土産とは? わかりやすく解説

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ど‐さん【土産】

読み方:どさん

《「とさん」とも》

その土地産物

みやげもの。みやげ。


みやげ【土産】

読み方:みやげ

外出先や旅先求め、家などに持ち帰る品物

他人の家訪問するときに持っていく贈り物手みやげ。「—に酒を持参する

迷惑なもらい物冗談めかしていう語。「伝染病という、とんだ—をもって帰国した


土産


土産


土産

作者島崎藤村

収載図書島崎藤村短編集 第2巻 藤村集・散
出版社郷土出版社
刊行年月2003.4


土産

読み方:ミヤゲmiyage

作者 宮柊二

初出 昭和41年

ジャンル 随筆


土産

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/01 04:54 UTC 版)

日本浅草商店街の土産物店。2011年。
イギリスロンドンの土産物市。2004年。
アイスランドの土産物店。2005年。
極地で土産物を売る / 富士山山頂(吉田口頂上)で山小屋「扇屋」が運営している売店。2009年。

土産(みやげ、みあげ、どさん、とさん)は、知人や縁者に配る目的で旅行先などで買い求めるその土地にちなむ品物(進物)。または知人や縁者の家宅など訪問先を訪問する際に感謝を込めて持参する進物のこと。後者の場合は手土産(てみやげ)という言い方もする。旅先で見聞きした物事や体験などを語って聞かせることを土産話(みやげばなし)という。進物であることから丁寧語の接頭辞をつけ、御土産(おみやげ)と称するのが一般的である。

語義

語源

「土産」は元来、「どさん」または「とさん」と読む漢語で、「土地の産物(≒特産)」を意味する[1]。現代中国語でも同じ意味である。

「みやげ」の語源は諸説あり、

などと言われる。

室町時代以降[1]、「土産」を「みやげ」と熟字訓で読むようになった。ただし、「どさん(とさん)」と読んだ場合も「みやげ」の意味で使われることはある[5]

家に持ち帰る土産のことを家苞(イエヅト)という[6]

スーベニア

日本の観光土産にフランス語を語源とするスーベニア(Souvenir)が訳語で当てられることがある[7]。ただし、このスーベニアの第一義は自らの思い出や記憶であり、他者に送るものを基本とする日本語でいう「土産」とは含意が異なる[7]。日本でいう「観光みやげ」には、旅の記憶を持ち帰るもの(スーベニア)と、旅の記憶やその証明としての贈答(ギフト)の2つの含意があると指摘されている[7]

旅行先の土産

販売

いわゆる観光地や、鉄道駅空港など交通機関のターミナル施設では、土産の専門店が軒を連ねることが多い。土産の製造・販売は地域経済において大きな比重を持っている。

ロンドンが顕著であるが地方の観光地において、土産品をおく市が立つことがある。日本では現地で土産を買えなかったときでも、帰途に新幹線など長距離列車の車内販売を利用すれば沿線の名物を購入できる場合がある。大阪梅田の地下通路では1951年から2014年3月まで、全国各地の名産販売店が集まる「阪神百貨店ふるさと名産」(開業時の名称は『全国銘菓名物街』[8])が営業していた。実際には行っていない旅先の土産でも買えることから「アリバイ横丁」と呼ばれていた[9]

先住民観光や文化観光ではホスト(観光地に住む販売者)とゲスト(観光客)として捉えられがちだが、マレーシアサラワク州では婚姻儀礼で使用する衣装や装飾品を住民が観光客に販売すると同時に、住民たちも観光客向けの店で購入しており単純に二分できる図式にはなっていない[10]

研究

観光土産やスーベニアに関しては、1990年代以降になり商品の分類や機能、消費傾向と観光形態の関係、販売者と購入者の関係などが研究対象として取り上げられるようになった[7]

また、文化人類学的な研究にツーリスト・アート(観光芸術)研究があり、観光による手工芸品の商品化などが議論の対象となってきた[7]。ツーリスト・アート(観光芸術)をめぐっては、観光客と地元の住民との間の関係性における文化変容や真正性の消失が議論されてきた[7]

一方で、世界的にはTシャツキーホルダーなど大量生産されたものに、観光地の名前や名所が示されて販売される例があり、自らの観光行動の「証明」として機能していると指摘されている[7]。日本ではペナントが流行した時期があった[11]

