Webフォントとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > コンピュータ > IT用語辞典 > Webフォントの意味・解説 

Webフォント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/12 07:37 UTC 版)

WebフォントWWWのコンテンツ側がフォントデータを持ち、コンテンツ側から提供されるフォントデータに従って、Webブラウザなどの可視化(レンダリング)をともなうクライアントが文字表示(カーニング)を行うシステムおよびそのフォントである。CSS3.0 fonts moduleで、この機能の標準が提供された。

概要

元来、webブラウザは端末にインストールされているフォントを呼び出し文字を表示するが、端末にそのフォントが無ければ、Webデザイナーが意図しない表示がなされてしまうため、フォントに関するWebデザインに制約が生じていた。フォントを画像にして表示するという手はあるものの、文章修正のメンテナンス、文章の検索といった点で問題があった。

そこでWebサーバー上にフォントファイルを置き、Webデザイナーの意図するフォントを表示できるようにした技術がWebフォントである。またはWebサーバー上に置かれるフォント自体をWebフォントと指し、フォントをWebで利用するよう提供するサービスをWebフォントサービスとして区別する。

漢字は膨大な数であり、Webフォントのダウンロード量など、ラテン文字と比較して課題があったが、2010年、2011年頃から日本語に対応したWebフォントサービスが開設された[1][2][3]。また、Google Fontsも2014年頃から日本語フォントが追加されている[4]

Webフォント

歴史

ファイルフォーマット

TrueDoc

Embedded OpenType

Scalable Vector Graphics

TrueType/OpenType

Web Open Font Format

Web Open Font Format をサポートするブラウザは、Mozilla Firefox 3.6+、[5] Google Chrome 5+、[6][7] Opera Presto,[8]Internet Explorer 9 (2011年5月14日)[9]Mac OS X LionSafari 5.1。

Webフォント対応ブラウザ

  • IE (eotのみ)
  • Firefox
  • Chrome
  • Android標準ブラウザ
  • Opera
  • Safari

サブセット化とダイナミック・サブセッティング

サブセット化

ページの読み込みを高速化するためには、フォントのファイルサイズを小さくする必要があるため、必要な字だけを含むフォントのサブセット(フォントを一部の文字数にしたもの)を作ることがある。これをサブセット化という。

ダイナミック・サブセッティング

日本語や中国語のような言語では、文字が多いため元のフォントに収録される文字全てを合わせると、数メガバイトの容量に至ってしまう。このため、サブセット作成を動的に行う技術が用いられ、ダイナミック・サブセッティングとよばれる。Webサイトで実行されるJavaScriptで、ページ内で使用される全ての文字を検出し、必要となる文字をサブセットとしてサーバーから呼び出す仕組みである。

Adobe TypekitやTypeSquareではこの技術が採用されている[10]

問題点

ブラウザー側で「ウェブサイトで指定したフォントを使用しない」設定を有効にしたり、ユーザースタイルシートを使用している場合、Webフォントが表示されなくなる場合がある。特にこの問題は、アイコンフォントのような、閲覧環境に代替するフォントが存在しない場合に顕著である。

Webフォント提供サービス

  • Google Fonts
  • Adobe Fonts
  • Adobe Edge Web Fonts
  • TypeSquare - モリサワとタイプバンクの和文Webフォントが有料で提供されている。MORISAWA PASSPORTにも利用権が付属している。
  • FONTPLUS - フォントワークスイワタモトヤ、白舟書体、モリサワの和文Webフォントが有料で提供されている。
  • DynaFont Online - ダイナコムウェアが提供する有料和文Webフォントサービス。和文以外に中国語簡体字・繁体字も提供されている。2019年4月以降は同社の「DynaSmart」シリーズに利用権が付随する形となっている。
  • REALTYPE - 自作のフォントを登録してWebフォントとして販売、利用できるWebフォントプラットフォーム。
  • FontStream - タイプラボ、欣喜堂などの和文Webフォントが有料で提供されている。
  • ウェブフォントファン - 和文Webフォント、Wordpress用フォントプラグインが有料で提供されている。
  • もじでぱ
  • WebLiFEサーバー
  • Fontdeck
  • Fonts.com
  • Fontspring
  • Font Squirrel

関連項目

脚注

  1. ^ 国内初の日本語対応ウェブフォントサービス「デコもじ」を開始ウェブフォント関連事業に本格参入”. Ascii.jp (2010年5月10日). 2013年4月10日閲覧。
  2. ^ ソフトバンク・テクノロジー社の「フォントプラス」がフォントワークス書体に対応”. フォントワークス (2011年7月27日). 2013年2月11日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ クラウドフォントサービス「TypeSquare(仮称)」を発表”. モリサワ (2011年8月10日). 2013年2月11日閲覧。
  4. ^ 安田英久 (2015年3月10日). “Web担当者Forum 編集長ブログ グーグルが日本語Webフォントを提供してた。これはWebフォントの大転換になるかも?”. 2017年4月24日閲覧。
  5. ^ Shapiro, Melissa (2009-10-20), Mozilla Supports Web Open Font Format, Mozilla, http://blog.mozilla.com/blog/2009/10/20/mozilla-supports-web-open-font-format/ 2010年2月5日閲覧。 
  6. ^ Gilbertson, Scott (2010-04-26), Google Chrome to Support the Web Open Font Format, webmonkey, http://www.webmonkey.com/2010/04/google-chrome-to-support-the-web-open-font-format 
  7. ^ Bug 38217 - [chromium] Add WOFF support, WebKit, https://bugs.webkit.org/show_bug.cgi?id=38217 
  8. ^ Web specifications support in Opera Presto 2.7, Opera, http://www.opera.com/docs/specs/presto27/ 
  9. ^ Galineau, Sylvain (2010-04-23), Meet WOFF, The Standard Web Font Format, Microsoft, http://blogs.msdn.com/ie/archive/2010/04/23/meet-woff-the-standard-web-font-format.aspx 
  10. ^ Kaplan, Gregor (2015年6月16日). “日本のお客様へ。日本および東アジアのWebフォントへの対応と新しいフォント選択ツールに関するお知らせ。”. The Typekit Blog. 2024年2月5日閲覧。

外部リンク


Webフォント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 02:51 UTC 版)

フォント」の記事における「Webフォント」の解説

Webフォントは閲覧環境存在しない書体表示するために、Webサイト同時に読み込まれフォントである。Webフォントは幅広いブラウザ表示することができるため、デバイス間の文字表示差異吸収する役割もたらす画像による文字表示よりもセマンティックコンテンツ表現することができる。

※この「Webフォント」の解説は、「フォント」の解説の一部です。
「Webフォント」を含む「フォント」の記事については、「フォント」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「Webフォント」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Webフォント」の関連用語

Webフォントのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Webフォントのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
IT用語辞典バイナリIT用語辞典バイナリ
Copyright © 2005-2025 Weblio 辞書 IT用語辞典バイナリさくいん。 この記事は、IT用語辞典バイナリの【Webフォント】の記事を利用しております。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのWebフォント (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのフォント (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS