経験則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/17 18:05 UTC 版)
経験則(けいけんそく、独: Erfahrungssatz[1]、英: Rule of thumb[2])とは、実際に経験された事柄から見いだされる法則のことである[3]。
概説
天気に関する経験則をことわざにしたものを天気俚諺(てんきりげん)と言う。
村上雅房(瀬戸内海の水軍の頭領)は康正2年(1456年)に出した『船行要術』において天気に関する経験則を30ほど挙げた。先人が見つけた天気に関する経験則(や自分が見つけた地点ごとの経験則)およびその時々の空や周囲の状況を用いて、将来の天気を予測することを観天望気と言う。
経験則は裁判官が証拠を用いて事実を認定するには不可欠の手段となっている[1]。
経験則というのは、状況が普段とあまりに変わると無効になってしまうことはある。
例
- 夕焼けならば翌日は晴れ - 日本
- 「郷に入れば郷に従え」[4][注 1]
- 手・指の巧みさをトレーニングすることは高齢者の神経筋機能の改善に有効[5]
- (人間は皆、自分にとって都合が悪いことは少なく伝えようとしてしまうので)上場企業では事件や事故が発生したら、まず30人から情報収集しなければならない[6] - 米国先進企業
- パワーリレーにおいては接点の径を小さくすると電気的耐久性が低下する[7]。
- 機関紙は集団的組織者 - レーニン主義における組織論
- ハインリッヒの法則
- ゴールの法則
- グロッシュの法則、ビル・ジョイの法則、ムーアの法則、ポラックの法則
- パレートの法則
- 三分の一の法則
- グラスマンの法則 (色彩)
- ホートンの法則
- 8秒ルール
- ハロー効果
- リピンスキーの法則
- 映画館でのポップコーン喫食は尿意を遅らすため映画鑑賞に有効
経験則の数値化やシステムへの取り込み
ベイズ統計は「柔軟」に対応する事前確率を使うことで、「あいまい」と言われることのある人間の経験則や感性を取り込み、現実で使える情報を導き出す[8]。
脚注
注
- ^ 一応は経験則ではあるが、こうした格言があることが結果として集団に特定の傾向、良くない性質を与えてしまっており、一種のイデオロギーになってしまっている、というような主旨の指摘も同時になされている(『現代日本のコミュニケーション研究』)
出典
- ^ a b ブリタニカ百科事典【経験則】
- ^ 日外アソシエーツ『機械工学英和和英辞典』【経験則】
- ^ デジタル大辞泉
- ^ 『現代日本のコミュニケーション研究』.
- ^ 藤原勝夫, 淺井仁『運動・認知機能改善へのアプローチ : 子どもと高齢者の健康・体力・脳科学』市村出版、2008年、61頁。ISBN 9784902109115。国立国会図書館書誌ID:000009352233。
- ^ 東京海上リスクコンサルティング, 東京海上日動リスクコンサルティング『最新リスクマネジメントがよ~くわかる本 : トップカンパニーが教える「危機管理学」入門』秀和システム〈How-nual図解入門〉、2004年、259頁。ISBN 4798007749。国立国会図書館書誌ID:000007365334 。
- ^ 髙見幸二, 土田誠「抵抗溶接CAEを用いた電気接点の熱解析(1)モデリングと加熱条件」『電子情報通信学会技術研究報告』第112巻第253号、電子情報通信学会、2012年10月、7-12頁、ISSN 09135685。
- ^ 涌井良幸『道具としてのベイズ統計』日本実業出版社、2009年。ISBN 9784534046475。国立国会図書館書誌ID:000010627713。
参考文献
- 『現代日本のコミュニケーション研究:日本コミュニケーション学の足跡と展開』三修社、2011年。ISBN 978-4-384-05659-4。国立国会図書館書誌ID:000011165300。
関連項目
関連文献
- 茂木葉子『Webデザイン・フォーラム 10人のプロが教える原則と経験則』 翔泳社、2011
- 伊豫部将三『設計の経験則101』日刊工業新聞社、1997
経験則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 03:33 UTC 版)
以下の経験則は、標準的な前提の下で天体力学で近似できる状況にとって有用である。議論されている特定の例は、惑星の周囲を公転する衛星であるが、この経験則は恒星の周囲の小天体のような他の状況にも適用することができる。 ニュートンの法則から数学的に導くことができるケプラーの法則は、非重力的な力がなく重力を及ぼし合っている2つの天体か、太陽のような巨大質量の天体による重力が他の力に卓越していると近似できる場合にのみ精確である。軌道は楕円形で、楕円の焦点の1つに重い天体がくる。この特別な場合が、惑星が中心に来る円形軌道(円は、離心率が0の楕円である)と惑星が焦点に来る放物線軌道(離心率がちょうど1で、無限に長い楕円とみなせる)である。 惑星から衛星に引いた直線は、軌道上の位置に関わらず、同じ時間に同じ面積を掃く。 衛星の軌道周期の2乗は、惑星からの平均距離の3乗に比例する。 推力がなければ、衛星の軌道の高さと形は変化せず、不動の恒星に対して同じ角度を保つ。 低軌道(または楕円軌道の近点付近)の衛星は、重力がより強く作用するため、惑星の表面に対して、高軌道(または楕円軌道の遠点付近)の衛星よりも速く運動する。 衛星の軌道上の一点で推力が働いた場合、その衛星は、軌道上の同じ点に戻ってくる。そのため、1つの円軌道から別の軌道に遷移させる場合には、少なくとも2度推力を働かせる必要がある。 円軌道において、衛星の速度を遅くする方向に推力を働かせると、その点から180度の地点に近点を持つ楕円軌道となる。衛星の速度を速くする方向に推力を働かせると、その点から180度の地点に遠点を持つ楕円軌道となる。 軌道力学の法則の結果は、時として直観と相容れないことがある。例えば、同じ円軌道上の2機の宇宙船がドッキングしようとする場合、その位置が非常に接近していない時に、後ろの宇宙船は速度を速めるために単純にエンジンを吹かすことはできない。そうすると軌道の形が変化し、ターゲットと出会うことができない。ドッキングするための1つの方法は、速度を下げるために逆向きにエンジンの噴射を行い、その後、低い円軌道に戻すために再度噴射を行う。低軌道は高軌道よりも速度が速いため、後ろの宇宙船は追いつくことが出来る。3度目の噴射で、先行する宇宙船の軌道と交わり、後ろから接近できるような楕円の軌道に移行する。 標準的な前提が適用できないようなレベルであれば、実際の軌道は計算したものからずれることになる。例えば、大気の抗力は、地球軌道にある物体について複雑化要因になり得る。これらの経験則は、連星系等の同程度の質量の2つかそれ以上の物体に適用する際には、不正確になる。惑星のような大きな物体にとっては、古典力学と一般相対性理論の差異も重要になる。
※この「経験則」の解説は、「軌道力学」の解説の一部です。
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