緊那羅とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 宗教・信仰 > > 仏教 > > 緊那羅の意味・解説 

きんなら【緊那羅】

読み方:きんなら

《(梵)Kinara音写》人に似て人でない歌神インド神話の神で、仏教では八部衆の一。帝釈天(たいしゃくてん)に仕える。馬首人身人首身などがあり、楽器奏する姿や歌舞する姿に表される


緊那羅

作者荒俣宏

収載図書短編小説集
出版社集英社
刊行年月1994.11
シリーズ名集英社文庫


緊那羅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/06 10:09 UTC 版)

タイワット・プラケーオの緊那羅(キンナリー)像

緊那羅(きんなら)は、インド神話に登場する音楽の神々(または精霊)である。仏教では護法善神の一尊で、天竜八部衆の一つである。漢訳人非人疑神歌神楽神で、緊捺羅甄陀羅(けんだら)、真陀羅(しんだら)とも音写される[1]

サンスクリット語ではキンナラKiṃnara)だが、タイ語インドネシア語英語などではキンナラ(Kinnara)で、日本でもカナで表す場合は主にキンナラである。

漢字ではあまり区別しないが、女性の緊那羅は、サンスクリット語でキンナリーKiṃnarī)、タイ語・インドネシア語・英語などでキンナリー[2]キンナリ (Kinnari、英語では Kinnaree とも)と呼ぶ。

現代のインドにおけるヒジュラーおよびその共同体では、彼らの生業である歌と踊りに秀でていることから、キンナラ(Kinnar または Kinner)と他称されることを好むとされる[3][4]

伝承

緊那羅は音楽の神で、特に歌が美しいといわれる。ヤシャ(夜叉)と共にブラフマー爪先から生まれ、カイラス山にあるクベーラの天界で、楽師として音楽を奏でているという[2]

キンナラ(男性の緊那羅)は、半人半馬であり、馬頭人身とも、人頭馬身ともいわれる[2]

キンナリーは美しい天女であり、ときおり地上に舞い降り、水浴びなどして遊んでいるという[2]タイなど東南アジアでは、キンナリーは半人半鳥で、下半身がに似ている。

日本における緊那羅

説法する緊那羅(背後には観音菩薩)。幕末の本の挿絵

神にも人にも畜生にも鳥にも当たらない、半身半獣の生物とされるため人非人ともいう。漢訳で人非人、疑神とされるのは、サンスクリット語でnara(人間)に由来するという説もある。

仏教においては、乾闥婆と同様に帝釈天の眷属とされ、八部衆の一人に数えられる。また、密教では、胎蔵界曼荼羅の外金剛部院北方に配せられている。

また『大樹緊那羅所問経』1に、香山(こうせん)の大樹緊那羅が釈迦仏の前で8万4千の音楽を演奏し、摩訶迦葉がその妙なる調べに本来の気性や威儀を忘れて立ち上がって踊った、という故事は有名である。

中国の仏教

 緊那羅は少林寺でコンフー信仰として祀られる主神であり、少林寺には緊那羅王を供える場所がある。『河南府志』によると、元代、少林寺には、とある炊事場の雑務を務める行者があり、彼は髪の毛剃らず、裸背、裸足で手にいつも焚付用の棒を持っていた。紅巾軍が少林寺を討った時、彼は突然数十丈に伸び、自分を「緊那羅王」と名乗った。紅巾軍は、これを見て慌てて逃げ出した。その後、この行者も成仏した。少林寺の僧侶達はこれでようやくこの行者は緊那羅王の化身と分かり、彼の塑像を作り、緊那羅殿を増築した。彼は寺の護法伽藍菩薩となっている。

行者:中国の漢伝仏教の修行者、髪の毛剃らないくても大丈夫。一般人は僧侶になりたいなら、先ず「行者」となり、寺で労役を務める。認められるから僧侶になれる。[5]

脚注

  1. ^ 錦織亮介『天部の仏像事典』東京美術、1983年、47頁。
  2. ^ a b c d 草野巧『幻想動物事典』283頁
  3. ^ Patel, Geeta (2017-08-17). Risky Bodies & Techno-Intimacy: Reflections on Sexuality, Media, Science, Finance. University of Washington Press. pp. 75-79 
  4. ^ Hijra (Hinjda, Aravani, Khusra)- Meaning, People, Religion, Samaj, Caste & History” (英語). WebConte. 2021年11月1日閲覧。
  5. ^ 紧那罗王诞辰日 少林寺举行上供祈福法会 http://www.zzldcn.cn/Panoramic/Pages/150212/173919576.html

参考文献

関連項目


緊那羅(Kimnara、きんなら)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 19:54 UTC 版)

八部衆」の記事における「緊那羅(Kimnara、きんなら)」の解説

音楽神であり、また半身半獣人非人ともいう。人にも畜生にもにも該当しない仏教では乾闥婆同様に帝釈天眷属とされ、美しい声で歌うという。

※この「緊那羅(Kimnara、きんなら)」の解説は、「八部衆」の解説の一部です。
「緊那羅(Kimnara、きんなら)」を含む「八部衆」の記事については、「八部衆」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「緊那羅」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「緊那羅」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「緊那羅」の関連用語

緊那羅のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



緊那羅のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの緊那羅 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの八部衆 (改訂履歴)、斎女伝説クラダルマ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS