オフセット‐いんさつ【オフセット印刷】
読み方:おふせっといんさつ
⇒オフセット2
オフセット印刷
オフセット印刷
オフセット印刷
オフセット印刷は、カラー印刷において生産性も高く、もっともポピュラーな印刷方式である。
版の素材としては凹凸のないアルミの金属平版が多く使われる。版の画線部を親油性、非画線部を親水性にしておき、版を水で湿らせてからインクを付けると親油性の画線部だけにインクが付く。このインクをプランケットと呼ばれるゴム布に転写した後、紙や金属板などに押し当てて印刷する間接的な印刷方法である。
凸版印刷はインクの量も多く、力強い印刷が可能であるが、インクの乾燥性が悪く現在では単色刷がほとんどで、書籍や案内状などに使用される。凹版印刷もインクの量が多く、鮮明で濃度の高い印刷が可能であるが、機械が大型で製版コストも嵩むため、カラー印刷では写真集のように原稿の再現性を求める場合に使われる。孔版印刷はインクの付着量が最も多いが、版の耐久性は劣り、大量印刷には向かない。
オフセット印刷は、版が紙に直接触れないため、版の持ちが良く経済性が高く、また、紙表面が平滑な場合や、逆に粗い場合にも良く印刷できるため、新聞、雑誌、カタログやポスター、カレンダー、紙容器などの印刷も行われる。また、製版が比較的簡単なうえ、版の複製も高精度なものを簡単につくることができるので、グラビア印刷などに比べてコスト面で非常に有利で、大量印刷に適している。また、印刷機にかかる紙の大きさに合わせて面付けして、一度に数ページの版を印刷することも可能である。
カラー印刷は通常CYMK(シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック)の4色をそれぞれの版で重ね刷りして作られるが、オフセット印刷機は、色ごとに印刷ユニットがあり、4色印刷の場合、4つの印刷ユニットが必要になるが、4色の印刷ユニットがない場合は、2色を印刷したあと別の2色を印刷するという風に、インクを交換して二回印刷することで対応できる。
大量に刷る場合は輪転機により原紙ロールを用いた連続オフセット印刷により、高速印刷されるが、折り加工までを一貫して行うことも多い。これに対してカットされた原紙を用いて印刷する機械は枚葉機と呼ばれる。
適している分野・使用事例
オフセット印刷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/14 15:59 UTC 版)
オフセット印刷(オフセットいんさつ)は、印刷技術のひとつである。実際に印刷イメージが作られている刷版と紙が直接触れないのが特徴である。版に付けられたインキを、一度ゴムブランケットなどの中間転写体に転写した後、紙などの被印刷体に印刷するため、オフセット印刷と呼ばれる。
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オフセット印刷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 02:31 UTC 版)
「酸化チタン(IV)」の記事における「オフセット印刷」の解説
光を照射すると導電化する性質を利用し、オフセット印刷の感光体として用いられている。感光波長が紫外域のため、明室処理が可能である。酸化亜鉛を利用した従来のものよりも耐久性が高く、解像度も高い。
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オフセット印刷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 14:37 UTC 版)
1903年に米国のアイラ・ワシントン・ルーベルが発明したオフセット印刷では、1911年に米国のハリス自動印刷機会社(Harris Automatic Press Company)を経営するチャールズ・ハリスとアルバート・ハリス兄弟が、活版用輪転印刷機をもとに初の輪転オフセット印刷機「ロータリー・レター印刷機」を発明した。1954年には米国の新聞経営者、スターレー・T・マクブレイヤーによって「ヴァンガード新聞印刷用巻取紙式オフセット輪転機」が開発され、以後、オフセット輪転印刷機が輪転機の主流となった。
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