『リグ・ヴェーダ』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 22:10 UTC 版)
『リグ・ヴェーダ』においては、ヴリトラは「足なく手なき」「肩なき(怪物)」「蛇族の初生児」とされている。ヴリトラはその巨大な体で水を塞き止めて山の洞窟に閉じ込めていた。インドラは、工匠トヴァシュトリが作った武器・金剛杵(ヴァジュラ)を用いてヴリトラを殺害した。ヴリトラがインドラに倒されると、水が解放されて、雌牛の咆吼のような音を立てながら海へと流れていったという(あるいは、「雲の牛群」とも表現される雨が解放される)。 この功績により、インドラはヴリトラハン(ヴリトラ殺し)の異名を得た。その一方で、『リグ・ヴェーダ』の伝えるところでは、インドラは勝利したにもかかわらず強い怖れにとらわれたという。 『リグ・ヴェーダ』(I・33・4)では、ヴリトラに対するインドラの勝利によって、神が天や太陽を作り出したとされている。また、同じく『リグ・ヴェーダ』の他の箇所(X・113・4-6)では、インドラは誕生するとすぐに天空を定め、水を闇に幽閉していたヴリトラの体をヴァジュラをもって割いたとされている。
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