開聞岳とは? わかりやすく解説

かいもん‐だけ【開聞岳】

読み方:かいもんだけ

鹿児島県薩摩(さつま)半島南端付近にある円錐形火山標高924メートル薩摩富士

開聞岳の画像
開聞岳の画像
手前鏡池撮影・tsuda https://goo.gl/vwYUi8

かいもんだけ 【開聞岳】

鹿児島県薩摩半島南端にある火山標高二二メートル通称薩摩富士航行船舶目標とされ、北麓枚聞神社開聞神社とも)を祀り海の神とする。初出漁のとき山の沖合で、しゃもじしゃくし持ち船中をまわる儀礼がありサンコンメシといった。→ 枚聞神社

開聞岳(鹿児島県)

924m 北緯311048秒 東経130度31分42秒  (世界測地系

開聞岳地図

概 要

玄武岩(SiO2 5152% )の成層火山頂部安山岩(SiO2 5457% )の溶岩ドーム噴出遠望すると、両者連続して単純な成層火山のようにみえるため、薩摩富士とも称される活動は約4000 年前にはじまり、最後溶岩ドーム生成9 世紀



最近1万年間の火山活動

開聞岳は、約4000 年前に噴火始めた初期の活動は、浅海域での水蒸気マグマ噴火 であった。約2500 年前には溶岩流出し、現在とほぼ同じ規模山体完成していたもの推定されている。約2000 年前1500 年前活動では噴出量が多く成層火山体の形成大きく寄与したその後歴史に残る885 年噴火活動山頂火口内に、溶岩ドーム形成された(藤野小林,1997)。



記録に残る火山活動

860(貞観2)年 異常?

866(貞観8)年5 月 異常?

874(貞観16)年3 月29 日 大噴火爆発音降灰砂。

882(元慶6)年 異常?

884(元慶8)年 爆発音

885(仁和元)年8 月29 日 大噴火: 降砂石

1967(昭和42)年8 月5~ 8 日 地震群発

2000(平成12)年12 月12 日12 月下旬 噴気
山頂東側2 ケ所と西側2 ケ所の岩穴から 噴気上がる12 月13 日には、噴気は薄い白色無臭で、噴気の高さは最も高いと ころで3m噴気温度1412 月21 日には白色無臭噴気が2~ 3m 上がり、噴 気温度は12 、SO2 とH2S は検出されず、CO2 は0.03% 。


日本活火山総覧(第3版)(気象庁編、2005)および最近観測成果よる。



開聞岳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/10 00:19 UTC 版)

開聞岳
枕崎方面から望む開聞岳と東シナ海
標高 924[1] m
所在地 日本
鹿児島県指宿市
位置 北緯31度10分48秒 東経130度31分42秒 / 北緯31.18000度 東経130.52833度 / 31.18000; 130.52833 (開聞岳)座標: 北緯31度10分48秒 東経130度31分42秒 / 北緯31.18000度 東経130.52833度 / 31.18000; 130.52833 (開聞岳)[1]
山系 南薩火山群
種類 成層火山(活火山ランクC)
開聞岳
開聞岳 (九州)
開聞岳
開聞岳 (鹿児島県)
プロジェクト 山
テンプレートを表示
指宿火山群(南薩火山群)および開聞岳の地形図

開聞岳(かいもんだけ)は、鹿児島県薩摩半島の南端に位置する標高924 m火山1964年(昭和39年)3月16日に、霧島屋久国立公園に指定された[2]日本百名山[3]新日本百名山[4]および九州百名山に選定されている。玄武岩の成層火山の頂部に安山岩の溶岩ドームをもつ構造であるが、遠望すると両者は連続して成層火山のように見えるため「薩摩富士」とも称される[5]。所在地は鹿児島県指宿市

歴史

約4,400年前頃から活動を開始し、885年までの約3,000年間にVEI4の噴火が9回、0.1 DRE km3を超える噴火が10回発生しており、この期間の平均マグマ噴出率は約1.2 km3/千年となっている[6]。有史以降の噴火記録は6世紀ごろからあり、貞観16年3月4日(ユリウス暦874年3月25日)と仁和元年(885年)7月・8月に大噴火を起こした。この時、山頂に溶岩円頂丘が噴出し、現在の二段式の山容となった。山体は主に粘性の少ない玄武岩だが山頂付近の溶岩ドームは安山岩で出来ている[7]

開聞岳南麓の海底には幅7.8 km、長さ9.3 kmに及ぶ馬蹄形の海底崖と、海底地すべりに伴う多数の流れ山が存在している。この海底崖は開聞岳山体の南部地下にも見られ,現在の開聞岳ができる前に海底地すべりが発生したものと考えられる[8]

