総称として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/27 23:55 UTC 版)
コチョウランないしファレノプシスの名は、園芸分野で流通しているが、上記のようにそれはコチョウラン属の総称とは若干異なるものである。 一般にコチョウランと言えば、数枚の葉を二列に重ね、そこから長い花茎を上に伸ばし、先端はやや垂れ、その茎沿いに丸っこい花を十数輪もつけるものである。これは原種ではアマビリスやコチョウランのイメージに近く、実際にこの二種は非常に多くの交配親として使われてきた。これら二種は白い花であるため、現在でもコチョウランと言えば白い花が主流である。だが、他の種や、特に近縁のドリティス・プルケリマとの交配などにより、様々な花色のものが作られている。これは厳密にはドリテノプシス属となるが、区別されていないことが多い。ただ、実際にどれだけの交配品種があるかについては実体が不明な面もある。 栽培に高温の温室が必要であるために、かつてはこの類の栽培は難しいとされ、また単茎性であるだけに繁殖も困難であり、高価なものであった。だが栽培や繁殖の技術革新により、広く栽培されるようになり、日本では1990年代の後半にシンビディウムの生産量を超え、現在ではランで最も多く販売されている状況である。 コチョウランの鑑賞上の価値の高さとしては、以下のようなものがあげられる。 優美かつ豪華な姿。 花持ちのよさ。鉢植えだと二か月くらい楽しめる。 花茎が長いため切り花に向く。 花が終わっても、株の状態がよければ花茎の途中から新たに花茎を伸ばして花をつける。 なお、ランの魅力の一つに香りがあげられることがあるが、ここで言うコチョウランには香りはほとんど無い。コチョウラン属にはビオラセアなど香りの強いものもあるが、ここにあげるコチョウランにはそのような特徴はほとんど与えられていない。
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