四国山地とは? わかりやすく解説

しこく‐さんち【四国山地】

読み方:しこくさんち

四国中央部東西走す山地石鎚(いしづち)山脈・剣(つるぎ)山地などからなり山容急峻(きゅうしゅん)で、多雨太平洋側少雨瀬戸内海側とに分ける。


四国山地

分野
地方気象情報などに用い地名全般用との共用部分は除く)に関する用語
意味:
シコクサンチ

四国山地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/24 02:51 UTC 版)

四国山地
笹ヶ峰から見た四国山地西部(2010年11月撮影)
所在地 日本 徳島県愛媛県高知県
位置
最高峰 石鎚山(1,982 m
プロジェクト 山
テンプレートを表示
次郎笈から望む四国山地東部の山々

四国山地(しこくさんち)は、四国の中央部を東西に貫く山地中央構造線の南に千数百メートル級の急峻な山々が連なっている。

範囲は、中央構造線より南側の四国全域に亘る[1]西南日本内帯に属する讃岐山脈高縄山地は通常、四国山地に含めない。

概要

拡大

Clip
四国山地周辺の地形図

西日本、そして愛媛県の最高峰である石鎚山(1982m)や、徳島県の最高峰である剣山(1955m)など2000m近くの山々を多く有している[2]。山地を境として、南部は高温多雨の太平洋側気候で毎年台風等による水害が多発しており、北部は少雨の瀬戸内型気候で南部とは逆に水不足に悩まされている地域が多い[3]が、愛媛県の新居浜市西条市など特に高い山々を背にする都市では、その高さ故に保水力が高く地下水に恵まれている。

南国にありながら、四国山地の冬は本州中国山地吉備高原を超えたり関門海峡を抜けたりした寒気が瀬戸内海の水蒸気を凍らせて四国山地にぶつかるために雪が多く、スキー場も多い。山中あるいは山際の道路は凍結しやすく、自動車は度々チェーンの着用が必要となる。

地質的には西南日本外帯に属し、北側から三波川変成帯秩父帯四万十帯が東北東 - 西南西方向に分布する。吉野川中流の大歩危からその支流の穴内川、すなわち土讃線および国道32号沿いにより東部と西部に分けられ、西部のうち石鎚山脈、および東部のうち剣山地西日本屈指の高峰が集中する。石鎚山脈北側は中央構造線を境として道前平野新居浜平野へ落ち込み、東西約50kmに亘る石鎚断層崖が続く[4]

標高およそ1,700m以上は主にシコクシラベダケカンバからなる亜高山帯針葉樹林[5][6]、その下部の800mから1,700m付近はブナなどの落葉広葉樹林に覆われるが、スギヒノキなどの人工林も多く見られる。石鎚山および二ッ岳などは険しい岩峰であるが、瓶ヶ森笹ヶ峰三嶺および剣山などは山頂部がササに覆われ、隆起準平原の様相を呈する。

古代より山岳修行が盛んであり、石鎚山や剣山などはその代表格である。さらには弘法大師ゆかりの四国八十八箇所遍路により、山地各所に多くの寺社が存在する。

主な山

西部の主な山

東部の主な山

その他

ギャラリー

脚注

  1. ^ 『コンサイス地名事典』 三省堂、1998年
  2. ^ 四国山地(シコクサンチ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. DIGITALIO. 2025年1月18日閲覧。 “石鎚山 (1981m) -剣山 (1955m) が四国山地の主部で,石鎚山が最高峰。 2000m近くの山々が連なり,(後略)”
  3. ^ 美しい四国づくりに向けて。 美しさの再発見。広げよう地域の魅力。”. 国土交通省四国地方整備局. p. 2-2. 2025年1月18日閲覧。 “2) 気候の違い ○ 四国山地を境に南と北では大きく気候が異なる。 ○ 瀬戸内海に接した北側は、瀬戸内式気候で年間降雨量は1,500mm以下である。 大きな河川がなく、過去には大渇水に見舞われている。 ○ 太平洋側は、太平洋側気候で年間降雨量は2,500mm以上である。集中豪雨も多く、過去には甚大な洪水被害が発生している。”
  4. ^ 角川日本地名大辞典』 角川書店、1981年
  5. ^ 志知幸治. “四国のもりのうつろいと人の関わり”. 2025年1月24日閲覧。 “石鎚山や剣山周辺の標高1700m以上にはシラベ、コメツガなどの針葉樹とダケカンバなどが生育する亜高山性の植生が分布する。”
  6. ^ 2.鎗戸シコクシラベ林木遺伝資源保存林”. 2025年1月24日閲覧。 “シコクシラベは、シラビソの変種とされ、四国の亜寒帯性の植生を代表し、剣山や石鎚山、笹ヶ峰周辺等の海抜1,700m以上に、ダケカンバとともに局地的にあらわれます。”

