うす‐ざん【有珠山】
有珠山(北海道)
733m 北緯42度32分38秒 東経140度50分21秒 (大有珠) (世界測地系)
398m 北緯42度32分33秒 東経140度51分51秒 (昭和新山) (世界測地系)
669m 北緯42度32分39秒 東経140度49分51秒 (有珠新山) (世界測地系)
概 要
玄武岩ないし安山岩質の成層火山が7000~8000年前に山体崩壊を起した後、1663年まで休止期であった。 1663年以降、マグマの性質がデイサイト質に変化し、山頂部での火砕流噴火のほか、山麓でも昭和新山などの溶岩ドームの形成や水蒸気爆発が起こっている。 噴火の前兆として有感地震が多発する特徴がある。
最近1万年間の火山活動
有珠火山は、1.5万~2万年前に活動を開始し、溶岩流やスコリアを放出しながら小型の成層火山を形成、7000~8000年前に山体崩壊を起して、南側に岩屑なだれが流下した(善光寺岩屑なだれ)。 その後、長い休止期を経て1663年に活動が再開した。1663年の噴火は、大規模なプリニー式噴火で、東方に多量の火砕物が降下した。 その後、17世紀末頃(寛文噴火から数十年後)、1769、1822、1853、1977年の活動でプリニー式噴火が起こり、1769年、1822年および1853年の活動では火砕流も発生した。 1910、1943~45、2000年の噴火では、山麓でマグマ水蒸気爆発や水蒸気爆発が発生した。 また、それぞれの噴火活動末期には粘性の高いマグマが上昇し、溶岩ドームや潜在ドームを形成した(中川、1998 中川ほか、2002)。
記録に残る火山活動
<日本活火山総覧(第3版)(気象庁編、2005)による。>
火山観測
気象庁では,地震計5点、空振計2点、GPS5点、傾斜計1点、遠望カメラ2点を設置し、札幌管区気象台までテレメータして常時観測を行っている。
火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や,火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回,上旬に公表します。
有珠山
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/30 06:09 UTC 版)
有珠山(うすざん)は、北海道・洞爺湖の南に位置する標高737mの活火山。常時観測火山。山頂は有珠郡壮瞥町にあり、山体は虻田郡洞爺湖町、伊達市にまたがっている。支笏洞爺国立公園内にあり[2]、昭和新山とともに「日本の地質百選」に選定され[3]、周辺地域が洞爺湖有珠山ジオパークとして「日本ジオパーク」「世界ジオパーク」に認定されている。
注釈
出典
- ^ a b 有珠山 - 気象庁
- ^ “支笏洞爺国立公園”. 環境省. 2014年8月9日閲覧。
- ^ “日本の地質百選・地質情報”. 全国地質調査業協会連合会・地質情報整備活用機構. 2014年8月1日閲覧。
- ^ 山田秀三『北海道の地名』北海道新聞社、1984年。
- ^ a b c d e f “有珠火山防災計画 第4章 有珠火山”. 伊達市. 2023年7月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 虻田町『虻田町史 第五巻 洞爺湖温泉発達史』1983年。
- ^ 北海道における17世紀以降の火山噴火とその人文環境への影響
- ^ 火山研究解説集:有珠火山 歴史時代の噴火と噴出物
- ^ 更科源蔵『アイヌ伝説集』みやま書房、1983年。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 1977年火山遺構公園の案内看板の記載内容より。
- ^ 松田忠徳『火の山と生きものたち 有珠山噴火を見つめて』大日本図書、1981年。
- ^ “有珠山 有史以降の火山活動”. 気象庁. 2014年8月9日閲覧。
- ^ 朝日新聞 2000年4月4日朝刊
- ^ 北海道新聞 2000年7月17日朝刊
- ^ 北海道新聞 2000年5月25日朝刊
- ^ “災害を経験し、噴火に強い道づくり” (PDF). 北の交差点 Vol.21 SPRING-SUMMER 2007. 北海道道路管理技術センター. 2015年4月15日閲覧。
- ^ 『道央自動車道 虻田洞爺湖ICを移設します 〜国道230号新ルートに直結し洞爺湖へのアクセスが便利に〜』(プレスリリース)東日本高速道路北海道支社、2007年11月22日 。2014年8月15日閲覧。
- ^ “支笏洞爺国立公園 洞爺湖ビジターセンター”. 2014年8月1日閲覧。
- ^ “洞爺湖町立 火山科学館”. 2014年8月1日閲覧。
- ^ 有珠山西山火口散策路 国土交通省 p.8
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