7世紀末頃の噴火による噴出物の堆積層は青コラ、9世紀末頃のそれは紫コラと呼ばれており、薩摩半島南部で広く見られる土層である。噴火の年代が分かっているので、発掘対象の遺跡遺物がこれらの土層の上下どちらから出てくるかで、この時代の生活の変化などを知る重要な手がかりとなっている。7世紀末の噴火では被害を受けつつも、古墳時代の様式を残した生活が続いていたが、9世紀末の噴火では大きな被害を受けて集落が放棄されるなど大きな生活の変化が起きていることが判明している。橋牟礼川遺跡は9世紀末の噴火によって放棄された代表的な集落である[9]

2000年平成12年)12月12日に山頂付近で白煙が確認されたため入山禁止となったが、翌日に解除された[5]。噴気は12月下旬まで続いた[5]

地理

大隅半島と薩摩半島によって錦江湾(鹿児島湾)が形成されているが、その薩摩半島の最南端にあるため、海上交通における大事な目印とされ、その名のかいもん海門に通ずるという。同様に航海上の目印とされた薩摩半島の秀峰、野間岳金峰山と合わせて薩摩三峰とも呼ぶ。

標高の変遷

かつては開聞岳の標高は、1895年明治28年)に山頂に設置された二等三角点の標高から922.23 mとされていた。しかし登山者などからの「そばの岩の上の方が標高が高い」という指摘により、2001年(平成13年)7月に国土地理院が調査を行って、公式の標高が924 mに修正された[10][1]

源流の河川

地形図で表記される河川はない[11]

ギャラリー

登山

らせん状の登山道が整備され、3時間程度で登山することができる。標高924 mと日本百名山の中では例外的に低い山であるが(基準は1,500 m以上とされた)、海抜0 m付近からの登山となるため、登山の際の標高差は900 m以上ある。独立峰であり、山頂部に近づくにつれて岩が露出するため、頂上からは北側に池田湖、南側に太平洋など360度の展望が得られる。

周辺のスポット

  • 開聞駅 - JR指宿枕崎線の駅。開聞岳に最も近い駅で、徒歩で登山に向かえるが、停車する列車本数はあまり多くないので、計画的な利用が必要。
  • 開聞山麓自然公園 - 山麓には、トカラウマが飼育され、熱帯、亜熱帯植物園となっている開聞山麓自然公園などの公園も存在する。また、山の周囲には遊歩道があり、山の周りを一周することも可能である。遊歩道の途中には、開聞トンネルがある。
  • かいもん山麓ふれあい公園 - 公園内にはキャンプ場がある[12]
  • 枚聞神社 - 山麓にある枚聞神社(ひらききじんじゃ)は薩摩国の一宮であり、開聞岳を神体としている。このため神社参道と社殿を結ぶ線の延長上に開聞岳があり、その山頂には奥宮御岳神社がある。
  • 池田湖 - 山頂から約5 km北東には、カルデラ湖の池田湖がある。
  • 望比公園 - 開聞岳の山麓西側の花瀬にはやはり太平洋戦争において、フィリピンで戦死した人々を慰霊する望比公園がある。太平洋戦争において、旧知覧町の陸軍飛行場(現:知覧特攻平和会館)から出撃した特別攻撃隊機は、まず開聞岳へと進路をとり、富士山にも似たその山容に故郷や家族への別れを告げつつ南方へと向かったという。

脚注

  1. ^ a b c 日本の主な山岳標高(鹿児島県の山) 国土地理院、2011年1月4日閲覧。
  2. ^ 霧島屋久国立公園環境省自然環境局
  3. ^ 深田久弥の著書『日本百名山』(朝日新聞社ISBN 4-02-260871-4
  4. ^ 岩崎元郎の著書『ぼくの新日本百名山』(朝日新聞社、ISBN 4-02-261526-5
  5. ^ a b c 92. 開聞岳”. 気象庁. 2024年11月22日閲覧。
  6. ^ 30)阿多・池田カルデラ” (PDF). 地質調査総合センター. 2015年12月2日閲覧。
  7. ^ 92.開聞岳” (PDF). 気象庁. 2015年12月2日閲覧。
  8. ^ 開聞岳沖の海底地すべりについて」(PDF)『火山噴火予知連絡会会報』第97巻、海上保安庁、2008年、2015年12月2日閲覧 
  9. ^ 原口 泉・永山 修一・日隈 正守・松尾 千歳・皆村 武一 『鹿児島県の歴史』 pp.68 - 69 山川出版社 1999年 ISBN 4-634-32460-1
  10. ^ 「開聞岳少しだけ高かった/新標高2メートル伸び924メートル=最高地点移動、登山者が指摘」南日本新聞2001年8月17日朝刊27面
  11. ^ 地図閲覧サービス 2万5千分1地形図名: 開聞岳(開聞岳) 国土地理院、2011年1月4日閲覧。
  12. ^ かいもん山麓ふれあい公園キャンプ場・ログハウス いぶすき観光ネット、2023年8月6日閲覧

関連項目

外部リンク




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