しこく‐さんち【四国山地】
四国山地
四国山地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/05 15:27 UTC 版)
四国中央部では最も広い幅である約30kmの三波川変成帯が分布し、御荷鉾・秩父変成帯を含めば幅約50kmに達する。 三波川結晶片岩の層序は以下のように区分される。 吉野川層群上部層群大生院層 中部層群三縄層 小歩危層 下部層群川口層 大歩危層 これらの内、三縄層が最も広く分布し、中心部は石英片岩を伴う緑色片岩層からなる。それゆえ愛媛県の変成岩の分布域の割合は高く、この緑色片岩は「伊予の青石」として珍重される。三縄層の上部には角閃岩体が分布し、東赤石山北山麓の五良津山から二ッ岳に至る五良津岩体がある。 この五良津岩体では柘榴石角閃岩やエクロジャイトなど高圧下で生成した変成岩が見られる。東赤石山にはマントル物質と見られる超塩基性岩である橄欖岩体も分布しクロム鉄鉱が含まれ、橄欖岩が変質した蛇紋岩も分布する。また、キースラガーと呼ばれる含銅硫化鉄鉱の鉱床は三縄層に集中して見出され、別子銅山もその一つである。 四国山地の内、石鎚山脈は主に三波川結晶片岩を基盤岩とするが、第三紀の堆積岩に広く覆われ、石鎚山から面河渓を中心とする直径約7kmの領域は第三紀に噴出した溶岩である安山岩に覆われる。四国山地に挟まれた、吉野川が刻む渓谷である大歩危、小歩危には結晶片岩が露出し、褶曲による背斜構造が見られる。四国では大規模な横臥褶曲構造が見られ、このうち主なものは肱川河口付近の長浜横臥褶曲で南側の御荷鉾帯や秩父帯の上に衝上し「長浜ナップ」と呼ばれ、もう一つは四国中央部の辻-猿田横臥褶曲で長浜ナップの上に重なり「辻-猿田ナップ」と呼ばれる。 一方で、大歩危地域に分布する三波川結晶片岩類のうち、三縄層中のジルコンの多くが1900-1800Maの年代を示すのに対し、小歩危層は92±4Ma、川口層は82±11Maと若く四万十帯北帯付加形成の年代に近い。このため、小歩危層および川口層を「四万十帯北帯」あるいは「四万十変成帯」と分類する方が適当であるとする説もある 。
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