比喩

進物全般について土産と称することから、以下の事象についてもこの呼称が用いられる。

  • 行為の本来の目的ではない物事を受け取ること。受け取る側が望んでいない物事に対して言う場合が多い。
  • いわゆるリベート賄賂のこと。

脚注

出典

  1. ^ a b "土産"はなぜ"みやげ"? - トクする日本語 - NHK アナウンスルーム[リンク切れ]
  2. ^ 鈴木勇一郎「近代おみやげ考 : 東海道を中心に」『国立歴史民俗博物館研究報告』第155巻、国立歴史民俗博物館、2010年3月、137-149頁、CRID 1390290699066341376doi:10.15024/00001773ISSN 0286-7400 
  3. ^ 広辞苑』第6版「みやげ【土産】」
  4. ^ 諸橋大漢和』巻3 p.112「土産」
  5. ^ 広辞苑』第6版「どさん【土産】」
  6. ^ 家苞に貝そ拾へる浜波はいやしくしくに高く寄すれど 大伴家持万葉集 http://manyo.hix05.com/yakamochi/yakamochi.sakimori.html
  7. ^ a b c d e f g 石野隆美「旅せぬ観光みやげの行方 : 日常生活における地域住民と観光みやげの関係に関する試論」『立教観光学研究紀要』第20巻、2018年3月、17-24頁、doi:10.14992/00016455ISSN 13447726NAID 1200064855332023年1月17日閲覧 
  8. ^ アリバイはどこで作れば…梅田地下街「ふるさと名産」閉鎖へ」『産経デジタル』株式会社産経デジタル、2014年2月25日。2021年5月16日閲覧。
  9. ^ 大阪・梅田の「アリバイ横丁」 60年の歴史に幕」『日本経済新聞日本経済新聞社、2014年3月29日。2021年5月16日閲覧。
  10. ^ 研究代表者 市川哲「マレーシア、サラワク州における在地の社会関係と観光開発に関する研究」『科学研究費助成事業データベース』研究課題/領域番号:23710308完了 (2013年度)、2011-2013。 
    市川哲「マレーシア、サラワク州における手工芸品研究のための覚書 : 観光と民族関係の接合」『立教大学観光学部紀要』第16巻、2014年、136-146頁、doi:10.14992/00009088ISSN 1344767XNAID 120005427010 
  11. ^ かつての定番お土産「ペナント」が蘇る < Excite Bit」『Exciteニュース』エキサイト株式会社、2004年4月22日。2021年5月16日閲覧。

参考文献

辞事典

関連項目


土産

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 14:40 UTC 版)

福知山市」の記事における「土産」の解説

踊りせんべい福知山市街地)福知山音頭歌詞や、踊り子の姿などの焼印入った玉子せんべい代表的な土産物銘菓福知山市街地)慶長16年1611年創業400年近い歴史を持つ老舗店『名門千原』の代表銘昔ながらころ柿風味想い浮ばすよう干柿利用して造った上品な食感甘さ和菓子金沢菓子博覧会で「内閣総理大臣賞」も受賞している。原料寒梅粉干柿小豆白双糖水飴片栗粉グラニュー糖鉄砲漬け(福知山市街地)『丹波佐治兵衛』で製造される代表銘柄漬物。かつて丹波地方では、自家製味噌仕込む際、の底に野菜詰めた瓜を敷いていた。やがて味噌使い終わり瓜が顔を出す頃には、立派に熟成した漬物になっていた。くり抜いた瓜を鉄砲の筒に、細かく刻んで瓜の中に詰めた野菜火薬見たてたところから名づけられた鉄砲漬け。原材料は、瓜、大根高菜山椒(せり)、昆布紫蘇(しそ)の実。瓜を刻んで中の具と混ぜ合わせてご飯と共に食べることも。 高級珍味 松茸昆布福知山市街地)『大江山食品製造朝霧覆われ極上松茸素材とし、上質角切り真昆布とともに伝統の釜炊き製法でじっくり炊き上げた佃煮鬼饅頭福知山市大江町)底の大きさが、大人の手のひらの大きさほどもある大きな饅頭そのまま食べるのは大きすぎるので、普通は包丁などで小さく切って食べる。 笑鬼もなか(福知山市大江町)鬼の顔をかたどった形をしたもなかである。 黒豆ぼうろ(福知山市夜久野町丹波黒豆ふんだんに使用したぼうろ菓子タレント戸田恵子テレビ番組とんねるずのみなさんのおかげでした』の「食わず嫌い王コーナーで、土産物として持参したテリーヌ「天」(福知山市街地)丹波産のと、伊太利亜産カスターニュ種の蒸し、そしてフランスノルマンディ産ラヴィエットのAOC発酵バターに、創業文化元年讃岐三谷の手造り和三盆糖沖縄粟国の塩など、厳選素材だけを使って焼き上げたフランス洋菓子一本10, 000円。インターネットでは、楽天お取り寄せスイーツ第1位になったこともある「足立音衛門(あだちおとえもん)」で販売されている。

※この「土産」の解説は、「福知山市」の解説の一部です。
「土産」を含む「福知山市」の記事については、「福知山市」の概要を参照ください。

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土産

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和語の漢字表記

  1. みやげ参照

「土産」の例文・使い方・用例・文例

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