スコリア丘とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > スコリア丘の意味・解説 

スコリア‐きゅう〔‐キウ〕【スコリア丘】

読み方:すこりあきゅう

スコリア火口周り降り積もってできた火砕丘。主に玄武岩安山岩溶岩による噴火活動によって形成される阿蘇山米塚伊豆半島大室山が有名。


スコリア丘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/07 01:42 UTC 版)

米塚スコリア丘(阿蘇山の側火山)

スコリア丘(スコリアきゅう、英語: scoria cone[1])は、玄武岩質から安山岩質のマグマによる噴火活動により地表面にスコリア(岩滓。マグマが吹き上げられて飛散冷却してできる岩塊で、多孔質で黒っぽいもの)が放出され、火口の周りに積もって崖錐斜面をつくり、円錐台形の山を成したものを指す。小規模な火山の一種である。「噴石丘[2]」とも言う。

概要

スコリア丘の断面

スコリア丘を形成する火山活動は、主に玄武岩から安山岩によるもので、そのほとんどは一度の活動によってできた単成火山であり、規模は小さい。形成される場所は、複成火山の側火山や独立単成火山群の一部であることが多いが、まれに単独のものもある。また、複成火山の山頂火口内に一度の噴火で形成され、その後の噴火や陥没により、非常に短期間で消滅することもある(例えば、伊豆大島三原山の三原新山など)。

SPマウンテン英語版スコリア丘。麓から流れ出る溶岩流(アメリカ・アリゾナ州)
スコリア

スコリア丘の形成中に大量のマグマが地下から溶岩となって噴出すると、多孔質の噴石が積み重なって空洞部分が多いスコリア丘より溶岩の密度が大きいので、スコリア丘と基盤の間から染み出るように流出する。そうすると、溶岩流は上に乗っているスコリア丘を破壊しながら流下する。これによりスコリア丘は馬蹄形(U字型)の形状となる。溶岩流の上にはスコリアの残骸がのっていて、これをスコリアラフトという。

また、形成される期間によっても形が変わってくる。短期間で形成されたスコリア丘は、溶結して鏡餅のようになったり(数時間以内に形成されたものに限る)[3]、不規則な形をしていることが多い。長期間(数か月単位)かけて形成されたものは、活動を続ける間にスコリアが均等に飛散・堆積して不規則な形状をならしてしまうが、流動性のない岩塊が積み上がってできるため、非常に安定した斜角安息角)をしており、成層火山に見られるような裾を引かず、円錐台形になる(coneという名称はこれに由来する)。2013年より、小笠原諸島西之島で成長中のスコリア丘はその一例であり、噴火推移の経時変化により、山体の成長と崩壊を繰り返している様子が分かる[4]

ギャラリー

溶岩流の流出により,北側に馬蹄形状の崩壊地形を持つ。


脚注

  1. ^ 文部省編『学術用語集 地学編日本学術振興会、1984年、142頁。ISBN 4-8181-8401-2https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201606007192676297 
  2. ^ ふんせききゅう。英語でシンダーコーン(cinder cone)とも呼ばれる。
  3. ^ 出典:フィールド火山学 ストロンボリ式噴火とスコリア丘 - 群馬大学教育学部 早川由紀夫、2016年10月閲覧
  4. ^ 栁澤宏彰、飯野英樹、安藤忍、高木朗充、及川輝樹「西之島の2020年6~8月のバイオレント・ストロンボリ式噴火」『火山』第65巻第4号、2020年、119-124頁、doi:10.18940/kazan.65.4_119 

参考文献

関連項目

外部リンク


スコリア丘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 15:11 UTC 版)

火砕丘」の記事における「スコリア丘」の解説

玄武岩質のマグマからできたスコリア積もったもの。多くストロンボリ式噴火形成される

※この「スコリア丘」の解説は、「火砕丘」の解説の一部です。
「スコリア丘」を含む「火砕丘」の記事については、「火砕丘」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「スコリア丘」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「スコリア丘」の関連用語

1
噴石丘 デジタル大辞泉
100% |||||


3
阿武火山群 デジタル大辞泉
96% |||||


5
ワンツリー‐ヒル デジタル大辞泉
74% |||||

6
伊豆東部火山群 デジタル大辞泉
74% |||||


8
パリクティン山 デジタル大辞泉
58% |||||

9
ペンギン島 デジタル大辞泉
58% |||||


スコリア丘のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



スコリア丘のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのスコリア丘 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの火砕丘 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS