漢字文化圏
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漢字文化圏(かんじぶんかけん)とは、「文化圏」概念の一つ。漢字に代表される漢文化(中国文化)を使用しているか、過去に使用していた地域のことであり、漢字の他に漢文や儒教、大乗仏教などに由来する文化を共有している[1]。漢字圏ともいう[2]。
注釈
- ^ いわゆるハングルは漢字から派生した文字ではないが、その音節文字的特徴に漢字からの影響があることは明らかである。なお言語学者・西田龍雄は契丹文字からヒントを得た可能性を指摘している。
- ^ ただしこれらの書記言語が漢文に優越する公用文としての地位を確立するのは近代以降のことである。
- ^ 「東アジア」自体、政治的ニュアンスを帯びた「東亜」の代替として戦後に新しく作り出された用語であり、むしろ余分な意味内包を持たない中立的用語であることが求められたのである。
- ^ この語の初出は亀井孝・大藤時彦・山田俊雄『日本語の歴史2文字とのめぐりあい』平凡社、1963年と言われている。亀井孝は後に自分が「漢字文化圏」という用語を初めて使ったと述べている。
出典
- ^ 「漢字文化圏」とは
- ^ 村田雄二郎、C・ラマール 編 『漢字圏の近代』東京大学出版会、2005年。ISBN 978-4-13-083042-3。
- ^ この文の記述にあたっては林謙一郎「南詔・大理国の統治体制と支配」『東南アジア-歴史と文化-』28号、1999年、28-54ページを参考にした。
- ^ The Languages of Japan, Cambridge University Press, 1990.
- ^ The Korean Language, Cambridge University Press, 2001.
- ^ What’s so Chinese about Vietnamese?[1]
- 1 漢字文化圏とは
- 2 漢字文化圏の概要
- 3 用語選定の要因
- 4 脚注
漢字文化圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 01:41 UTC 版)
日本語 - 旧正月(きゅうしょうがつ) 中国語 - 春節、新年、新春、大年、農暦年、農暦新年、旧暦年、元旦 朝鮮語 - ソルラル(ソラル)、ソル ベトナム語 - テト(テッ、節)、テトグェンダン(元旦節) 英語 - Chinese New Year、Lunar New Year、Chinese Lunar New Year、Spring Festival、Tet、○○(国名の形容詞) New Year 中国では、1911年の辛亥革命後、翌1912年の中華民国の成立時に太陽暦が正式に採用され、元旦は新暦の1月1日へ移動し、旧暦1月1日は「春節」とされ現在に至る。 英語では、Chinese New Year は中国に限らず中国暦での旧正月の総称として使える。ただし、モンゴルの旧正月は中国暦ではないので含まない。 Lunar New Year は、中国暦・モンゴル暦のみならずイスラム暦などを含む、太陰暦・太陰太陽暦一般の年初の総称である。各国の旧正月を特にいう場合は、Korean New Year などともいえる。テト攻勢により、ベトナムの旧正月はTetで通じる。 Japanese New Year は日本でのグレゴリオ暦の正月を意味するので、旧正月を意味するには Traditional Japanese New Year という必要がある。
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漢字文化圏
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漢字文化圏では、長らく元号と干支が用いられて来た。しかし、中国では辛亥革命によって元号は廃止され、民国紀元が施行された。その後に成立した中華人民共和国では、民国紀元は廃止され、キリスト紀元と干支が用いられている。 又、第二次世界大戦での日本の降伏により、朝鮮半島とベトナムでは元号が廃止され、キリスト紀元と干支が多く用いられているが、崇禎紀元、檀君紀元、主体紀元、越南民主共和(私年号)など、私年号を含めて独自の紀元も用いられている(或いは用いられていた)。 現在の日本では、元号・干支・キリスト紀元・神武紀元・天孫紀元の5種類が用いられている。尚、漢字文化圏では、民間においては干支のうち十二支を動物に見立てた十二生肖で年を数える紀年法が広く使われている。
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漢字文化圏
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日本語のほか漢字文化圏の言語においては、ヨーロッパ諸語の抽象的概念や新しい事物を翻訳借用した漢字語が多く見られる。その中には、漢籍古典に見える語をそのままあてて新しい訳語としたもの(「自由」「文学」)、漢籍を典拠としつつも、字を組み合わせて新しい語形を作ったもの(「経済」「格致」)、典拠を持たない字の組み合わせを新しく作ったもの(「電脳」「哲学」)など、カルクによらない独自の造語が多い。借用元の語に3つ以上の形態素がある場合漢字2字からなる漢字語へのカルクを行うのが難しいこと、借用当時の知識人が漢籍によって知識を吸収していたため、高尚な知識の表現が漢訳によるのを当然視していたことの複合的な結果である。日本語でも言文一致体の完成によって実用面での漢文の地位が低下し、さらに敗戦後に英語の知識が広く浸透すると、音訳借用(いわゆる「カタカナ語」)が増加した。 翻訳借用により現代中国語に導入された語としては、次のようなものがある(ここでは便宜的に日本の新字体で表記):熱線←hot line、熱狗←hot dog、黄頁←yellow pages、二手←secondhand、黒匣子←black box、手冊←handbook、水印←watermark、微軟←Microsoft、藍牙←Bluetooth、西屋←Westinghouse。翻訳借用により日本語に導入された語としては、次のようなものがある:脚注←footnote、帝王切開←Kaiserschnitt(ドイツ語)、平方根←square root、鍵盤←keyboard、啞鈴(亜鈴)←dumbbell。 また日本語には漢文訓読特有の言い回しに漢字語から和語(大和言葉)への翻訳借用が多い。例えば「をもって」(以)、「において」(於)、「…するところの」(所)、「これ」(是、之、惟)などがあり、現代でも使われるものもある。これは訓読自体が漢文の翻訳の一形態に他ならないからである。
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漢字文化圏
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古代中国文明影響下の東アジアにおいて、亀の甲羅は、儀式に則り火に炙ったときの割れ方で神意を占うものであった。 漢字の「亀」は古代中国の亀甲獣骨文字(甲骨文字)に起源し、元は亀の体形を真上から描いた象形文字であった。現在の文字と直結する造形は秦代の小篆に見ることができるが、ここでの亀は側面から描かれ、角度を縦に変えられている。詳しくはウィクショナリーの「龜」、および、その一節「字源」を参照。中国の繁体字(新字形)は現代のものでも、なお原形に近い(「他の言語」の「中文」、および、右の画像を参照)。頭と胴体、四肢と尾が揃っており、背中に甲羅を背負っている。地域などによって字形にかなり差異がある(繁体字#対照例示参照)。 現代中国語では陸棲、淡水棲のものを「烏亀」(烏龜 / 乌龟、wūguī、ただしクサガメの別名としても使われる)、海棲のものを「海亀」(海龜 / 海龟、hǎiguī)という。陸生のもののうちスッポンについては「鱉」(鱉 / 鳖、biē)または「甲魚」(甲魚 / 甲鱼、jiǎyú)などという。 日本での異称として「蔵六」と呼ばれる。四本の足と頭と尾の六つを甲羅の中に隠すところから。亀は長寿とされる縁起物なので人名にも使われる。
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