関連項目


四国山地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/05 15:27 UTC 版)

三波川変成帯」の記事における「四国山地」の解説

四国中央部では最も広い幅である約30km三波川変成帯分布し、御荷鉾・秩父変成帯含めば幅約50km達する。 三波川結晶片岩層序は以下のように区分される吉野川層群上部層群大生院中部層群三縄小歩危下部層群川口大歩危層 これらの内、三縄層が最も広く分布し中心部石英片岩を伴う緑色片岩からなるそれゆえ愛媛県変成岩分布域割合高く、この緑色片岩は「伊予青石」として珍重される三縄の上部には角閃岩体が分布し東赤石山北山麓の五良津山から二ッ岳に至る五良津岩体がある。 この五良津岩体では柘榴石角閃岩エクロジャイトなど高圧下で生成した変成岩見られる東赤石山にはマントル物質と見られる超塩基性岩である橄欖岩体も分布しクロム鉄鉱含まれ橄欖岩変質した蛇紋岩分布するまた、キースラガーと呼ばれる硫化鉄鉱鉱床三縄層に集中して見出され別子銅山もその一つである。 四国山地の内、石鎚山脈は主に三波川結晶片岩基盤岩とするが、第三紀堆積岩広く覆われ石鎚山から面河渓中心とする直径約7kmの領域第三紀噴出した溶岩である安山岩覆われる。四国山地に挟まれた、吉野川が刻む渓谷である大歩危小歩危には結晶片岩露出し褶曲による背斜構造見られる四国では大規模な横臥褶曲構造見られこのうち主なもの肱川河口付近長浜横臥褶曲南側の御荷鉾帯や秩父帯の上に衝上し長浜ナップ」と呼ばれもう一つ四国中央部の辻-猿田横臥褶曲長浜ナップの上重なり「辻-猿田ナップ」と呼ばれる一方で大歩危地域分布する三波川結晶片岩類のうち、三縄層中のジルコン多くが1900-1800Maの年代を示すのに対し小歩危層は92±4Ma、川口層は82±11Maと若く四万十帯北帯付加形成年代に近い。このため小歩危層および川口層を「四万十帯北帯」あるいは「四万十変成帯」と分類する方が適当であるとする説もある 。

※この「四国山地」の解説は、「三波川変成帯」の解説の一部です。
「四国山地」を含む「三波川変成帯」の記事については、「三波川変成帯」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「四国山地」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



四国山地と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「四国山地」の関連用語

1
大歩危小歩危 デジタル大辞泉
70% |||||


3
四万十川 デジタル大辞泉
36% |||||

4
瀬戸内式気候 デジタル大辞泉
36% |||||

5
石鎚山 デジタル大辞泉
36% |||||


7
三嶺 デジタル大辞泉
32% |||||

8
剣山地 デジタル大辞泉
32% |||||

9
白髪山 デジタル大辞泉
32% |||||

10
石鎚山脈 デジタル大辞泉
32% |||||

四国山地のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



四国山地のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
気象庁気象庁
©2025 Japan Meteorological Agency. All rights reserved.
なお、「気象庁 予報用語」には、気象庁の「気象庁が天気予報等で用いる予報用語」に掲載されている2009年11月現在の情報から引用しております。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの四国山地 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの三波川変成帯 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS