)8月に、富江町や奈留町を含む1市5町の合併により、同じ五島市の所属となった。

脚注

  1. ^ a b c d e f 公益財団法人日本離島センター 編『新版SHIMADAS』公益財団法人日本離島センター、2019年、1178頁。ISBN 978-4-931230-38-5 
  2. ^ a b 清水浩史『幻島図鑑』河出書房新社、2019年、54頁。ISBN 978-4-309-29035-5 
  3. ^ a b c d e 唯一の島民が亡くなり無人に 五島・黒島 元島民「墓は気になるが、もう行くことはない」”. 長崎新聞 (2022年12月29日). 2022年12月29日閲覧。
  4. ^ 公益財団法人日本離島センター 編『新版SHIMADAS』公益財団法人日本離島センター、2019年、1178-9頁。ISBN 978-4-931230-38-5 
  5. ^ a b c 公益財団法人日本離島センター 編『新版SHIMADAS』公益財団法人日本離島センター、2019年、1179頁。ISBN 978-4-931230-38-5 
  6. ^ 清水浩史『幻島図鑑』河出書房新社、2019年、231頁。ISBN 978-4-309-29035-5 
  7. ^ a b 清水浩史『幻島図鑑』河出書房新社、2019年、227-8頁。ISBN 978-4-309-29035-5 
  8. ^ 清水浩史『幻島図鑑』河出書房新社、2019年、231-2頁。ISBN 978-4-309-29035-5 
  9. ^ 清水浩史『幻島図鑑』河出書房新社、2019年、232頁。ISBN 978-4-309-29035-5 
  10. ^ 清水浩史『幻島図鑑』河出書房新社、2019年、230頁。ISBN 978-4-309-29035-5 
  11. ^ 五島神楽調査報告書 p.16-17(文化庁)
  12. ^ a b c d 五島・富江-黒島の定期航路が廃止 黒島唯一の島民、最後の便に乗船(長崎新聞 2021年10月1日)
  13. ^ 日本の島へ行こう - 黒島

関連項目

外部リンク


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