メゾチントとは? わかりやすく解説

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メゾチント【(イタリア)mezzotinto】

読み方:めぞちんと

銅版全面細かく交差する線をあらかじめ刻み込み、その線をつぶしたり、削ったりして明暗をつける、銅版画技法筋彫り銅版


メゾチント

金属凹版一種ロッカーという、先端のような無数の歯のついた平たい道具で、金属板の表面に細かいマクレを作るこのまま刷れ全体黒く刷り上がるがこのマクレを削り磨きだしていく。磨く度合い加減することで様々な諧調ができ、それを利用して像を描きだす。

メゾチント

読み】:メゾチント
【英】:MEZZOTINT

版画技法銅版画は、凹版製版する技法によって直刻法と酸腐蝕法に大別できるが、これは前者内の一つ。まず版面ニードル等の針状または刀状のもので、縦・横対角線各方向に線あるいは点刻線を平行して密接に刻む。ここで版面は、一面ドライポイントのまくれを併う線で覆われる。それを、先のとがったこて状のスクレーパー削り取りへら状のバニッシャーでつぶし、磨くことによって図像を表わしていく。凹部インキをつめ、プレス機で紙に刷り上げると、最も磨かれ部分白く、まくれを完全に残した部分黒くその間磨き加減によって無限の明暗階調表われる。これがこの技法特徴であり、メゾは「半ば」、チントは「色調」の意である。17世紀中頃オランダジーゲンによって発明されイギリスフランスで豊かな階調表現できることから主に絵画複製技法として流行した20世紀に入ると、ブラン長谷川潔などが創造的なメゾチント版画制作行なった

メゾチント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 14:34 UTC 版)

メゾチントとは版画凹版技法のひとつ。


  1. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「メゾチント」の解説『メゾチント』 - コトバンク
  2. ^ 女優丹阿弥谷津子の妹


「メゾチント」の続きの解説一覧

メゾチント(直接法)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 01:19 UTC 版)

版画」の記事における「メゾチント(直接法)」の解説

「メゾチント」も参照 エングレービングとドライポイントが線の表現のための技法であるのに対して、メゾチントは面の表現力深める技法である。「中間の色合い」を出せるというのが、その名の由来である。ヨーロッパでまだ写真技術のない頃、肖像版画細密版画用いれられ人気があったが、写真発達とともに省みられなくなり、「忘れられ技法といわれることもある。浜口陽三がこの技法復興したことで知られる。 その製版工程は、これまでの技法と逆である。エングレービングとドライポイントでは、平面の版に溝を刻むことで図柄作ってゆくが、メゾチントでは、まず版全体にひじょうに細かな点や線を無数に刻んで、ざらつかせ (これを「目立て」という)、その後にこの「目」削って平面つくってゆく。インクが残るのは当然、削られなかった部分である。 目立てだけを施した段階印刷にかけると、全面真っ黒の版画ができる。ただし、真っとはいえ、それは細かな点や線の集積なので、均一なではなく微妙な陰影が出る。目立て粗密調整すれば面のニュアンス変わってくるし、また目をならす段階でも、どの程度もとの目を残すかで刷り色の濃淡調整できるエングレービングドライポイント作品部分的にこの技法用いればスムーズな階調の影をつけることもできるきわめて労力がかかるので (大作だと目立てだけで数ヶ月かかる)、普及限界のある技法ではあるが、日本には浜口陽三長谷川潔など、メゾチントを得意とする作家が多い。

※この「メゾチント(直接法)」の解説は、「版画」の解説の一部です。
「メゾチント(直接法)」を含む「版画」の記事については、「版画」の概要を参照ください。

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