天部のルーツと語義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 03:20 UTC 版)
サンスクリット語のデーヴァ (deva) は「神」に相当する語であり、インド神話の天空神ディヤウスや、印欧祖語を介してラテン語・キリスト教のデウスやギリシャ神話のゼウスとは同根語である。中国において「天」と訳され、日本語においてもそれが踏襲されている。天部が住む世界も天(devaloka)と訳されるため、漢字文化圏ではしばしば混同される。「天部」の「部」は「部門」「グループ」というほどの意味であるから、「天」だけでも意味が通じるはずだが、たとえば仏像を指すときには、日本語では「天像」とは言わず「天部像」と言いならわしている。なおdevaは天神、天人とも訳すが、その場合は多少ニュアンスが異なる。ゾロアスター教においてはデーヴァに相当するダエーワは悪神・悪魔に位置付けられている。 天部諸尊のルーツである古代インドのバラモン教の神々は、宇宙の創造神から、悪霊鬼神の類に至るまでさまざまである。そのうちには、男性神(毘沙門天、大黒天など)、女性神(吉祥天、弁才天など)、貴紳形(梵天)、天女形(吉祥天)、力士形(金剛力士)、武将形(十二神将)など、さまざまな形態や性格のものを含む。
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