めあかん‐だけ【雌阿寒岳】
雌阿寒岳(北海道)
1499m 北緯43度23分12秒 東経144度00分32秒 (雌阿寒岳) (世界測地系)
概 要
長径(北東~南西)24㎞、短径13㎞の阿寒カルデラの南西壁上に生じた玄武岩からデイサイト(SiO2 50~70%)の成層火山群。 中央部の中マチネシリ火口と山頂のポンマチネシリ火口は噴気活動が盛んで、山腹・山麓にも噴気孔・温泉が多い。有史後の噴火は水蒸気爆発である。
最近1万年間の火山活動
約1.2万年前から2000~3000年の間隙をもって「中マチネシリ火砕流」を3時期にわたって噴出した。 このうち約12000年前の活動が最も大きく、火砕流は四方に流出し、プリニー式噴火による降下軽石スコリアや溶岩流も噴出した。 その後約9000年前には螺湾(らわん)川沿いに、更に5000~6000年前には茂足寄(もあしょろ)川沿いに火砕流が流下した。 3000~7000年前には、降下火砕物や溶岩によって、西山・北山・ポンマチネシリの各火山体が形成され、1000~2500年前には、阿寒富士火山体が形成された。 阿寒富士の活動以降約1000年間の活動は、初期を除いてすべて水蒸気爆発~マグマ水蒸気爆発による噴火である。
700年前にはポンマチネシリ旧火口が形成し、400年前には赤沼火口が開口、山麓に火山灰が堆積するとともに泥流も発生した。 1694~1856年の約160年の間に堆積した火山灰は1枚のみである。 1856年以降1955年噴火までの約100年間に、小規模な水蒸気爆発が少なくとも10回発生している。 これらの活動は、旧火口内の青沼火口等や中マチネシリ火口内の小爆裂火口などで行われたものと推測される(和田ほか、1997)。
記録に残る火山活動
<日本活火山総覧(第3版)(気象庁編、2005)、雌阿寒岳(北海道防災会議編、1976)およびその後の火山観測成果による。>
火山観測
気象庁では,地震計5点、空振計1点、GPS6点、遠望カメラ1点を設置し、札幌管区気象台までテレメータして常時観測を行っている(平成18年6月1日現在)。
火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や,火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回,上旬に公表します。
雌阿寒岳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/13 16:20 UTC 版)
雌阿寒岳(めあかんだけ)は、北海道東部にある阿寒カルデラの南西部にある8つの火山で構成される成層火山群の総称[3]。主峰はポンマチネシリ(標高1,499m)[4]。雄阿寒岳とともに「阿寒岳」として、深田久弥による日本百名山[5]に掲載されている。
- ^ 地図閲覧サービス 2万5千分1地形図名:オンネトー(北見)(国土地理院、2010年12月30日閲覧)
- ^ 日本の主な山岳標高:北海道(国土地理院、2010年12月30日閲覧)
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 雌阿寒岳火山防災計画(雌阿寒岳火山防災協議会) 釧路市(2020年)2021年1月16日閲覧
- ^ a b c d e 雌阿寒岳・阿寒富士 オンネトートレイルマップ 北海道地方環境事務所(2020年)2021年1月16日閲覧
- ^ a b 深田久弥『日本百名山』朝日新聞社、1982年。ISBN 4-02-260871-4。
- ^ “雌阿寒噴火の危険に備えて 専門家「地震情報周知を」「噴石対策必要」”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2014年10月14日)
- ^ 横山泉「大地震によって誘発された噴火」『北海道大学地球物理学研究報告』第25号、北海道大学理学部地球物理学教室、1971年3月、129-139頁、doi:10.14943/gbhu.25.129、ISSN 04393503、NAID 120000961066。
雌阿寒岳と同じ種類の言葉
活火山に関連する言葉 | 浅間山 焼山 焼岳 阿蘇山 雌阿寒岳 |
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